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航平の物語
会社説明会:準備
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「あーごめんね」
「ちっ」
原田くんはβで吉田くんはαか、そして俺はΩっと……。
これは採用に一苦労しそうだな。
このブースについて国枝さんが
「柊の指示の元準備すること」と言ってたのがちょっと人選ミスなんかと思わされた。
でも今の現状としては吉田くんが命令していて原田くんと俺は動いている……。
たしかにこの状況を打開しないとΩの採用率は上がらないよな。
「柊、準備終わったか?」
と国枝さんが戻ってきた。
「はい、終わりましたよ」
「んじゃ説明するな」というと2人ともきた。
「説明係は吉田、でΩ採用部分については柊、β採用部分については原田が担当してくれ」
「え! 俺も説明するんですか?」
「たりめだろ!! そのためにお前連れてきたんだから」
「あーそうだったんだ」
「んじゃ開始時間の10時まで解散、挨拶とかトイレとか済ましておけよ」
「はい」
ハンカチを持ってトイレにいき、用を足すと
出口に吉田くんがいた。
「へぇーΩも男子トイレなんだ」
「……男ですからね」
ぐっと近づいて壁に背中があたる。
「お前Ωのくせに調子乗りすぎなんだよ、国枝さんにデカイ態度とってんじゃねぇぞ」
あー国枝さんのファンの子か。
俺のことはあまり知らないんだな。
「……はいはい、すみませんね」と躱そうとしたとたん
ぐっと掴まれた。
「いっ」
「首輪があってよかったな、ここでめちゃくちゃに犯してやったのに」
「それは犯罪行為でーす」といいその場をあとにした。
というか俺もう結構な目上の人なんですけど……Ωってだけであたりキツすぎだ。
トイレからでて手首が痛いことに気づく、ブースに戻ると原田くんが委縮していた。
「原田くん大丈夫?」
「あ、はい大丈夫です……」
「会場暑いからこまめに水分とってね」
「はい、あの羽衣さんってαに対して強いですよね」
「あー俺のことあまり知らないよね?」
「はい、えっと……」
「俺実はαからΩになった、ちょっとした有名人なんだけど……」
「あ! 6年前の事件のですか?」
「そうそう」
「あ、柊航……そっかなるほどだから」
「だからね、これからはずっと俺がホテルに勤務するしβの子Ωの子がαと一緒に働ける環境を作っていくのが俺の今の目標なんだ」
原田くんはこちらを向き、少し嬉しそうな笑顔になった。
「それ、俺も一緒に目標を叶えたいです」
「本当に! ありがとう」
そこに吉田くんが戻ってきた。
「おい、もう少しで時間だぞ」
「よし、がんばるぞ、おー!!」
と元気に言ったので周りのブースがこちらを見て
「おい、あれ例の」
と言ってきた。
「ちっ」
原田くんはβで吉田くんはαか、そして俺はΩっと……。
これは採用に一苦労しそうだな。
このブースについて国枝さんが
「柊の指示の元準備すること」と言ってたのがちょっと人選ミスなんかと思わされた。
でも今の現状としては吉田くんが命令していて原田くんと俺は動いている……。
たしかにこの状況を打開しないとΩの採用率は上がらないよな。
「柊、準備終わったか?」
と国枝さんが戻ってきた。
「はい、終わりましたよ」
「んじゃ説明するな」というと2人ともきた。
「説明係は吉田、でΩ採用部分については柊、β採用部分については原田が担当してくれ」
「え! 俺も説明するんですか?」
「たりめだろ!! そのためにお前連れてきたんだから」
「あーそうだったんだ」
「んじゃ開始時間の10時まで解散、挨拶とかトイレとか済ましておけよ」
「はい」
ハンカチを持ってトイレにいき、用を足すと
出口に吉田くんがいた。
「へぇーΩも男子トイレなんだ」
「……男ですからね」
ぐっと近づいて壁に背中があたる。
「お前Ωのくせに調子乗りすぎなんだよ、国枝さんにデカイ態度とってんじゃねぇぞ」
あー国枝さんのファンの子か。
俺のことはあまり知らないんだな。
「……はいはい、すみませんね」と躱そうとしたとたん
ぐっと掴まれた。
「いっ」
「首輪があってよかったな、ここでめちゃくちゃに犯してやったのに」
「それは犯罪行為でーす」といいその場をあとにした。
というか俺もう結構な目上の人なんですけど……Ωってだけであたりキツすぎだ。
トイレからでて手首が痛いことに気づく、ブースに戻ると原田くんが委縮していた。
「原田くん大丈夫?」
「あ、はい大丈夫です……」
「会場暑いからこまめに水分とってね」
「はい、あの羽衣さんってαに対して強いですよね」
「あー俺のことあまり知らないよね?」
「はい、えっと……」
「俺実はαからΩになった、ちょっとした有名人なんだけど……」
「あ! 6年前の事件のですか?」
「そうそう」
「あ、柊航……そっかなるほどだから」
「だからね、これからはずっと俺がホテルに勤務するしβの子Ωの子がαと一緒に働ける環境を作っていくのが俺の今の目標なんだ」
原田くんはこちらを向き、少し嬉しそうな笑顔になった。
「それ、俺も一緒に目標を叶えたいです」
「本当に! ありがとう」
そこに吉田くんが戻ってきた。
「おい、もう少しで時間だぞ」
「よし、がんばるぞ、おー!!」
と元気に言ったので周りのブースがこちらを見て
「おい、あれ例の」
と言ってきた。
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