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第2問 虚無の石櫃【プロローグ】
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正直なところ、このクイズ番組にどれだけの人間が関わっているのかは不明である。しかしながら、少なくともクイズ番組自体は、藤木が1人で回していたように思える。カメラワークはずっと固定だったし、カメラマンの存在もなかった。
「例えば――番組の時は解答者として出演しているとか」
小野寺の言葉に吹き出す出雲。酒を口に含んだタイミングではなかったことに安堵の溜め息を漏らす出雲。
「そりゃ短絡的じゃないか? たまたま、番組をやる時に人数が足りなくて、後になってからスタッフか何かが追加されたんだと思うがぁ」
酔っ払いに短絡的だとか言われたくはない。ただ、出雲の言い分も決して間違っているとは言えないだろう。
「確かに、ケンさんの言うことも一理あります。でも、番組内の解答者の人達って、どう見ても自ら好んで番組に出てる感じじゃありませんよね? むしろ、彼らの態度から察するに、僕達と同じように強制的に監禁されている状態なんじゃないでしょうか? だとしたら、人の出入りに関しては特に注意しなければならない。しかも、僕とケンさんとは違って、解答者の方は8人もいるわけです。だとすれば、人の出入りにはかなり気を遣わないといけない。簡単に外に出ることができないようになっているだろうし、簡単に中に入ることもできないようにしてある可能性が高いと思います。8人が結託して司会の藤木に襲いかかり、脱出しようとすることも考えられる。だから、もしかすると藤木さんでさえ、自由に出入りすることはできないのかも」
犯人は解答者の中にいるというコンセプトのクイズ番組。もし自分が過去に人を殺したことがあって、それが暴かれるかもしれないというのに、喜んで番組に出る人間はいないだろう。つまり、解答者達も強制的に番組に出演させられている。番組中の彼らの態度も、そう考えるとしっくりくる。
「そうかぁ? 小野寺ぁ、お前ちょっと考えすぎじゃないか?」
あくまでも可能性の話であって、確定されたものではない。考え得る事柄を並べ立てただけだ。それなのに考えすぎだとは、心外な一言である。酔っ払い相手に大人げないが、思わず言い返してしまいそうになった小野寺であったが、急に目を見開いて、テレビ画面を指差す出雲の形相に言葉を失った。何事かとテレビのほうへと視線をやると――そこには、無残な姿となった司馬龍平の姿が映し出されていた。出雲とのやり取りでちょっと目を離した隙に、一体何が起きたというのだろうか。
「例えば――番組の時は解答者として出演しているとか」
小野寺の言葉に吹き出す出雲。酒を口に含んだタイミングではなかったことに安堵の溜め息を漏らす出雲。
「そりゃ短絡的じゃないか? たまたま、番組をやる時に人数が足りなくて、後になってからスタッフか何かが追加されたんだと思うがぁ」
酔っ払いに短絡的だとか言われたくはない。ただ、出雲の言い分も決して間違っているとは言えないだろう。
「確かに、ケンさんの言うことも一理あります。でも、番組内の解答者の人達って、どう見ても自ら好んで番組に出てる感じじゃありませんよね? むしろ、彼らの態度から察するに、僕達と同じように強制的に監禁されている状態なんじゃないでしょうか? だとしたら、人の出入りに関しては特に注意しなければならない。しかも、僕とケンさんとは違って、解答者の方は8人もいるわけです。だとすれば、人の出入りにはかなり気を遣わないといけない。簡単に外に出ることができないようになっているだろうし、簡単に中に入ることもできないようにしてある可能性が高いと思います。8人が結託して司会の藤木に襲いかかり、脱出しようとすることも考えられる。だから、もしかすると藤木さんでさえ、自由に出入りすることはできないのかも」
犯人は解答者の中にいるというコンセプトのクイズ番組。もし自分が過去に人を殺したことがあって、それが暴かれるかもしれないというのに、喜んで番組に出る人間はいないだろう。つまり、解答者達も強制的に番組に出演させられている。番組中の彼らの態度も、そう考えるとしっくりくる。
「そうかぁ? 小野寺ぁ、お前ちょっと考えすぎじゃないか?」
あくまでも可能性の話であって、確定されたものではない。考え得る事柄を並べ立てただけだ。それなのに考えすぎだとは、心外な一言である。酔っ払い相手に大人げないが、思わず言い返してしまいそうになった小野寺であったが、急に目を見開いて、テレビ画面を指差す出雲の形相に言葉を失った。何事かとテレビのほうへと視線をやると――そこには、無残な姿となった司馬龍平の姿が映し出されていた。出雲とのやり取りでちょっと目を離した隙に、一体何が起きたというのだろうか。
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