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「誇り高い男騎士様を犯して孕むなんてサイコー♪」
「へへへ、男の体……いいねぇ~、あんたみたいな気の強いプライドの高そうな男……これから、そのお股の剣で、私ら全員を孕まさせてもらうんだからよぉ~」
「早く咥えたいわ~」

 肉体を殺すのではなく、肉体を穢して心を殺す。

「ッ、な、なに!? ふ、ふざけるな! 誰か貴様らなんかに!」
「げへへへ、下はどうなってるのかな~」
「や、やめろぉ! ぬ、脱がすな! 殺せぇ! じ、自分の体はお前たちなんぞが気安く触れ、っぐ、う! やめろ! いや、いやだァ! 殺せ! 殺せえええ! た、や、いや、やめろぉ!」

 その瞬間、顔を青ざめさせてか弱い男のようにジタバタして抵抗しようとするシュラだが、賊の女たちは容赦しない。
 シュラのズボンに手をかけて、ずり下ろそうとする。
 だが、その時だった。


「我が光の爆剣に刻まれて塵となれ!」

「「「「うわぁあああああああ!!??」」」

「つッッ!?」


 賊たちが一斉に巨大な爆発音とともに空高く吹っ飛ばされたのだ。

「あっ……」

 その巨大な爆裂は、シュラすらも巻き込むほどの……


「来たわ! シュラ! ピンチではないかしら? 私が来たからには、もう大丈……って、シュラぁぁぁぁあ!?」


 立ち込める土煙の中に現れた、白馬に乗ったお姫様。
 ピンチの男を救うために颯爽と現れたというシチュエーションのつもりが、その剣の威力で想い人まで巻き込んでしまう。
 鎖も吹き飛ばされ、天高らかに飛ばされるシュラ。
 慌てて馬を走らせ、落下位置に辿り着いたアテナは、宙から落ちてくる自分と同じぐらいの身長のシュラを衝撃に負けずに力強く抱き留めた。

「……ど、どうかしら? だ、大丈夫? シュラ」
「……姫様……」

 男なら誰もが憧れる王子様抱っこ。
 アテナもここでキメてシュラの気持ちを自分に向けようとしたのだが、その表情はバツが悪そうであった。

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