アイアムイラストレーター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

僧侶A

文字の大きさ
上 下
29 / 53

29話

しおりを挟む
『じゃあ私の番だね』

 海底四面城の効果で全員一枚ドローした後、サキの手番が始まった。

『これとこれとこれかな』

 サキは追加で三体のクリーチャーを召喚し、前のターンに召喚していたブレイズで攻撃して終了した。手札を全て使い切ることはなかったが、かなり良い動き出しではないだろうか。

 続く水見は2MP支払って攻撃からプレイヤーを守るブロッカートークンを呼び出す
 魔法を使用した。

 普通のデッキならこんなカードを使用するわけがないので、ほぼ確実に白単の耐久デッキだ。

 延々と攻撃をしのぐブロッカーのトークンやクリーチャーを駆使して十分なMPが溜まるまで待ち、大きなアクションを起こしてとどめを刺すというのがコンセプトだ。

 こちらもサキにとっては相性が悪い。緑単の方はまだどうにかなるが、白単の方はサキのデッキを私も使っていたら迷わず降参ボタンを押してしまいそうなほどに最悪だ。

『不味くないこれ?』

 初心者のサキも流石に分かっていたらしく、困った表情を見せる。

「大丈夫だ。サキは気にせずに自分のやりたいことをすれば良い」

 だが問題ない。私が居るからな。

『流石優斗さんだね』

「ああ」

 続く二ターン目、私はカードを引いただけで何もせずに番を回す。

『優斗さん?』

「忘れたのか?相手のターン中でも使えるカードがあるって話を」

『そうだったそうだった』

 そしてしなびた鎧は先ほど手札に加えた『ラエフ』を召喚し、ターンを終了した。

「じゃあ私のターンだね。とりあえず出せるカード全部出そうかな」

『それが良い』

 サキは残る5枚の手札の内4枚を場に出した。これでサキのバトルゾーンにはクリーチャーが8体。動けるのがその内4体なので、攻撃がそのまま通ると相手の盾を5枚にまで削ることが出来る。

『で攻撃したいんだけど、ブロッカーの攻撃力が高くて破壊されちゃうんだよね……』

「それは問題ないぞ。『送還』でブロッカーを手札に戻した。トークンだから実質除去だな」

 私は『送還』を使用してブロッカーを盤面から取り除き、サキが自由に攻撃出来る状況を作った。

『ありがとう、じゃあ攻撃させてもらうね!』

 サキはそのまま直接攻撃を行い、盾を削った。

 続く水見は再びブロッカートークンを呼び出す魔法を使用し、今度は盤面に2体のブロッカーを並べた。

 そして私は再び何もせずにターンを終了した。

 次のしなびた鎧は3コスト支払って『ヒルヴォ』を召喚し、『ラエフ』でサキのクリーチャーに向かって攻撃を仕掛けた。

 パワー負けしていたのでそのまま破壊されてしまった。これで盤面に残るクリーチャーは7体。ブロッカーの数を考えると勝ちきるには1体足りない状況だ。

 だからサキは追加でクリーチャーを召喚したいところだが、このゲームには出たターンに相手を攻撃できるカードは存在しない。

 一旦サキは自分の手札にあるカードを全て出し切り、攻撃するかどうかで悩んでいた。

『一つ足りないんだよね。だから一ターン待ちたい所だけど、絶対水見さんが追加のブロッカーを沢山出してくるから攻撃しないと間に合わない。でもこのターンに二体破壊されちゃったら次間に合わないし……』

「サキが何か間違えたとしてもしっかりサポートするぞ」

『うん』

 私は悩んでいるサキにただそれだけ伝えた。

 何せ私のデッキは三色でサキを全力で支援するためだけのデッキだからな。サキがどんな選択を取っても上手くいくようにありとあらゆる支援カードを搭載している。

 その代わりに私のデッキだけで勝つ方法がデッキに1枚だけ搭載されている『ゼイス』という40枚あるデッキを味方のどちらかが全て引き切ったら勝ちというカードしか存在しない。

 しかもこれはサキの支援をしすぎてどちらかのデッキが無くなりそうな時対策に入れているだけで、基本的には勝利条件を満たせない。

 まあサキが勝つという事をコンセプトにしているので特に問題は無いがな。

『よし、決めた。攻撃するね。相手に数を減らされても多分数は足りているから次のターンに直接攻撃できるだろうし』

「分かった、じゃあ攻撃してくれ」

『オッケー』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...