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16話
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『え!?!?!?』
すると、コメント欄は一層盛り上がり、サキは正気に戻ったうえで困惑していた。
「これがサキの為に私が一番出来ることだからな」
『歌ってみたって結構なお金がかかりますよね……?』
「そんなこと気にするな。MIXもエンコードも全て私がやればタダだ」
『やったことあるんですか?』
「無い。しかし、私なら完璧にこなせる。機械の使い方はこの間ざっくり把握したからな。あとは理想の完成形に向けて試行錯誤するだけだ」
『それ結構不安なんですけど……』
「大丈夫だ。私を信じろ」
『でも……』
「そこまで心配するなら私が作詞作曲したオリジナル曲にするぞ?」
『えっ、それもやったことないんですよね?』
「ああ。しかし私なら出来る。不安なら完成品を送ってから判断してもらっても良い」
『ええ……頓挫するかもしれないですが、とりあえずやってくれるのなら歌ってみたやります』
まだ出会ったばかりで私の天才性をそこまで知らないらしいサキは不安そうにしながらも同意してくれた。
「じゃあ決まりだな!というわけで今回の目的は完璧に果たせたので配信は終了とする、サキは何か連絡事項はあるか?」
『ないです……』
「わかった、ではまたな!」
『さようなら~』
というわけで完璧な配信は終了した。
その後、二人で歌ってみた曲の選定を済ませると共に、サキの反応を見てオリジナル曲の方向性を確定させた。
「ふう、素晴らしい一日だったな」
配信を終え、今日やることが全て終わった私はソファに腰かけてのんびりしていた。
「サキを有名にするため、頑張らないといけないな」
最後の努力は本人に求められるだろうが、私が出来る限りはやってやりたい。あそこまで素晴らしい女性は皆に知られるべきだ。
「とりあえず、作詞からが良さそうか。そうだな……」
脳内で歌に使えそうなワードの選定をしていると、電話がかかってきた。次葉からだ。
「どうした、次葉?」
『とにかく私の家に来てもらえるかな?暇だよね?』
「暇だな、分かった」
唐突に呼ばれたものの、特に断る理由は無かったので次葉の家に向かった。
「はい、いらっしゃい。じゃあこっちに来てもらえる?」
「ああ」
パジャマ姿で出迎えてきた次葉は、なぜかそう言って私を寝室に案内した。
「何故リビングじゃないんだ?」
「それは一緒に寝るからだよ。ほら入った入った」
「いや、どうして一緒に寝るんだよ」
「今日は抱き枕が欲しい気分なんだ。つべこべ言わないで言うこと聞いてくれる?」
「わかった、ただ着替えはくれ。この格好で寝るのはまずいだろ」
「それもそうだね」
無茶苦茶な理論だったが、断ると嫌なことが起こりそうな予感がしたので素直に従うことにした。
次葉が用意したパジャマに着替えた私は、次葉に抱き着かれた状態で就寝することになった。
翌朝、目が覚めるとベッドには次葉の姿は無かった。どこに行ったのだろうかと部屋を出ると、リビング当たりからおいしそうな香りが。どうやらご飯を作ってくれたらしい。
「おはよう、優斗君」
「ああ、おはよう。次葉、わざわざ作ってくれてありがとう」
「私が作りたくて作っているだけだから、全然気にしないで」
「いや、絶対に今度何かお返しする。欲しいものはあるか?」
「要らないって。お金には困っていないし、何かあったら優斗君にはすぐお願いしているわけだし。ほら出来たよ」
「単に私がお礼をしたいからするんだよ。気持ち的な問題だ」
相手がしてくれたことに対して生まれた感謝の気持ちを具体的な形にするのがお礼だ。つまるところただの自己満足である。
とはいっても相手を喜ばせることが目的なのでただの自己満足とは違うのだがな。
「そうだなあ、じゃあ財布を買ってほしいかな。そろそろ新しいものを買おうかなって思っていたんだ」
「今の財布って半年前に買ったものじゃなかったか?」
すると、コメント欄は一層盛り上がり、サキは正気に戻ったうえで困惑していた。
「これがサキの為に私が一番出来ることだからな」
『歌ってみたって結構なお金がかかりますよね……?』
「そんなこと気にするな。MIXもエンコードも全て私がやればタダだ」
『やったことあるんですか?』
「無い。しかし、私なら完璧にこなせる。機械の使い方はこの間ざっくり把握したからな。あとは理想の完成形に向けて試行錯誤するだけだ」
『それ結構不安なんですけど……』
「大丈夫だ。私を信じろ」
『でも……』
「そこまで心配するなら私が作詞作曲したオリジナル曲にするぞ?」
『えっ、それもやったことないんですよね?』
「ああ。しかし私なら出来る。不安なら完成品を送ってから判断してもらっても良い」
『ええ……頓挫するかもしれないですが、とりあえずやってくれるのなら歌ってみたやります』
まだ出会ったばかりで私の天才性をそこまで知らないらしいサキは不安そうにしながらも同意してくれた。
「じゃあ決まりだな!というわけで今回の目的は完璧に果たせたので配信は終了とする、サキは何か連絡事項はあるか?」
『ないです……』
「わかった、ではまたな!」
『さようなら~』
というわけで完璧な配信は終了した。
その後、二人で歌ってみた曲の選定を済ませると共に、サキの反応を見てオリジナル曲の方向性を確定させた。
「ふう、素晴らしい一日だったな」
配信を終え、今日やることが全て終わった私はソファに腰かけてのんびりしていた。
「サキを有名にするため、頑張らないといけないな」
最後の努力は本人に求められるだろうが、私が出来る限りはやってやりたい。あそこまで素晴らしい女性は皆に知られるべきだ。
「とりあえず、作詞からが良さそうか。そうだな……」
脳内で歌に使えそうなワードの選定をしていると、電話がかかってきた。次葉からだ。
「どうした、次葉?」
『とにかく私の家に来てもらえるかな?暇だよね?』
「暇だな、分かった」
唐突に呼ばれたものの、特に断る理由は無かったので次葉の家に向かった。
「はい、いらっしゃい。じゃあこっちに来てもらえる?」
「ああ」
パジャマ姿で出迎えてきた次葉は、なぜかそう言って私を寝室に案内した。
「何故リビングじゃないんだ?」
「それは一緒に寝るからだよ。ほら入った入った」
「いや、どうして一緒に寝るんだよ」
「今日は抱き枕が欲しい気分なんだ。つべこべ言わないで言うこと聞いてくれる?」
「わかった、ただ着替えはくれ。この格好で寝るのはまずいだろ」
「それもそうだね」
無茶苦茶な理論だったが、断ると嫌なことが起こりそうな予感がしたので素直に従うことにした。
次葉が用意したパジャマに着替えた私は、次葉に抱き着かれた状態で就寝することになった。
翌朝、目が覚めるとベッドには次葉の姿は無かった。どこに行ったのだろうかと部屋を出ると、リビング当たりからおいしそうな香りが。どうやらご飯を作ってくれたらしい。
「おはよう、優斗君」
「ああ、おはよう。次葉、わざわざ作ってくれてありがとう」
「私が作りたくて作っているだけだから、全然気にしないで」
「いや、絶対に今度何かお返しする。欲しいものはあるか?」
「要らないって。お金には困っていないし、何かあったら優斗君にはすぐお願いしているわけだし。ほら出来たよ」
「単に私がお礼をしたいからするんだよ。気持ち的な問題だ」
相手がしてくれたことに対して生まれた感謝の気持ちを具体的な形にするのがお礼だ。つまるところただの自己満足である。
とはいっても相手を喜ばせることが目的なのでただの自己満足とは違うのだがな。
「そうだなあ、じゃあ財布を買ってほしいかな。そろそろ新しいものを買おうかなって思っていたんだ」
「今の財布って半年前に買ったものじゃなかったか?」
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