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はがれた化けの皮
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「ちなみに、こちらが確信を持てるまでは、堀口が犯人だって話はしないほうがいいと思う。曲りなりも両親だし。後、接触するタイミングにも気を遣ったほうがいいだろうねぇ。万が一を考えて、確実に親族を味方に取り込める段階になるまでは、慎重に様子を伺ったほうがいい」
田之上自身はそんな役割を担える自信がなかった。すぐに我慢ができなくなって、堀口が犯人であることを言ってしまいそうだ。それに、様子を伺うということが、どうにも得意じゃない」
「それは凡場辺りにやらせようぜ。あいつ、なんだかんだでデキるしよ。確実にやってくれると思うぜ」
ぱっと思いついたのが凡場だった。というか、他に適任がいるなら教えて欲しい――と思うほどに田之上達は人手不足だった。他の課で協力してくれるのなんて凡場くらいしかいないわけだし。
「まぁ、彼なら変なドジを踏むことはないだろうね。後、犯人が犯行を実行に移しやすいように、偽の情報を本人に流しておきたいんだ。そうだねぇ、とりあえず今話に出てきた凡場が犯人ってことにでもしておこう。僕達が凡場を犯人として疑っていることを、さりげなく堀口に流すんだ」
自然と手を挙げている自分がいた。ペテンは自分の代名詞。堀口を丸め込むくらいならば簡単だ。というか、他に面倒な役割を押し付けられる前に、さっさと楽な役割を引き受けてやろうという算段だった。
「異議なし。田之上が適任だろうね。僕が堂々と情報を流すより、田之上が裏でちらりと情報を流したほうが信憑性が高い。その辺の話術というか、胡散臭さは田之上に勝てる者はいないよぉ」
褒められているのか貶されているのか分からない。そんな複雑な心境の中で田之上は桂の言葉に意見を付け足す。
「ただ、本当に事件が起きたら洒落にならねぇ。その辺りのことも考えておかねぇとな」
田之上は新たに煙草をくわえると火を点ける。堀口を誘い込んで欺くのは結構だが、事件の衝動に駆らせるだけ駆らせておいて、本当に事件が起きては困る。その辺りの対策だけはしっかりやっておくべきだ。
「その辺も考えてあるよ。まずは一課から何人かの人材を派遣してもらおう。状況が状況だし、進藤警部もかなり追い詰められているはず。事件の真相と、こちらの考えを話せば嫌々でも協力してくれるだろう。人材を派遣してもらったら、堀口に気付かれぬように監視する。もちろん、24時間体勢でね」
田之上自身はそんな役割を担える自信がなかった。すぐに我慢ができなくなって、堀口が犯人であることを言ってしまいそうだ。それに、様子を伺うということが、どうにも得意じゃない」
「それは凡場辺りにやらせようぜ。あいつ、なんだかんだでデキるしよ。確実にやってくれると思うぜ」
ぱっと思いついたのが凡場だった。というか、他に適任がいるなら教えて欲しい――と思うほどに田之上達は人手不足だった。他の課で協力してくれるのなんて凡場くらいしかいないわけだし。
「まぁ、彼なら変なドジを踏むことはないだろうね。後、犯人が犯行を実行に移しやすいように、偽の情報を本人に流しておきたいんだ。そうだねぇ、とりあえず今話に出てきた凡場が犯人ってことにでもしておこう。僕達が凡場を犯人として疑っていることを、さりげなく堀口に流すんだ」
自然と手を挙げている自分がいた。ペテンは自分の代名詞。堀口を丸め込むくらいならば簡単だ。というか、他に面倒な役割を押し付けられる前に、さっさと楽な役割を引き受けてやろうという算段だった。
「異議なし。田之上が適任だろうね。僕が堂々と情報を流すより、田之上が裏でちらりと情報を流したほうが信憑性が高い。その辺の話術というか、胡散臭さは田之上に勝てる者はいないよぉ」
褒められているのか貶されているのか分からない。そんな複雑な心境の中で田之上は桂の言葉に意見を付け足す。
「ただ、本当に事件が起きたら洒落にならねぇ。その辺りのことも考えておかねぇとな」
田之上は新たに煙草をくわえると火を点ける。堀口を誘い込んで欺くのは結構だが、事件の衝動に駆らせるだけ駆らせておいて、本当に事件が起きては困る。その辺りの対策だけはしっかりやっておくべきだ。
「その辺も考えてあるよ。まずは一課から何人かの人材を派遣してもらおう。状況が状況だし、進藤警部もかなり追い詰められているはず。事件の真相と、こちらの考えを話せば嫌々でも協力してくれるだろう。人材を派遣してもらったら、堀口に気付かれぬように監視する。もちろん、24時間体勢でね」
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