23 / 212
第一章
短編 お小遣いを稼ぐマドレーヌ
しおりを挟む
「おはようございます」
王都の冒険者ギルドには辺境4地方への転移システムが設置されている。マドレーヌはギルドと交渉して領地内と王都のギルド間の転移装置をつかわせてもらっている。これは自分で気が付いて交渉した人間の特権であった。もちろん、装置を使えるだけの魔力量があるもの、という前提がある。つまり平民は殆ど使えないし下級貴族も無理な事が多い。
グランジエ家の人間は魔力量は豊富なのだが攻撃魔法は上手くできない。コントロールが下手なのが代々続いている。ギルドや学園は魔力量なら魔導師になれるのに、とグランジエ家からの新入生を迎える都度に落胆する。
マドレーヌは週末は実家の領地で過ごす事が殆どだ。それは他の辺境を領地にもつ面々も変わらない。どの領地も魔物が出る森を抱えているのだ。
「今週の査定お願いします」
マドレーヌは査定台の上に森角ウサギを置いていく。
「今週も頑張ったな」
「今週はまだ大物があるの」
「森鹿と森いのしし3匹」
査定台に鹿と猪を出そうとするマドレーヌを職員が止める。
「森角兎を持って行ってからな。今週はウサギの串が3種類でるぞ。森と草と海と」
マドレーヌが嬉しそうになる。
「学校終わったら食べに来るから」
「おうよ。と、じゃ鹿といのししを出してくれ。今週は色々食事が楽しいぞ」
「私も帰ってからおやつたべに来るからね」
マドレーヌは獲物の査定を頼みそのまま学校へ向かった。
王都の冒険者ギルドには辺境4地方への転移システムが設置されている。マドレーヌはギルドと交渉して領地内と王都のギルド間の転移装置をつかわせてもらっている。これは自分で気が付いて交渉した人間の特権であった。もちろん、装置を使えるだけの魔力量があるもの、という前提がある。つまり平民は殆ど使えないし下級貴族も無理な事が多い。
グランジエ家の人間は魔力量は豊富なのだが攻撃魔法は上手くできない。コントロールが下手なのが代々続いている。ギルドや学園は魔力量なら魔導師になれるのに、とグランジエ家からの新入生を迎える都度に落胆する。
マドレーヌは週末は実家の領地で過ごす事が殆どだ。それは他の辺境を領地にもつ面々も変わらない。どの領地も魔物が出る森を抱えているのだ。
「今週の査定お願いします」
マドレーヌは査定台の上に森角ウサギを置いていく。
「今週も頑張ったな」
「今週はまだ大物があるの」
「森鹿と森いのしし3匹」
査定台に鹿と猪を出そうとするマドレーヌを職員が止める。
「森角兎を持って行ってからな。今週はウサギの串が3種類でるぞ。森と草と海と」
マドレーヌが嬉しそうになる。
「学校終わったら食べに来るから」
「おうよ。と、じゃ鹿といのししを出してくれ。今週は色々食事が楽しいぞ」
「私も帰ってからおやつたべに来るからね」
マドレーヌは獲物の査定を頼みそのまま学校へ向かった。
7
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

元婚約者が「俺の子を育てろ」と言って来たのでボコろうと思います。
音爽(ネソウ)
恋愛
結婚間近だった彼が使用人の娘と駆け落ちをしてしまった、私は傷心の日々を過ごしたがなんとか前を向くことに。しかし、裏切り行為から3年が経ったある日……
*体調を崩し絶不調につきリハビリ作品です。長い目でお読みいただければ幸いです。

新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。

姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。

私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。

前代未聞のダンジョンメーカー
黛 ちまた
ファンタジー
七歳になったアシュリーが神から授けられたスキルは"テイマー"、"魔法"、"料理"、"ダンジョンメーカー"。
けれどどれも魔力が少ない為、イマイチ。
というか、"ダンジョンメーカー"って何ですか?え?亜空間を作り出せる能力?でも弱くて使えない?
そんなアシュリーがかろうじて使える料理で自立しようとする、のんびりお料理話です。
小説家になろうでも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる