67 / 203
第三章 惨殺による惨殺【過去 高田富臣】
10
しおりを挟む
「鏑木――お前達、こういうところで冗談とかやめろよ」
動いた――ような気がする茂みのほうへと向かって声をかけてみる。しかしながら、まるで反応がない。由美香は由美香で不安げな表情を向けてくる。これでは、確かめないわけにはいかないではないか。
茂みのほうへと向かって足を踏み出す。すると、由美香が腕をぐっと掴んできた。いや、むしろ腕を掴むというか、腕を組むと表現したほうが正しいのかもしれない。
「や、やめとこ? ここ、ミノタウロスの森だから、何が起きるか分からないよ?」
恐ろしいからなのか、ぐっと体を寄せてくる由美香。嫌でも、胸の膨らみが感じられる。下はミニスカートであるし、目のやり場に困る。
「いや、だからって鏑木と細川を放っておくわけにはいかないだろ?」
自ら意識をそらそうとする高田。なんだか、由美香の様子がおかしいと思うのは気のせいなのか。
「あの2人は私の後ろにいたから、もしかしたら帰ったのかもよ」
意識をそらそうとすればするほど、見ないようにすればするほど、由美香の胸元や脚が気になってしまう。
「いや、でも俺達を置いて帰った――なんてことはあり得ないと思うぜ」
必死になって話をそらそうとする。由美香の体から離れようとする。しかしながら、意思と切り離された本能が、それを邪魔する。
「私さ、前から高田のこといいかもって思ってたんだよね」
由美香が腕を伸ばし、首の後ろへと手を回してくる。背伸びをした彼女の胸元はぱっくりと開いており、色白な肌が見えていた。
「待った……。ほら、鏑木達が隠れて見てるかもしれないから」
なんとか言い訳をしようとする口が、由美香の唇によって塞がれた。正直な話、嫌な気はしない。でも……こんなところで。と、いう気持ちもあった。
「大丈夫だって。ここなら誰も来ないし」
確かに由美香の言う通り、ここに来るような人間はいないことだろう。けれども、鏑木達が近くにいることは間違いない。それなのに、どうして由美香はこんな大胆なことができるのか。
もう一度、唇を塞がれる。ねっとりと舌が入ってきて、それに高田も絡ませる。
すぐ近くの茂みが、がさりと音を立てた。それも、一度ではない。二度、三度と。しかし、快楽に身を任せてしまった高田は聞こえないふりをした。それはきっと由美香とて同じであろう。
ミノタウロスの森での夜は、妖艶に――それでいて狡猾に、ゆっくりと更けていく。
動いた――ような気がする茂みのほうへと向かって声をかけてみる。しかしながら、まるで反応がない。由美香は由美香で不安げな表情を向けてくる。これでは、確かめないわけにはいかないではないか。
茂みのほうへと向かって足を踏み出す。すると、由美香が腕をぐっと掴んできた。いや、むしろ腕を掴むというか、腕を組むと表現したほうが正しいのかもしれない。
「や、やめとこ? ここ、ミノタウロスの森だから、何が起きるか分からないよ?」
恐ろしいからなのか、ぐっと体を寄せてくる由美香。嫌でも、胸の膨らみが感じられる。下はミニスカートであるし、目のやり場に困る。
「いや、だからって鏑木と細川を放っておくわけにはいかないだろ?」
自ら意識をそらそうとする高田。なんだか、由美香の様子がおかしいと思うのは気のせいなのか。
「あの2人は私の後ろにいたから、もしかしたら帰ったのかもよ」
意識をそらそうとすればするほど、見ないようにすればするほど、由美香の胸元や脚が気になってしまう。
「いや、でも俺達を置いて帰った――なんてことはあり得ないと思うぜ」
必死になって話をそらそうとする。由美香の体から離れようとする。しかしながら、意思と切り離された本能が、それを邪魔する。
「私さ、前から高田のこといいかもって思ってたんだよね」
由美香が腕を伸ばし、首の後ろへと手を回してくる。背伸びをした彼女の胸元はぱっくりと開いており、色白な肌が見えていた。
「待った……。ほら、鏑木達が隠れて見てるかもしれないから」
なんとか言い訳をしようとする口が、由美香の唇によって塞がれた。正直な話、嫌な気はしない。でも……こんなところで。と、いう気持ちもあった。
「大丈夫だって。ここなら誰も来ないし」
確かに由美香の言う通り、ここに来るような人間はいないことだろう。けれども、鏑木達が近くにいることは間違いない。それなのに、どうして由美香はこんな大胆なことができるのか。
もう一度、唇を塞がれる。ねっとりと舌が入ってきて、それに高田も絡ませる。
すぐ近くの茂みが、がさりと音を立てた。それも、一度ではない。二度、三度と。しかし、快楽に身を任せてしまった高田は聞こえないふりをした。それはきっと由美香とて同じであろう。
ミノタウロスの森での夜は、妖艶に――それでいて狡猾に、ゆっくりと更けていく。
0
あなたにおすすめの小説
『 ゆりかご 』
設楽理沙
ライト文芸
- - - - - 非公開予定でしたがもうしばらく公開します。- - - -
◉2025.7.2~……本文を少し見直ししています。
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
――――
「静かな夜のあとに」― 大人の再生を描く愛の物語
『静寂の夜を越えて、彼女はもう一度、愛を信じた――』
過去の痛み(不倫・別離)を“夜”として象徴し、
そのあとに芽吹く新しい愛を暗示。
[大人の再生と静かな愛]
“嵐のような過去を静かに受け入れて、その先にある光を見つめる”
読後に“しっとりとした再生”を感じていただければ――――。
――――
・・・・・・・・・・
芹 あさみ 36歳 専業主婦 娘: ゆみ 中学2年生 13才
芹 裕輔 39歳 会社経営 息子: 拓哉 小学2年生 8才
早乙女京平 28歳 会社員
(家庭の事情があり、ホストクラブでアルバイト)
浅野エリカ 35歳 看護師
浅野マイケル 40歳 会社員
❧イラストはAI生成画像自作
結婚する事に決めたから
KONAN
恋愛
私は既婚者です。
新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。
まずは、離婚してから行動を起こします。
主な登場人物
東條なお
似ている芸能人
○原隼人さん
32歳既婚。
中学、高校はテニス部
電気工事の資格と実務経験あり。
車、バイク、船の免許を持っている。
現在、新聞販売店所長代理。
趣味はイカ釣り。
竹田みさき
似ている芸能人
○野芽衣さん
32歳未婚、シングルマザー
医療事務
息子1人
親分(大島)
似ている芸能人
○田新太さん
70代
施設の送迎運転手
板金屋(大倉)
似ている芸能人
○藤大樹さん
23歳
介護助手
理学療法士になる為、勉強中
よっしー課長(吉本)
似ている芸能人
○倉涼子さん
施設医療事務課長
登山が趣味
o谷事務長
○重豊さん
施設医療事務事務長
腰痛持ち
池さん
似ている芸能人
○田あき子さん
居宅部門管理者
看護師
下山さん(ともさん)
似ている芸能人
○地真央さん
医療事務
息子と娘はテニス選手
t助
似ている芸能人
○ツオくん(アニメ)
施設医療事務事務長
o谷事務長異動後の事務長
雄一郎 ゆういちろう
似ている芸能人
○鹿央士さん
弟の同級生
中学テニス部
高校陸上部
大学帰宅部
髪の赤い看護師(川木えみ)
似ている芸能人
○田來未さん
准看護師
ヤンキー
怖い
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
【完結】これはきっと運命の赤い糸
夏目若葉
恋愛
大手商社㈱オッティモで受付の仕事をしている浅木美桜(あさぎ みお)。
医師の三雲や、経産省のエリート官僚である仁科から付き合ってもいないのに何故かプロポーズを受け、引いてしまう。
自社の創立30周年記念パーティーで、同じビルの大企業・㈱志田ケミカルプロダクツの青砥桔平(あおと きっぺい)と出会う。
一目惚れに近い形で、自然と互いに惹かれ合うふたりだったが、川井という探偵から「あの男は辞めておけ」と忠告が入る。
桔平は志田ケミカルの会長の孫で、御曹司だった。
志田ケミカルの会社の内情を調べていた川井から、青砥家のお家事情を聞いてしまう。
会長の娘婿である桔平の父・一馬は、地盤固めのために銀行頭取の娘との見合い話を桔平に勧めているらしいと聞いて、美桜はショックを受ける。
その上、自分の母が青砥家と因縁があると知り……
━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
大手商社・㈱オッティモの受付で働く
浅木 美桜(あさぎ みお) 24歳
×
大手化粧品メーカー・㈱志田ケミカルプロダクツの若き常務
青砥 桔平(あおと きっぺい) 30歳
×
オフィスビル内を探っている探偵
川井 智親(かわい ともちか) 32歳
Husband's secret (夫の秘密)
設楽理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
❦ イラストはAI生成画像 自作
先輩、お久しぶりです
吉生伊織
恋愛
若宮千春 大手不動産会社
秘書課
×
藤井昂良 大手不動産会社
経営企画本部
『陵介とデキてたんなら俺も邪魔してたよな。
もうこれからは誘わないし、誘ってこないでくれ』
大学生の時に起きたちょっとした誤解で、先輩への片想いはあっけなく終わってしまった。
誤解を解きたくて探し回っていたが見つけられず、そのまま音信不通に。
もう会うことは叶わないと思っていた数年後、社会人になってから偶然再会。
――それも同じ会社で働いていた!?
音信不通になるほど嫌われていたはずなのに、徐々に距離が縮む二人。
打ち解けあっていくうちに、先輩は徐々に甘くなっていき……
どうか、お幸せになって下さいね。伯爵令嬢はみんなが裏で動いているのに最後まで気づかない。
しげむろ ゆうき
恋愛
キリオス伯爵家の娘であるハンナは一年前に母を病死で亡くした。そんな悲しみにくれるなか、ある日、父のエドモンドが愛人ドナと隠し子フィナを勝手に連れて来てしまったのだ。
二人はすぐに屋敷を我が物顔で歩き出す。そんな二人にハンナは日々困らされていたが、味方である使用人達のおかげで上手くやっていけていた。
しかし、ある日ハンナは学園の帰りに事故に遭い……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる