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しおりを挟む「あ、いた」
ダンジョンの中を探し回ってさっきの女性を見つけることができた。
女性は大きなぽよんとした帽子をかぶり、赤茶色の髪が帽子の下からはみ出している。つり目の印象はきついが可愛らしい顔立ち。ダンジョンの中にしては軽装で胸元が大きく開いた服を着ている。胸の深い谷間がよく見えた。
顔見知りのフィルが女性に声をかける。
「なあ、君ちょっといいか」
「あにゃたはさっきにょ。にゃにかにゃ? 気が変わったのかにゃ?」
「いや、用事があるのは俺じゃなくてあの女性だ」
フィルが身を引いてマナリアが前に出た。
「ごめんなさいにゃ。女性の相手は、ちょっと遠慮したいにゃ」
「違います······っ!」
マナリアは力いっぱい否定した。少し頬を赤らめながら咳払いをする。
「ゴホン。あなたはこのダンジョンの中で商売をしていると聞きました。何故なのか理由をお聞きしたいのです」
「個人的な事情にゃ」
「しかし、ダンジョンは女性が一人で行動するには危険な場所です。その事情を話してみませんか? 場合によっては私が力になります」
「力ににゃるって?」
女性は歪んだ笑みを見せた。
「そうやって味方のようにゃ顔をした人間にウチは騙されて自由を奪われたんだにゃ! 人間は信用できないにゃ! こんにゃダンジョンの中に引きこもることになったのも人間のせいにゃ! なにもかも全部人間のせいにゃ!!」
女性の勢いに圧倒されてマナリアは目を丸くした。女性は我に返るとばつが悪そうに目をそらした。
「その、ごめんにゃ。あにゃたが悪いわけじゃにゃいのに」
「大丈夫です。気にしないで」
マナリアはそっと女性の手をとった。
「つらいことがあったのですね。あなたが話したくないのであればもう聞きません。ですがーーっ!」
「にゃっ!?」
マナリアは女性を突然引き倒すと剣を構えた。
「フィルっ。前へ!」
「はいよ」
フィルは前に出ると女性を狙っていたヘビ型の魔物の攻撃を盾で防いだ。魔物の側面に回りこんだマナリアがヘビの首を切り落とす。
「ふう。手荒なことをしてすみません。魔物がいたものですから。立てますか?」
「お嬢様、離れて」
倒れた女性に向かって手を伸ばしたマナリアをライラがさえぎった。
「何を」
「彼女の頭を見て下さい」
「あっ······」
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ライラ以外の全員が驚いた。
倒れた時に女性の帽子が落ちて頭があらわになっている。そこには三角形の獣耳がはえていた。
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