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セカンドストーリー
それぞれの恋愛エンド 読者に感謝サービスエピソード セレスの場合
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セレスの場合
冬の終わり。ついに三年生が卒業を迎える日。セレスは誇らしいその日に憂鬱な気持ちで溜息を吐き出す。
「ついにこの日が来てしまいましたわ。……卒業してしまったらもうリリアに会えなくなってしまいます」
卒業おめでとうと言われるたびに実感する事実に彼女の表情は暗くなっていく。
「わたくし、このまま終わってしまうのは耐えられませんわ。せめてこの想いをリリアに伝えなくては」
思い立ったセレスが彼女の下へと向かう。
「リリア!」
「あ、セレスさん。ご卒業おめでとうございます。これから皆でお伺いしようとしていた所でしたのよ」
卒業生を見送る為沢山の在学生達が集まるグラウンドの前へとやってきた彼女がリリアーナの姿を見つけて声をかけ駆け寄る、その姿に彼女も笑顔になり近寄っていった。
「リリア、あ、あのですね。貴女にお伝えしたい事が御座いますの。少し場所を変えてお話宜しいですか」
「お話ですか? はい、分かりました」
セレスの言葉にリリアーナは答えると彼女の背について歩く。
「それで、お話とは何でしょうか」
「リリア。驚かないで聞いていただきたいのです。その、わたくし貴女と過ごすうちに特別な思いを寄せるようになりましたの。つまり……わたくしは貴女の事が恋愛対象者として好きなのですわ」
「へ?」
桜並木の広がる裏庭へとやって来ると立ち止まるセレスへと彼女は尋ねる。すると思ってもいない言葉が返ってきて驚いてしまった。
「驚くのも無理はありませんわ。わたくしも自分の感情を理解した時驚いてしまいましたもの。でも抱いたこの気持ちは本物ですわ。ですからこの想いだけでもリリアに伝えておきたいと思いまして」
「セレスさんが私の事をそこまで思っていてくださっていたなんて。私、私も貴女のこと好きですわ。でも、この気持ちが恋愛感情としての好きなのか普通にお友達として好きなのか分かりませんの」
頬を赤らめもじもじしながら話す彼女へとリリアーナは困惑した顔で答える。
「そ、そうよね。理解しろという方のが無理なお話ですものね。……っぅ。わたくしなんてことを。リリアを悩ませてしまっているなんて。ごめんんさい」
「あ、セレスさん待ってください! ……私、別に好きという気持ちの正体が分からなくて戸惑っているわけではございませんの。ただ、こんな感情初めてでその、異性ではなく同姓を好きになってしまった事が初めてなのでこの気持ちを素直に受け止めていいのかどうか迷ってしまって……」
自分の発言に後悔して慌ててこの場を立ち去ろうとするセレスの右手を掴むと彼女は自分の気持ちを一生懸命説明した。
「っ、リリア! わたくし嬉しいですわ。貴女もわたくしの事が好きだって言ってくれて……ゆっくりお互いの気持ちが本物なのかどうなのか確かめてまいりましょう」
「はい」
彼女がその言葉に感激して抱きついてくるとそれを受け止めながらリリアーナは笑顔で返事をした。セレスが卒業してもこれからも二人の関係は続いていく事だろう。
冬の終わり。ついに三年生が卒業を迎える日。セレスは誇らしいその日に憂鬱な気持ちで溜息を吐き出す。
「ついにこの日が来てしまいましたわ。……卒業してしまったらもうリリアに会えなくなってしまいます」
卒業おめでとうと言われるたびに実感する事実に彼女の表情は暗くなっていく。
「わたくし、このまま終わってしまうのは耐えられませんわ。せめてこの想いをリリアに伝えなくては」
思い立ったセレスが彼女の下へと向かう。
「リリア!」
「あ、セレスさん。ご卒業おめでとうございます。これから皆でお伺いしようとしていた所でしたのよ」
卒業生を見送る為沢山の在学生達が集まるグラウンドの前へとやってきた彼女がリリアーナの姿を見つけて声をかけ駆け寄る、その姿に彼女も笑顔になり近寄っていった。
「リリア、あ、あのですね。貴女にお伝えしたい事が御座いますの。少し場所を変えてお話宜しいですか」
「お話ですか? はい、分かりました」
セレスの言葉にリリアーナは答えると彼女の背について歩く。
「それで、お話とは何でしょうか」
「リリア。驚かないで聞いていただきたいのです。その、わたくし貴女と過ごすうちに特別な思いを寄せるようになりましたの。つまり……わたくしは貴女の事が恋愛対象者として好きなのですわ」
「へ?」
桜並木の広がる裏庭へとやって来ると立ち止まるセレスへと彼女は尋ねる。すると思ってもいない言葉が返ってきて驚いてしまった。
「驚くのも無理はありませんわ。わたくしも自分の感情を理解した時驚いてしまいましたもの。でも抱いたこの気持ちは本物ですわ。ですからこの想いだけでもリリアに伝えておきたいと思いまして」
「セレスさんが私の事をそこまで思っていてくださっていたなんて。私、私も貴女のこと好きですわ。でも、この気持ちが恋愛感情としての好きなのか普通にお友達として好きなのか分かりませんの」
頬を赤らめもじもじしながら話す彼女へとリリアーナは困惑した顔で答える。
「そ、そうよね。理解しろという方のが無理なお話ですものね。……っぅ。わたくしなんてことを。リリアを悩ませてしまっているなんて。ごめんんさい」
「あ、セレスさん待ってください! ……私、別に好きという気持ちの正体が分からなくて戸惑っているわけではございませんの。ただ、こんな感情初めてでその、異性ではなく同姓を好きになってしまった事が初めてなのでこの気持ちを素直に受け止めていいのかどうか迷ってしまって……」
自分の発言に後悔して慌ててこの場を立ち去ろうとするセレスの右手を掴むと彼女は自分の気持ちを一生懸命説明した。
「っ、リリア! わたくし嬉しいですわ。貴女もわたくしの事が好きだって言ってくれて……ゆっくりお互いの気持ちが本物なのかどうなのか確かめてまいりましょう」
「はい」
彼女がその言葉に感激して抱きついてくるとそれを受け止めながらリリアーナは笑顔で返事をした。セレスが卒業してもこれからも二人の関係は続いていく事だろう。
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