アイアムイラストレーター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

僧侶A

文字の大きさ
上 下
30 / 53

30話

しおりを挟む
 サキは7体のクリーチャーで盾に向かって攻撃した。すると当然ながら水見はブロッカー2体でブロックしてきた。

「というわけで『団結』だ。ブロックされているクリーチャーを強化する」

 強化されたことによってブロッカーよりもパワーが高くなった為、二体は破壊される。そしてブロックされていなかった5体のクリーチャーが相手の盾を全て割り切った。

『ナイス!!』

「ありがとう。これでほぼ勝ちだな」

『そうだね』

 流石に二人がかりでも白と緑では10体のクリーチャーを全て処理する方法は無かったらしく、次のサキのターンで直接攻撃が普通に通った。


『やった初勝利だ!』

「良かったな」

 割と一方的な展開ではあったが、初勝利は初勝利だったのでサキは普通に喜んでいた。

 これは支援した甲斐があったというものだ。

『じゃあこの調子でどんどん戦っていこう!』

「ああ」


 それから丁度1時間デッキを調整しつつフリーマッチに潜り続けた。

 最終的には運が絡むゲームということもあり、全ての試合にて勝利を届けることは出来なかったものの、7割程度は勝利が出来たので上々な結果と言えるだろう。


『というわけで今回の配信は終了だよ!来週の土曜日は色んな配信者さんと戦うから楽しみにしていてね!』

「私たちが優勝する姿を是非生で見てくれ。分かったな?」

『じゃーねー!!!』

「またな」

 初めての案件配信だったが、特に事件などは起こることもなく平和に終えられた。


 のだが配信後、

『優斗さん、あのデッキは何ですか?』

 とサキに怒った口調で問い詰められた。

「配信でも言った通りサキを全力で支援するデッキだが」

『二人での案件ですよ?分かってるんですか?』

「分かっているからあのデッキだぞ。主役はあくまでサキだからな。視聴者も喜んでいたじゃないか」

『視聴者さんは確かに喜んでいましたけど。主役は私だけじゃなくて私と優斗さんの二人なんですよ!』

「と言われてもな。推しを応援するのが一番私らしくないか?」

 ここで突然私が主役だ!なんて言って自分だけが目立つデッキを持っていくのは違うだろう。

『そうですけど、こういうのは対等に並んで戦いたいんですよ!協力ってそういうものでしょ?もう少し自己主張する戦い方でお願いします!』

「なるほどな。悪かった、自分の事はあまり考えていなかった。なら配信までにこちらも能動的に殴れるデッキを用意する」

 私が目立つかどうかも考えてくれるなんて本当にサキは良い女性だな。やはり素晴らしい。

『分かってくれましたね。なら一緒にデッキを作りましょう』

「え?」

 完全に自分でデッキを作る予定だったのだが、サキも手伝ってくれるのか。

『当然ですよ。目立つデッキを使えって言って丸投げなんて。ただ文句を言ったわがままな女じゃないですか。いやここで文句を言っている時点でわがままではあるんですけど』

「いや、全然わがままじゃないぞ。サキは素晴らしくいい女性だ」

 別に私が不満を持っていたり我慢をしていたりしていたわけじゃないし、何ならサキは目立てるのでこのままだった方が配信者として100%良いのに私の事を思って言ってくれているんだからな。

『ありがとうございます。じゃあ始めましょうか。とりあえずコンセプトから——』

 それから大体2時間ほど2人でデッキを作成し、後日配信外でデッキに慣れるために何度かフリーマッチに潜った。


 そして迎えた大会当日。私たちはPSIGAMESが用意した配信スタジオの前へとやってきていた。

「つ、ついに本番ですね……ってことはあの配信者さんたちと……」

 有名配信者たちとこれから戦うからとサキが絶賛緊張中だった。

「サキも十分に有名な配信者だから大丈夫だ」

「私たちも有名ですけど、化け物しかいないんですよ……」

「化け物か?」

「そうですよ。この大会登録者数が50万を超えている人が10人も居て、その中に100万を超えている人が6人も居るんですよ!?しかもそうじゃない4人もたった1年で10万人を超えた化け物で……」

 とサキはかなり焦った様子で語っていた。本当にビビっているのだろう。

「なあサキ。私も1年かからずに10万人を超えた化け物の一人だぞ」

「……確かに!!!」

「だから気にするな。いつも通りにやれば良いんだ。サキは他の配信者と比べても魅力的だ」

「ありがとうございます。緊張がほぐれてきました」

「それは良かった」

「よし、じゃあ中に入りましょう」

「そうだな」

 サキの決心がついたところで私たちは建物内に入り、割り当てられていた控室へと向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~

メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」 俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。 学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。 その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。 少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。 ……どうやら彼は鈍感なようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 【作者より】 九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。 また、R15は保険です。 毎朝20時投稿! 【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】

処理中です...