~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A

文字の大きさ
27 / 87

27話

しおりを挟む
「疑いたくなる気持ちは分かりますが、結果は結果です。信じてあげてください。それに、もし仮にこれがイカサマだったとしても、元Cランクの我々がその兆候にすら気づけなかったのです。ならば結局ランクC以上の実力がある証拠ではないでしょうか」

「いや、でもしかし……」

「ならば、全力で攻撃をしかけてくる千堂君の攻撃を全て無傷で耐えるイカサマは何か思いつきますか?」

「そ、それは……」

「じゃあ認めなさい」

「はい」

 どう弁明しようかと考えていると、教頭が杉田先生の事を説得してくれた。

「ありがとうございます」

「いえ。こちらこそ疑ってしまって申し訳ありませんでした。これからも探索者として頑張ってください」

「はい」

 俺は教頭と硬く握手を交わし、今回の話は全て終わりとなった。


「探索者資格の剥奪と言われたときはどうなるかと思ったけど、最終的には全て無事に解決してよかったよ」

 退学は最悪どうでも良かったけど、探索者資格の剥奪は今後の生活に関わるので本当に洒落にならない。

 今回は実力を証明する機会が与えられたからどうにかなったが、俺がレベル1だったことを知っている上で話を一切聞かない人が相手だったら有無も言わさず探索者資格が剥奪になりかねない。

 ちゃんと探索者としてのランクを上げないといけないよね。

 杏奈さんはどちらかのランクが条件を満たしていればダンジョンに入れるのだからランクなんてどうでも良いとか言いかねないけど、今後の事を考えると絶対に必要である。

「なんて説得しようかな……」

「飛鳥!!!!」

 杏奈さんを説得するための文章を考えつつ歩いていると、校舎を丁度出たタイミングで弥生に勢いよく抱き着かれた。

「久しぶり、ギルドの活動はどうしたの?」

 放課後は基本的にギルドの元へ行っている筈なので、放課後から1時間くらいたった今ここに居るのはおかしい気がするのだけど。

「そんなことやっている場合じゃないって。飛鳥の探索者人生が終わるかもしれないって話を聞いて慌てて飛んできたんだよ」

「杉田先生から聞いたの?」

「いや、少し前に千堂から連絡が送られてきたんだよ。『残念だが今日であいつの探索者人生は終了だな』って」

 あいつ、戦闘準備をしている間に弥生にそんなことを連絡していたのか。

「でも、もう大丈夫だよ。勝って証明してきたから」

「証明……?」

「それはね……」

 弥生に先ほどあったことを説明した。



「え!?飛鳥滅茶苦茶強くなってない!?!?」

「お陰様でね」

 一通り話を聞いた上で弥生から出てきた最初の反応は強さへの驚きだった。

 最初俺に抱き着いてきた割に探索者関連の話ではなくて強さの方に目が向いているあたり、悪いことに手を染めているわけがないと俺と杏奈さんの事を信じてくれているんだなと思う。

「すぐ強くなるだろうとは思っていたけど、まさかそこまでだとは思わなかったよ。私と健太もまだCランクになりたてなのに」

「え!?」

 Cランクはレベル30以上が条件だったよね。

 確か前聞いたときは二人ともレベル15くらいだった筈なんだけど。

「飛鳥がすぐに強くなって私たちに追いついてくるのは分かっていたから、負けないように全力で強くなろうって二人で話してて、ギルドの人にお願いしてお互い超効率メニューで頑張っていたんだよ」

「それでもおかしくないかな」

 杏奈さんの時もそうだったけどさ、普通の人が何年もかけてあげるようなレベルをたった1か月とかで上げないでよ。

「いやいや、そんな短期間でBランク相当の実力を付けた飛鳥の方がおかしいよ」

「それを言われたらおしまいだけどさ」

 確かに起こっていること自体はこっちの方がおかしいかもしれないよ。でも、どうやって強くなったかの理由を考えた場合あなたたちの方がおかしいからね。

 ただの気合で数年を一か月に短縮しないでください。

「そっかあ、じゃあもっと頑張らないといけないよね……今飛鳥がBランクでしょ、そこにまず追いつくためには……」

「命とか諸々は大事にして、ちゃんと睡眠と休息は取ってね……」

「大丈夫大丈夫。私の事は私がよく分かっているから」

 頑張ると決めた弥生を止めても無駄な事は重々分かっているので、とりあえず健康は大事にしてほしいということだけ伝えた。

「なら良いけど」

「とりあえずギルドの人集めて今からダンジョンに潜ってくるからまたね!!!」

 弥生は俺に別れを告げた後全力ダッシュで走り去っていった。

「本当に分かっているのかな……」

「まあ、本当にヤバいときはギルドの人たちが気づいて止めてくれるよね」

 俺は考えることを止め、杏奈さんの家へ帰ることにした。




「ただいま~」

 杏奈さんの家がギルドハウスになっている影響でギルドに入ってからはずっとこの家で生活している。

 というわけで同い年の女子と一つ屋根の下で生活をし続けるという一般的に見ればかなり凄い生活をしているわけだけど、俺は3日も経たずに慣れていた。

 理由は単純で、血の繋がっていない女子と一つ屋根の下で生活をし続けるのが基本の孤児院で生きてきたからである。

 これでうろたえていたら孤児院で生きていくことなんて不可能である。

「早かったわね」

 リビングに続く扉を開くと、杏奈さんはソファに座りながらノートパソコンで何か調べ物をしていた。

「そう?結構時間かかったと思うけど」

 突然学校に呼び出されて、1時間くらいかかるのは結構な出来事だと思うけど。

 なんなら5限のタイミングで学校に行っているから累計だともっと時間がかかっているんですが。

「呼ばれた理由って探索者資格の剝奪についてでしょう?」

「なんでわかるの!?!?」

 杏奈さんは保護者でもなんでもないし、ギルドも認識されていないから分かりようが無い気がするんだけど。

「私たちがBランクダンジョンに入る時に不思議な視線を二度感じていたのよ」

「不思議な視線?」

「そう。そこそこ有名な私ではなくて、あなたの方だけを見ていた男が居たのよ」

「そうなんだ」

 全く気付かなかったんですが。

「若干黒い感情があったから、あなたの事が好きで襲おうと計画しているものだと思っていたけれど、探索者資格の剝奪を画策していただけだったわね。呼び出されたと聞いてようやく理由が分かったわ」

「襲われるってなんですか」

「そのままの意味よ。あなたももう高校生なのだから分かるでしょう?」

「分かるけど、分からないよ」

「あなたは男の割に可愛らしい顔をしているから、そっち方面の方に好かれるのよ」

「そうなんだ……」

 何と返すのが正解なのか分からず、そう返す以外に方法が無かった。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~

下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。 二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。 帝国は武力を求めていたのだ。 フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。 帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。 「ここから逃げて、田舎に籠るか」 給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。 帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。 鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。 「私も連れて行ってください、お兄様」 「いやだ」 止めるフェアに、強引なマトビア。 なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。 ※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト) 前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した 生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ 魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する ということで努力していくことにしました

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

処理中です...