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INTERVAL
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「外国人ってことか?」
半分冗談のつもりでたずねると、意外にも相手は首肯する。
「ハデめで、あんま日本人っぽくねえ感じだな。で、水元に似てた」
逆ではないだろうか。母親が水元に似ているのではなく、水元が母親に似ているのだ。しかし、そんな言い間違いを指摘するのもおっくうだった。
「親父さんには会ったことねえけど、そっちはたぶん似てねえんだろうな。再婚相手らしいし」
ちょうどアイスの包装紙を破いていた響野は、動きを止めて安西を見る。
「フクザツだろ?」と安西も顔を歪めた。
「で、ハハオヤのほうが出てって、今は父子ふたりだぜ。そりゃ色々あんだろ。家庭の事情ってやつだろーな」
だからあんま恨むなよ。そう言って、食べ終えたアイスの棒をくわえたまま、安西は響野の肩をぽんと叩く。
どうやら、なぐさめられているらしいと気が付いた。
「何で、俺が水元を恨まなきゃならないんだ」
「仲良かったじゃん、おまえら」
「普通だ」と響野は答える。
仲が良いと言うなら安西や横山や和田だって同じだろう。趣味も性格も違うのに、なぜか気が合う友人たち。
響野はコンビニのゴミ箱に向けてアイスの棒を投擲している安西を見た。ジュースの空き缶のシュート成功率は高い安西だが、小さな木の棒は、投げるには軽すぎたらしい。ぽとり、とゴミ箱の手前に落ちたのを見て舌打ちしている。
半分冗談のつもりでたずねると、意外にも相手は首肯する。
「ハデめで、あんま日本人っぽくねえ感じだな。で、水元に似てた」
逆ではないだろうか。母親が水元に似ているのではなく、水元が母親に似ているのだ。しかし、そんな言い間違いを指摘するのもおっくうだった。
「親父さんには会ったことねえけど、そっちはたぶん似てねえんだろうな。再婚相手らしいし」
ちょうどアイスの包装紙を破いていた響野は、動きを止めて安西を見る。
「フクザツだろ?」と安西も顔を歪めた。
「で、ハハオヤのほうが出てって、今は父子ふたりだぜ。そりゃ色々あんだろ。家庭の事情ってやつだろーな」
だからあんま恨むなよ。そう言って、食べ終えたアイスの棒をくわえたまま、安西は響野の肩をぽんと叩く。
どうやら、なぐさめられているらしいと気が付いた。
「何で、俺が水元を恨まなきゃならないんだ」
「仲良かったじゃん、おまえら」
「普通だ」と響野は答える。
仲が良いと言うなら安西や横山や和田だって同じだろう。趣味も性格も違うのに、なぜか気が合う友人たち。
響野はコンビニのゴミ箱に向けてアイスの棒を投擲している安西を見た。ジュースの空き缶のシュート成功率は高い安西だが、小さな木の棒は、投げるには軽すぎたらしい。ぽとり、とゴミ箱の手前に落ちたのを見て舌打ちしている。
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