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第一章
アラン・アルノー伯爵子息
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俺は10歳まで狼人の国にいた。狼人と言っても完全に狼に変われる人はあまりいない。その上でこの国の玉座は「銀狼」に完全に変態できなければ継げないらしい。一つ不満はこの国の玉座は銀狼になる事は条件だけど性別も爵位も関係ないのだ。
そういう仕組みだから貴族はいるが『王家』はない。いや、一応はあるのだとか。やはり王家からが一番銀狼が出やすいらしい。ただし。王家にはなんの権力も特権もない。有体に言えば銀狼を産む為の血筋、でしかないのだ。
祖父と曾祖父はこの国で『気位』の高さと『抜け目なさ』を学んでほしかったらしい。俺は祖父と曾祖父と乳母が望む通りの姿に育ったらしく、10才の時にそろそろ帰国して最期の仕上げを、という事になった。曾祖父の資産はこの国に滞在するのにほぼなくなったようだった。理由は父のカジノ通いだったそうだ。
曾祖父と父と乳母はカジノのトラブルで殺されたらしく、一人になった俺を狼人の貴族は憐れんだらしく。冒険者を雇い、国の領地まで送らせた。その冒険者集団はうちの国に用があったらしく俺を送ることで報酬があったので一石二鳥だったようだ。
そこのリーダーが俺の振舞いを見て
「辺境の子供とは違うな」
と笑った。10才前後の辺境伯たちの子供を預かって1年冒険者集団の子供として冒険者集団と生活させて、自分たちに協力する『冒険者』とその生活を知ってもらう、という話だった。
ともあれ俺は領地に戻り、家族と暮らし始めた。家族は俺を大事にしてくれたし、俺の思う通りに出来たので曾祖父たちの教育は正しかったのだ。
この国に落ち着いた頃、俺に婚約者が出来た。美しい娘だがじゃじゃ馬だった。そのうち男に……俺に組敷かれて泣く女だ。多少の生意気は許そう。婚約者マドレーヌは学園にくればリディと自分の扱いの差を見て俺に逆らうのは損だと悟るだろうよ。女は爵位や容姿じゃない。男を満足させられるか、だ。
そう思っていたのに何故俺は公爵家で勉強させられているんだ?王国法?家督は女性でも告げる?おじい様はそんなこと言って無かった。……こうなればネイサン王子と正妃様を足がかりにして法律を元に戻してやる。女は男の下に居ればいいんだ。それこそが人の自然な姿なんだ。
そういう仕組みだから貴族はいるが『王家』はない。いや、一応はあるのだとか。やはり王家からが一番銀狼が出やすいらしい。ただし。王家にはなんの権力も特権もない。有体に言えば銀狼を産む為の血筋、でしかないのだ。
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曾祖父と父と乳母はカジノのトラブルで殺されたらしく、一人になった俺を狼人の貴族は憐れんだらしく。冒険者を雇い、国の領地まで送らせた。その冒険者集団はうちの国に用があったらしく俺を送ることで報酬があったので一石二鳥だったようだ。
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