向日葵と先生と僕

枝浬菰

文字の大きさ
上 下
25 / 42

議論

しおりを挟む
【学校の生活でもしΩを見かけたらどのような行動をとればよいか】と書いてあった。

「2人~5人くらいの班になって」
と言われたのでいつものメンバーで集まった。

外から見ればここにいる4人はα
でも、僕はΩだ。

小島先生にも確認したがΩの匂いはしていない、だから大丈夫だ。

「Ωっていったら皇麗だよな、1年の」
「たしかに、でもあの子どちらかというとだいぶオープンだよな」
「うん、むしろ襲ってくださいアピールがすごいし」
「……」

「陽向大丈夫?」
と東条が気にかけてくれた。

「あ、うん大丈夫」
そういえば手首が少し痛む。

原田に驚いたときに変に腕をついちゃったのかな…。

「そういえば林間学校のボランティア朝比奈は参加したんだよな?」
「どうだった?」

「うーんたしかに明るそうな感じの子だったよ」
「Ωにしては珍しいタイプだよね」
「さっき、先生が言っていた金がないタイプじゃねぇ?」
「んじゃ、体売りってことか?」

「じゃないとあそこまでオープンはできないっしょ」
「……たしかに」

僕はあんなことできないし、このまま隠し通せたらって思っちゃうもん。

「こら、お喋りしてないで、議論しなさい」
「ちゃんと議論してますよ」

「じゃぁ聞こうか」
「1年にΩの子いるじゃないですか」
「ああ、たしか自然環境科の子だよな」

「あの子ってカラーはつけてますが結構オープンにαと接してませんか?」
「たしかに、言われてみたら」

「だからさっき先生が言ってた体売りなんじゃないか? って結論が出たんですけど、学校的にそれって問題ないんですか?」

「いや、問題ありありだ。 皇の担任は櫻井先生だから伝えておくよ」
と言い先生は去っていった。

「でもさもし仮にこの教室にα、β、Ωがいたとしたら安心して過ごせるのかな?」
「特進科にΩってまずなくね? いちを結構難しい学校よ、ここ」
「まぁそうなんだけど、仮にだよ」

「でもΩって薬あるだろ?」
「まぁあるけどどこまできくか分からないじゃないか」
「発情期にあてられて俺たちαはΩを襲ってしまう、そんなこと考えたらだいぶ恐怖だよな」
「ゾンビに襲われる感じか」
「いや、サルだろ」
「理性の利かないサルな」ハハハと楽しく談笑していた。

「俺さ中学の時にサルになったことあんだけど、まじ成績ガタ落ちしたんだけど」
「原田もここの中学だっけ?」
「ああ、そうだよ、そういえば東条と八つ橋は別校だよな?」

「うん、やっぱレベルの高い高校で勉強したいなって思ってここに入学したんだよ」
「ふーん、朝比奈はここの中学?」
「あ、うん中学3年からだけど」
「そうだったんだ」
しおりを挟む

処理中です...