異世界!王道!!

まぁ

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第五話

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「さて、お話をするのもいいけれど、本題の花嫁修業しなくては日が暮れますわね」
「そうでうね。よろしくお願いします」
「うーん、でもこの世界における花嫁修業とは言っても、特別すごい事をしてるわけでもないとも思うけど……茜華からは所作や床場でのあれこれを教えて欲しいと言われたわね」
「と、床場?」
「あらねやでの女の嗜みよ」
 クスっと微笑む蘭姉さんだが、私はそれを聞いてカーっと頬が熱くなる。茜華は一体私をどうしたいのだ。というより、そのことについては何故か蘭姉さんはノリノリだ。
「閨での嗜みは大切よ。殿方に全てを委ねていいのは処女だけ。それ以降は女だって頑張らないと、すぐ他の女に持っていかれるわよ」
「い、いえ……それは私の女度がかなり上がってからでいいです。まずは所作からでお願いします」
 内容がハードすぎる。私自身そこれなりには知識あるが、それだけではいけないのだろうか?言い換えればここは現代で言う高級クラブ、もしくは高級風俗的なものだろう。そんな人達から学べる技はどこにいても通用しそうな気もするが……


「うー……疲れた」
 蘭姉さんによるレッスンが終わり、屋敷に戻ってきた私は、速攻寝台にダイブする。
「お帰りなさいませ。久美子様。まぁ!帰宅して早々寝台に伏せるなんて品が悪いですよ」
「そう言われても、蘭姉さんかなり厳しかったんだもん」
 たかが数時間。まずは正しい姿勢とやらから始まり、何度ダメ出しをくらったか。
「背が丸まってますよ」
「下を向かない」
「真っすぐ胸を張って」
「足音をさせない」
 そんな言葉が延々と続いた。
 その後に待っていたのはお茶の煎れ方。特に考えることなく、いつもやっているようなお茶の煎れ方をすると、蘭姉さんは「まずい。こんなものを星永様に差し上げてるの?」と笑顔で言われた。優しく落ち着いた物腰なのに、言っている事はかなりきつい。
「それはそれは。初日からかなり厳しいご指導を受けられたのですね」
「厳しいなんてもんじゃないよ」
 私の話を聞いて茜華自身も「ご愁傷様です」と言って同情を寄せてくれた。
「そういえば茜華はどうして蘭姉さんと知り合いなの?」
「そうですね。孤児院は成人になる時には出なくてはいけない決まりでして、その前にどうしても教養を身に着けたく、たどり着いた先が色町一人気の蘭姉さんの下働きだったんです」
 場所は色町だ。当然蘭姉さんは断ったそうだが、何もないからこその知識や教養が欲しいと頭を下げ続けた結果、押される形で蘭姉さんが首を縦に振ったそうだ。
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