異世界!王道!!

まぁ

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第五話

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「だから妙に変な知識まで持ってるのか」
「妙なって何ですか?床場での事でしたら常識ですよ。とは言っても私自身知識だけで実経験はありませんが……」
「無理にするものでもないよ。茜華は茜華が好きになった人と一緒になればいいと思うし」
「そうでね。そう出来たらいいですけど、私は今、旦那様と久美子様が夫婦めおととなってくれる事に全力を注ぎたいと思います」
「それは要相談で……」
 何故こうも茜華は私と星永さんをくっつけたいのか。でも蘭姉さんの話を聞いて思った。もし御使いという立場がなければ抱かれる事もなかったし、もしもその後出会ったとしても見向きもされない、ライバルはいっぱいな状態だったわけだ。
(でもそれらを跳ねのけて今一番おいしいポジションにいるこの王道異世界ルートもなんだかなぁ……)
 恋する乙女というわけではないが、御使いという肩書がなく、普通に出会って恋をしたならばまた違ったのかもしれない。見向きもされない方が高いが。
「あ、そろそろ旦那様の元に向かう支度をしなくては」
「わかったわかった」


 帰宅し夕食後ののんびりした時間に星永さんの元を訪ねた。
「蘭の元で花嫁修業をし始めたそうだな」
「えっ?」
 誰のところで花嫁修業をしているかは、星永さんはもちろん知っていいたようだ。おそらく茜華が言ったのだろう。
「蘭の元ならば安心だ」
「蘭姉さんの事知ってるんですか?」
「一応仕事柄な」
 たしかに仕事の付き合いで色町に行くこともあるだろう。それよりも蘭姉さんと星永さんが並ぶと絵面が最強すぎて、今隣にいるのが私である事が泣けてくる。
「心配するような事は一つもないぞ」
「べ、別に心配なんてしてませんよ!姉さんと星永さんの絵面が最強だなって思って、自分の貧相な感じが悲しくなってきただけです!」
 何をツンデレみたいな事を言っているのだろうか。自分でも何を言っているのかわからない。
「自分を卑下するな。私から見れば久美子は可愛らしいぞ」
「か、かわっ!」
 一体何を言われるのかと思った。イケメンの破壊力半端ない。顔どころか頭の中まで沸騰してしまう。
 そんな恥ずかしがる私を星永さんは抱きしめ口づけをした。
「恥ずかしがる姿も好ましい。確かに蘭は美人だが、その心は見えず底知れない。久美子くらいわかりやすい方が私には丁度いい」
「それって褒められてるのか馬鹿にされてるのかわからないんですけど」
「褒めているつもりだが?」
 イケメンのリア充感についていけない。むしろ現代っ子ですらこんな甘い事は言わない。
「私としては早く久美子が私を受け入れてくれたらいいと思うがな」
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