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①虚の花
しおりを挟むールート分岐ー
「エ…リ、ス…?」
「はい、そうですけど…」
肯定の言葉を聴き顔を上げると、そこにはエリスがいた。
前より痩せているけれど、優しく包み込んでくれた綺麗な白肌。
少しボサついているけれど、一眼見ると魅惑される綺麗な金色の髪。
少し皺が出来ているけれど、いつも優しく見つめてくれた綺麗な水色の瞳。
そのどれもが、私が5年間恋焦がれて、求めていたものだった。
だから、今までの辛く苦しい日々が救われた様な気がした。
その瞬間私の目尻からは、もう流れることのないものだと思っていた涙が溢れ出してきた。
ボロボロになった自分の手を、自分の体力を振り絞ってゆっくりとエリスに伸ばした。
光が、幸福が、明るい未来が、救いを掴まんとして。
「どちら様ですか?」
その言葉が脳裏を過った瞬間、耐え難い現実に発狂する気力も体力もなく、私を繋ぎ止めていた繊維単位の糸は引きちぎられた。
かろうじて開いていた瞼も、鉛のように重くなる。
かろうじて発していた声も、真空いるかのように振るわなくなる。
かろうじて動かしていた手足も、鎖に縛られてように垂れ落ちる。
そして瞼が瞳を遮り、何も存在しない虚無だけが、そこに残った。
でも私は幸せだ……私の抱いた虚像という名の奇跡に手が届かなくとも、逝く前に実像しているエリスの顔を見ることができたのだから。
①ENDー虚の花
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