龍捕る猫は爪隠す

さか【傘路さか】

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 翌日の朝は、珍しく僕の方が先に起きたようだ。

 パジャマのまま部屋を出ると、成海の部屋からアラーム音が漏れ聞こえている。起きるには大きさの足りないらしい音を聞きながら、ふと猫特有の悪戯心が疼いた。

 自分の部屋に入り、猫の姿に変化する。

 そろそろと抜き足差し足で成海の部屋のドアに近付き、静かにドアノブにぶら下がった。そのまま体重を掛けて前に押し出すと、ゆるりと扉が開く。

 トッ、と音を立てないように着地して、同居が始まって運び込まれた大きなベッドに近寄った。ベッドサイドではまだ携帯からアラーム音が鳴っており、僕は停止ボタンをぺちぺちと肉球で叩く。

 音のなくなった室内で、まだ眠っている成海の顔付近まで動いた。

 熟睡しているらしい成海の顔は、普段よりも怖さが鳴りを潜めている。端正さが前に出ている顔立ちをしばらく見つめていたが、やがて、時間もあることだし、と起こすことにした。

『成海、起きて』

 にゃあにゃあと耳元でやってみたが、アラーム音で起きなかった男が猫の可愛らしい鳴き声で起きるはずもない。息を吐き、仕方ないなと全身で彼の顔に乗り上がった。

 猫の全身に下敷きにされた顔は、やがて呼吸が苦しくなったのか、もぞもぞと動き始める。起きたか、と察して横に逃れると、ぱちりと目が開いた。

『おはよ』

「…………天国か」

 伸ばして引き寄せてくる腕に抱きしめられながら、擦り寄せられる頬を舐め返した。猫一匹いるだけで事足りる天国は、なんてお手軽なんだろうか。

 ざりざりとした舌で舐められ、ようやく本格的な起床が訪れたらしい。僕を少し離すと、しっかり視線を合わせる。

「おはよう。最高の目覚めだった」

『でしょう。喜んでくれるって信じてた』

 ぺたぺたと頬に肉球を当てると、嬉しげに腹の毛に顔を埋めてきた。ここまで喜ばれると、サービスのし甲斐もあるものだ。前脚を黒髪に埋め、ぐりぐりと顎を押し付ける。

 布団の中でしばし戯れ、程々の所で空腹を訴えた。成海は名残惜しそうにベッドから下りると、僕を抱き上げて廊下まで運ぶ。

 ずっと抱こうとする腕からするりと抜け出て、いったん自室に戻る。脱ぎ落としていたパジャマを着直して部屋を出た。

 僕の姿を見た成海は、顎に手を当てて呟く。

「毎日起こしてくれないか?」

「眠いからやだ」

 僅かにしょんぼりと肩を落とした成海は、朝食を作りにキッチンへ歩いていく。背後から付いていくと、出汁のために持ち上げたらしき鰹節のパックをさっと隠された。

 取ろうと手を伸ばすと、腕の長さを使って遠ざけられる。

「身体に悪い」

 む、と頬を膨らませて分の悪さに諦める。ついでに、頼まれて焼き魚を作る工程を担うことになった。隣では成海が味噌汁を作り始める。

 たくさんの鰹節で出汁を取って、余った玉葱と人参を入れ、わかめを加えて味噌で味を調える。出汁が出た後の鰹節はごまと調味料を足しておかかを作り、おむすびを握り始めた。

 休日の朝食らしく一手間加わっているが、てきぱきと手を動かしていく様子に無駄はない。

「ご飯熱くない?」

「掌を水で冷ましたら平気」

 完成したおむすびの横。出来上がったおかかを一かけ口に運ぶ。こら、と声が届いたが、その時には既に舌先に味が広がっていた。

 この甘辛いおかかに、加えて塩気のある米粒と、味付き海苔が同時に味わえるなんて楽しみだ。

「美味し!」

「…………それならいいが。もうちょっとで終わるんだから」

 彼はおむすびを皿に盛り、食卓に運んでいく。

 焼き魚にお味噌汁、そしておかかのおむすび。二人暮らしにしては贅沢な朝食がテーブルに並んだ。

「お休みの日、って感じ」

「まあ、普通はおむすびまで作る余裕ないからな」

 皿を運んで食卓を囲むと、いただきます、という言葉を皮切りに食事を始めた。成海が食材の管理を主に担ってくれるが、本当に上手く食材を回してくれる。

 今日何を作ったらいいと思う? と聞けば使って欲しい食材が返ってくるのは有難い。箸で焼き魚を割り、口に運ぶと脂が溶けてほろりと崩れた。

 んー、と歓喜の声を漏らすと、成海の表情も和らいだ。

「お魚たくさんで嬉しいな」

「そうだろ。実は意識して増やしてる」

 椀の縁を唇に当てながら、にっと口の端が上がった。

 苦にしていないようなのは有難いが、彼の働きは二人暮らしをする上での負担も大きいはずだ。探りを入れるように会話を切り出す。

「そういうの、大変じゃない?」

「いや、一人暮らしだった時もこんなもんだったけどな」

「……ちゃんとした暮らしをしてたんだね」

 僕の一族の性質を差し引いても、性格の差で成海がこれまできちんと生活してきたことが窺えた。現在のルームシェアの家賃と一人暮らしだった時の家賃が変わらない、との言葉からも、金銭感覚はまともか厳しい方なはずだ。

 愛想を尽かされないといいな、と思いながら、日々の生活を省みた。

「僕が怠けたり嫌なことしたら、伝えてくれたら嬉しいな」

「それは……玲音が気持ちよくごろごろしていられるのが、俺の頑張りの結果だと思っているから。気にせず寛いでいてほしい」

 真面目に返事をされて、僕はぱくりと焼き魚を口に含んだ。

 ヒモのお仕事って、こんな気持ちで毎日務めているんだろうか。いっそ、頭まで猫だったら何も考えずに暮らせていたのかもしれない。

「美味しかったー。ご馳走様でした」

「俺も、ご馳走様」

 朝食の皿が全て空になり、茶碗洗いは流石にぜんぶ任せてもらった。お茶碗洗い終わった、とソファに座っている成海の元に歩み寄ると、ぽんと頭をひと撫でされる。

 二人で分かれて部屋に行き、それぞれ服に着替えた。

 ブラウンのジーンズと、ふわふわに起毛したセーターにベージュのダッフルコート。帽子は悩んだが、頭を撫でてくれなくなるのでやめておいた。

 僕が部屋を出ると、成海は着替え終わって洗面台に向かっていた。灰色のコートに鮮やかな青のセーターとシャツ、濃い色のジーンズを身に着けている。

 置いてあった櫛に手を伸ばそうとすると、成海が櫛を持ち上げて僕の頭を梳いていく。髪を整えやすいように立ち位置を変えると、猫の時と同じように髪型を整えられた。

 二人とも準備が終わると、連れ立って家を出る。

 隣同士で歩いていても、もう会話が途切れることはない。話題も多ければ、成海の沈黙を怖がらなくもなった。

 長身の彼からすれば、気にしなければ僕の姿は視界に入らない。けれど、ちらりちらりと見下ろして、場所を見ていてくれるのが分かる。

「成海って面倒見がいいって言われない?」

「……どうだろう。初見であまり人は近寄ってこないから、深い付き合いが多いかもしれないな」

 駅から移動している間も、いっそ手を繋いでしまったほうが楽なくらいスピードを合わせてくれていたし、常に僕の立ち位置を気にされていた気がした。

 目当てにしていた猫カフェは、ショッピングモールの近くに設けられている店だった。外観は新しく成海でも立ち寄りやすかったのだろう。前回おとずれた時の話を聞いたのだが、飲み物が美味しかった、と切なげに答えられた。

 入り口で飲み物を頼み、片手に持ったまま猫のいるスペースへ移動する。店内は丸みを帯びた仕切りも多く、あまり他の人が気にならない造りになっていた。

「気楽に来られていいね」

「ああ。あんまり俺一人だと行ける店も少なくてな」

 隅のほうのテーブルに移動し、持っていた飲み物を置く。近くの椅子に腰掛けて、さて、と周囲を見回した。

 動物の保護団体が運営している店だけあって純血種は少なく、色とりどりの毛色をした猫たちがいる。

 あれ、と違和感を覚えた。

 普段の僕は、猫に近寄られやすい性質をしているのだが、今は周囲に猫がいない。そういえば、今日ふたりで歩いている間も、猫には出会わなかった。

 首を傾げつつ、成海に断って一番近くにいた黒猫に歩み寄った。その猫は歳を重ねていて、クッションの上で身を丸めている。

「『こんにちは。お邪魔してます』」

 黒猫は目を開け、薄黄色の目をこちらに向けると、物珍しそうに見つめた。うにゃ、とその喉から静かな声が漏れる。

『あら、魂がおなじなのね。昔にもいちど、あなたのような人と会ったことがあるわ』

「『では、同じ一族の者かもしれません。僕は花苗っていいます。あの、いまお話をしても?』」

『いいわよ。まだ眠くないの』

 僕は離れた所にいる成海を指差すと、口を開いた。そわそわとしながら僕たちが会話している姿を見守っている。

「『あそこに……少し遠くにいる男の人。猫が近付いてくれなくて困っているそうなんです。貴方たちから見て、あの人に近寄るのは嫌ですか?』」

 黒猫はちらりと視線を成海に向け、目を見開いた。

 瞳孔が僅かに細く動く。それは、獲物を追っている時の動きか、天敵から逃げるために探っている時の動きに似ていた。

『あのひと、蛇の護りがある。わたしたちとは、相性が悪いわね』

 黒猫はにゃ、にゃ、と言葉を続け、僕の顔を見て不思議そうにする。

『あなたは怖くないの?』

「『僕は、怖くないですけど……』」

 家族単位で猫に好かれないのなら、よほど蛇……蛇神の護りが強い家系ということだろう。魂を分けるほど縁が深いわけではないが、蛇神が祖先を気に入ったか、祖先に恩を返しているといったところか。

『そうね。あなたは魂がちがう。その格があれば、怖くないかもしれないわね』

「『参考になりました。彼、猫に嫌われているって思っていたみたいです。そういうことなら、元気が出ると思います』」

 黒猫は尻尾を動かすと、成海に視線を向けた。態度は穏やかで、その黒色の毛並みの中に何もかもを抱き込んでしまうような多様な色を持っている。

『ひと撫でくらいなら、あの人に触られても動かずにいてあげる。でもあなたも近くにいて頂戴な』

「『本当ですか!?』」

 ええ、と黒猫はゆったりと了承し、とっ、とクッションから下りた。僕が成海の近くに歩み始めると、彼女も付いてくる。

 僕の後ろから付いてくる黒猫を見て、成海はぱっと顔を明るくした。

「あの、……大丈夫か? 近付いてもいいのか?」

「あのね。成海って蛇神様からたくさん護られているみたい。だから猫さんたちは怖いんだって。でも、この子に事情を話したら『ひと撫でなら触ってもいいよ』って言ってくれて」

 黒猫が進み出ると、成海は屈み込んで指先を猫の鼻先に差し出した。猫が身を低くすると、その背に手を伸ばす。

 ふかふかの毛に、成海の指が埋まった。

「そうなのか……。この子の名前は?」

「あ。聞いてなかった。『お名前、聞いてもいいですか?』」

『小豆よ』

「小豆ちゃんだって」

 黒猫……小豆ちゃんは、名前を聞くのが遅いのよ、と言って、ひと撫でどころではない時間、自分の背を触らせてくれていた。

 成海は引き延ばした時間の分、申し訳なさそうに小豆ちゃんを見つめ、手を離した。

『すこし離れるけれど、見ている分には構わないわよ。ゆっくりしていきなさいな』

「『ちょっと遠くに行くけど、見てていいよ。ゆっくりしていって、だって』」

「有難い」

 僕たちは寝床に戻っていった小豆ちゃんを見ながら、近くに置いてあった猫雑誌を広げることにした。

 だが、小豆ちゃんが離れていった後、そろそろと別の猫が訪れる。その子は僕たちに挨拶をして、成海にひと撫でさせて去っていった。

 小豆ちゃんの態度で何かが変わったのか、次々と猫たちが不揃いな間隔でこちらに訪れては、ひと撫でを許して去っていく。

『一人だとこわいけど。二人なら、まだマシかも』

 好き勝手言って去っていくところは猫らしい。各々が言った事を通訳しつつ、来訪に礼を言うと、猫たちは得意げに尻尾を立てて帰っていった。

 触らせてもらっている成海は身体ががちがちに固まっていて、毛の感触が伝わっているか怪しいほどだ。たまに目を潤ませ始め、隣で見ていると号泣しないかはらはらしてしまった。

 各々は短い時間だが、猫カフェの猫たちが満遍なく来ようとするので、ついつい滞在時間は長くなる。

 律儀な主人達に手を振ったのは、昼食にしては遅い時間だった。二人分の料金を支払って、店の外に出る。

「楽しかった?」

「胸が一杯で、楽しいどころじゃなかった……」

 ぎゅう、と服の胸元を握り締める様子は、プレゼントを与えられた子どものようだった。僕がにこりと笑って成海の腕に手を添えると、反対側の手が僕の背に回る。

 ぐ、と引き寄せられた身体は、容易く彼の胸元に埋まった。

「ありがとうな、玲音」

 頭を撫でる指先は、興奮からか熱い。僕は突然の事に抱き返す迷いすら持てず、ただ呆然と抱き竦められていた。

 身体が離れると、慌てて笑みの表情を作る。

「ううん、僕は理由を聞いただけだし。でも、蛇神様の加護、って言っても、あんまり驚かないんだね」

「ああ、うちの氏神様がそうなんだ。確かに、金銭に困る事がなかったり、と護られている感覚はあったんだが、猫が察知していたとは思わなかった」

 そういえば、と成海は思い出したように言葉を続ける。

「玲音は俺が怖かったりしないのか?」

「それ、小豆ちゃんにも尋ねられたけど、ぜんぜん怖くないんだよね。うちの一族の始祖は猫神様から魂を分けてもらった人だから、魂が違うんだろうね、って小豆ちゃんは言ってたよ」

 成海は目を瞬かせ、しばらく考えていたようだったが、やがて考えを放棄していた。僕も小豆ちゃんの言葉自体は分かるのだが、これまで人の中で生きてきて感覚的に飲み込めないものはある。

 そういうもの、と言うべきものは世の中にあるのだ。

「原因が解消できるものだったら、と思っていたが、できないものだと分かって、それはそれで良かったと思う」

「うん。その分、僕が撫でさせてあげるね。成海の家族にも」

 成海は咄嗟に目元を押さえると、僕から顔を逸らして歩き出す。

 素直じゃないなあ、と思いながら、追いかけてその背を叩いた。今すぐ猫の姿になってあげたくて、ふかふかの毛で寄り添ってあげられたらと願った。

 けれど、それと同時に自分の手のひらにつるりとした皮膚しかないことを実感する。

 可愛らしい容姿も、ぴんと張ったヒゲも、柔らかい肉球も今の僕にはない。きっと沢山のものを与えてあげられるのは、猫の僕なのだ。






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