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バース王国物語編

Episode.2

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書類にサインをしているのかペンの音だけが響く。
ごくりと唾を飲み込めばそれは静音に分かるように聞こえる。


「ああ、待たせたね、用事はなんだったかな?」

「……」

怖くて主の顔を見れないでいると
「もう少しこちらに来なさい」


ドアの近くにいた僕は主の近くのソファーに腰掛けた。
そこに主もきて

香りを嗅ぐ。


「んー良い香りだ、アベルも随分大人になったからな、そろそろ他の仕事をしてみるかな?」
顎を持ち上げられ主と目があう。

灰色の髪に黒い目玉がこちらを向いていた。


ドキドキと心臓がうるさい。

ふるふると首を振ると口を口で塞がれた。

ごくりとなにを飲み込む。
「んっんぐっ」

「アベルは今日で15になった、10年間馬の世話をしてきた、なら次に行うことはΩとしての役割だ」
体がむらむらしてソファーに倒れ込む。

「はぁはぁ……」

服をおさえ、上に乗っかってきた主はボタンを1つずつ外していく。

「お前は、唯一Ωで私の屋敷にいる、この理由は嫌でも分かるよな?」

「はい……」


露わになった、小さな突起したものに吸い付く。
「んっ///」

舌で転がされた。

「お前は貴族、または伯爵の位の男と番になり私たちに幸福をもたらすための道具にすぎない、分かっているな?」

「は……い」
「良い子だ」


ぐっと主のが尻につくとぐっと押し込むように中に入ってきた。

「うっ……」


男になされるがままに抱かれ解放されたのは夜中だった。

「出発は明後日の夕方」

馬舎につくと体が重く胃液を吐き出した。
男にまわされるようりはマシではあるが薬を飲まされて興奮状態のままされるのは体にも負担がかかる。


それにこんなことをしてられない、シャルの面倒を見なければ産まれてすぐに世話をしないと……。

ぐだりと藁に倒れていたのはシャルだった。


「シャル……大丈夫?」

僕が触れると一度目を開けた。

「エリザベートごめんね、僕がもっとしっかりとしていないから」
傍にいた母馬のエリザベートにも声をかけた。

シャルの口元に柔らかくした藁を食べさせた。
体を起こし、なんとか食べていた。

「はぁはぁ……」


なんとか正常に戻ったようなので外に出て冷たい水で体を洗い流した。
「うっ……」

食糧は馬に食べさせる残飯を少しもらった。
泥などもついており洗い流して食べる。


「はぁはぁ……」


夜は冷え、近くにジョンが来てくれて馬の体温を頼りに寝ていた。


そして次の日
「初めまして、アベル」
掃除をしていると1人男が訪ねてきた。


「……初めまして……」
「おやおや、君が噂のΩか」

そういう男にビクっと肩が震えた。

「ああ、安心してください、私はあなたがいない間の馬の世話を任された者ですよ」

「……僕は長い時間ここを空けません」

「いえ、あなたは貴族や伯爵の位の人に見初められて私どもを幸福にもたらせてくれると主から言われております、すぐにそういうことが起こった場合対応できるようにと」


「……そうでしたか」


「ええ、まずはどんな馬がいるのか紹介してくれますか?」
「はい、こちらです」


男に馬の種類と名前を説明する。

「ほほ、みなあなたを信頼しているのですね、奇跡の腕と言われたあの噂も本当のようですね」


暴言を吐いて暴力を与えてくる男も怖いがこう冷静と話をする男も僕は怖い。
Ωはこの世界にはいらない人種だ。

生きているだけでも奇跡と思わなければいけない。


「この子馬は?」
「この子は昨日産まれたばかりで名をシャルといいます」

「ほぉー親は?」

「エリザベートとジョンの息子です」

「ジョン……たしか昨年優勝した馬ですよね?」
「はい」


「なら、高い値がつくか」
ゾッと肝を冷やされた。


「いい反応をしますね、君はまるで私を誘っているようだ」
「そ……そんなことありません」
馬舎の柱に背中がついた、男がゆっくりとこちらに向かってきたからだ。

近づいてくる手を払ってしまった。

「あ、申し訳ございません」


と頭を下げると近くにあった、なにかで頭を殴られ振動で倒れた。


「あーこれはいけない、介保をしなければ」
「……ダメ……」


ぐちゅりと挿入してきた。
「あっ……」

男はすでに準備していたのか勃起したそれを無理に押さえつけ体の中に入っていく。
「うっ……」
痛い、痛い、痛い……誰か助けて……。

「これは御挨拶ですよ」

腰を掴まれ中を犯される。

「はぁーいいですね、これがΩの中ですか、ほどよく濡れていて私を受け入れる準備ができているなんて素晴らしい」


立ち上がらせ柱に手をつき、片足をあげ出し入れを繰り返す。

「うっ……」
シャルがこちらを不安そうに見ている。
ごめんね、こんな姿を見せてしまって。


「ああ、そろそろイキそうですよ」
腰振りが早くなり男は中に出した。


「ああ、しまったまさか妊娠してしまうとか?」
「ぐっ……はぁはぁ……ゲホゲホ」
「その時は私があなたを番にして私だけのものしてしまいましょうか」



髪の毛を撫でゆっくりと抜くとドロっと白い液体とほんのりピンクの液体が出てきた。


「Ωの香り15を超えれば誰でもモアがあるのだろ? 気になるな」
……。

僕にはまだモアが来ていない、というのも奴隷時代にそういう薬を飲まされていたのもある。
男のΩの寿命は10歳ってのも聞くし見初められれば長く生きることもできるとも聞く。
僕は果たしてどちらなのか。


そんなこと考えても僕はもうじき死ぬだろう。
それがΩの役割なのだから。

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