異世界!王道!!

まぁ

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第三話

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「んっ……」
 ふと目が覚める。窓から明かりが漏れてるのが見え、朝を迎えたのだなと思った。
「そっか、私昨日……」
 声が少し枯れている。体も重怠いし、特に下半身が違和感ある。
 随分と良くしてもらった気もする。これまでに感じた事のない快楽で、あんなに大切に扱われた事はない。
「とりあえずいい思い出になった」
 きっとこれで言葉がわかるはず。そう思っていると、タイミングよくお手伝いの女の人が入ってきた。
「おはようございます。湯殿の準備が整っておりますがいかがしますか?」
「ホントに言葉通じてる……」
「はい?」
「いや、お風呂入ります!」
 瀧子の日記や炎珠の言った通りだ。抱かれると言葉が通じるようになる。その仕組みがどうなのかわからないが、ここで自分はこの国の御使いなのかもしれない事がわかった。
 ただ異界から来た人間全てが言葉の壁にぶつかるのかわならないので、この国の御使い説は五分五分だ。
「あれ?そういえば星永さんは?」
「旦那様はお仕事に行かれました」
「なるほど……」
 何の仕事をしているのか、詳しくはわからないが、出会った時に鎧を着ていたのを思い出した。
「軍事さんかなにかかな?」
「いえ、旦那様はこの国の禁軍将軍であられます」
「き、禁軍!」
 昔中国系のお話を見たことがあるので、禁軍将軍という地位がどれほどのものかはなんとなくわかる。
「それだけではありません。旦那様の母君は主上の母君の妹であられます」
 つまり皇帝の従兄弟。金も地位もある。イケメンって、どんだけ王道のきゃらを特盛にしてるのだろうか。
「そんな方に抱いてもらったなんて……忘れずに生きていこう」
 こんなおいしい思いは二度とない。私はこらから星永さんに頭が上がらない気もする。


 お風呂から上がり、朝食を食べた後、お手伝いさんから紫水殿に向かうように言われたので、用意された馬車で紫水殿へと向かった。
「ふむ。言葉は通じるようになったようだな」
 私をここに呼び出したのは炎珠。私が星永さんに抱かれたかの確認のようだ。
「とりあえずこの国の御使いであるかもしれないのは証明の一つとなったが、さて、これからどうするか」
「えっとその前に御使いって何するの?それに炎珠って何者?」
「これっ!我の事は炎珠様と言え。全く、主と言い星永と言い、我が子供故に舐めた口をききよって。我は現皇帝冠燿かんようが第三夫人の娘。この紫水殿の最高神官ぞよ」
 今皇帝の第三夫人の娘と言ったか?この紫水殿の最高神官というのは見ればわかるが、まさかの繋がりに驚く。
 そりゃ星永さんが遠慮ないはずだ。
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