24 / 212
第一章
アラン・アルノー伯爵子息
しおりを挟む
俺は10歳まで狼人の国にいた。狼人と言っても完全に狼に変われる人はあまりいない。その上でこの国の玉座は「銀狼」に完全に変態できなければ継げないらしい。一つ不満はこの国の玉座は銀狼になる事は条件だけど性別も爵位も関係ないのだ。
そういう仕組みだから貴族はいるが『王家』はない。いや、一応はあるのだとか。やはり王家からが一番銀狼が出やすいらしい。ただし。王家にはなんの権力も特権もない。有体に言えば銀狼を産む為の血筋、でしかないのだ。
祖父と曾祖父はこの国で『気位』の高さと『抜け目なさ』を学んでほしかったらしい。俺は祖父と曾祖父と乳母が望む通りの姿に育ったらしく、10才の時にそろそろ帰国して最期の仕上げを、という事になった。曾祖父の資産はこの国に滞在するのにほぼなくなったようだった。理由は父のカジノ通いだったそうだ。
曾祖父と父と乳母はカジノのトラブルで殺されたらしく、一人になった俺を狼人の貴族は憐れんだらしく。冒険者を雇い、国の領地まで送らせた。その冒険者集団はうちの国に用があったらしく俺を送ることで報酬があったので一石二鳥だったようだ。
そこのリーダーが俺の振舞いを見て
「辺境の子供とは違うな」
と笑った。10才前後の辺境伯たちの子供を預かって1年冒険者集団の子供として冒険者集団と生活させて、自分たちに協力する『冒険者』とその生活を知ってもらう、という話だった。
ともあれ俺は領地に戻り、家族と暮らし始めた。家族は俺を大事にしてくれたし、俺の思う通りに出来たので曾祖父たちの教育は正しかったのだ。
この国に落ち着いた頃、俺に婚約者が出来た。美しい娘だがじゃじゃ馬だった。そのうち男に……俺に組敷かれて泣く女だ。多少の生意気は許そう。婚約者マドレーヌは学園にくればリディと自分の扱いの差を見て俺に逆らうのは損だと悟るだろうよ。女は爵位や容姿じゃない。男を満足させられるか、だ。
そう思っていたのに何故俺は公爵家で勉強させられているんだ?王国法?家督は女性でも告げる?おじい様はそんなこと言って無かった。……こうなればネイサン王子と正妃様を足がかりにして法律を元に戻してやる。女は男の下に居ればいいんだ。それこそが人の自然な姿なんだ。
そういう仕組みだから貴族はいるが『王家』はない。いや、一応はあるのだとか。やはり王家からが一番銀狼が出やすいらしい。ただし。王家にはなんの権力も特権もない。有体に言えば銀狼を産む為の血筋、でしかないのだ。
祖父と曾祖父はこの国で『気位』の高さと『抜け目なさ』を学んでほしかったらしい。俺は祖父と曾祖父と乳母が望む通りの姿に育ったらしく、10才の時にそろそろ帰国して最期の仕上げを、という事になった。曾祖父の資産はこの国に滞在するのにほぼなくなったようだった。理由は父のカジノ通いだったそうだ。
曾祖父と父と乳母はカジノのトラブルで殺されたらしく、一人になった俺を狼人の貴族は憐れんだらしく。冒険者を雇い、国の領地まで送らせた。その冒険者集団はうちの国に用があったらしく俺を送ることで報酬があったので一石二鳥だったようだ。
そこのリーダーが俺の振舞いを見て
「辺境の子供とは違うな」
と笑った。10才前後の辺境伯たちの子供を預かって1年冒険者集団の子供として冒険者集団と生活させて、自分たちに協力する『冒険者』とその生活を知ってもらう、という話だった。
ともあれ俺は領地に戻り、家族と暮らし始めた。家族は俺を大事にしてくれたし、俺の思う通りに出来たので曾祖父たちの教育は正しかったのだ。
この国に落ち着いた頃、俺に婚約者が出来た。美しい娘だがじゃじゃ馬だった。そのうち男に……俺に組敷かれて泣く女だ。多少の生意気は許そう。婚約者マドレーヌは学園にくればリディと自分の扱いの差を見て俺に逆らうのは損だと悟るだろうよ。女は爵位や容姿じゃない。男を満足させられるか、だ。
そう思っていたのに何故俺は公爵家で勉強させられているんだ?王国法?家督は女性でも告げる?おじい様はそんなこと言って無かった。……こうなればネイサン王子と正妃様を足がかりにして法律を元に戻してやる。女は男の下に居ればいいんだ。それこそが人の自然な姿なんだ。
6
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説

婚約破棄をされ、処刑された悪役令嬢が召喚獣として帰ってきた
朋 美緒(とも みお)
ファンタジー
中央から黒い煙が渦を巻くように上がるとその中からそれは美しい女性が現れた
ざわざわと周囲にざわめきが上がる
ストレートの黒髪に赤い目、耳の上には羊の角のようなまがった黒い角が生えていた、グラマラスな躯体は、それは色気が凄まじかった、背に大きな槍を担いでいた
「あー思い出した、悪役令嬢にそっくりなんだ」
***************
誤字修正しました

元婚約者が「俺の子を育てろ」と言って来たのでボコろうと思います。
音爽(ネソウ)
恋愛
結婚間近だった彼が使用人の娘と駆け落ちをしてしまった、私は傷心の日々を過ごしたがなんとか前を向くことに。しかし、裏切り行為から3年が経ったある日……
*体調を崩し絶不調につきリハビリ作品です。長い目でお読みいただければ幸いです。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

(完結)「君を愛することはない」と言われて……
青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら?
この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。
主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。
以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。
※カクヨム。なろうにも時差投稿します。
※作者独自の世界です。
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる