モブだった私、今日からヒロインです!

まぁ

文字の大きさ
82 / 85

p81

しおりを挟む
 逆プロポーズ作戦は結局成功なのか失敗なのか、曖昧なまま幕を閉じた。
(一応するって現地取れたし、成功でいいんだよね?)
 やや確信は持てないにしても、すると言った以上はするのだろう。だがなんだか締まりがない。
 なんだかなあ……と悩む陽菜だが、悩んでいても仕方ない。結婚はする!それでいいのだ。それにやはり大金使っての演出ありだったものを阻止はしたのでいいとしよう。


「あちらではこれとこれ、それからこれもですね。資料データは随時送りますので確認よろしくお願いします」
「わかりました」
 長期出張(扱い)の準備を伊澄とかくにんしながら、スケジュールをタブレットに入れていく陽菜。
 アレンの両親及び一族と会って、イギリス観光とまではいかない。扱いは出張な以上、仕事もしなくてはいけない。
 今回は一ヶ月近い出張なので、ヒースルー関連事業とのやり取りをする事は勿論だが、アレンには新規事業参入の為の交渉もしてもらう。まあここに関してはなんの問題もないだろう。
 陽菜が思う小さな問題としては、近隣諸国にも周遊する事だが、それまで出来ていた入出国スルーがなくなって、いちいち手続きしないといけない事だ。
(アレンからしたらそんな事?なんだろうなぁ……)
 まず手続きのルートが一般的なそれとは違うので、問題なしなアレンと違い、陽菜はなんだか大変だと感じた。
「まぁ何日かは遊ぶ時間もあるでしょうから、大いに楽しんで来てください」
「いろいろな状況が重なって、仕事もあるのに楽しめると思いますか?」
「そこは気合と根性ですよ。イギリスは食事は置いといたとして、見所はいっぱいありますし」
 それらを楽しめるかどうかはわからないが、ちゃっかりイギリス版歩き方の本は買ってチェックはしている。
「とりあえず頑張って来てください」
「はい……」
 波乱の幕開けは明後日。明後日陽菜はアレンと共にイギリスへ行くことになる。
 ちなみに今回も澤永からはあれこれと買い物を頼まれた。もちろん他の秘書課の人達からも。


 荷造りをする陽菜は、持って行くもののチェックを入念に行う。大型キャリーケースに荷物を詰める陽菜を見てアレンは首を傾げた。
「荷物の準備なんて必要ないのに。パスポートだけあればいいんだよ」
「それはアレンだけでしょ?私は庶民なので自分の荷物は自分で用意するよ」
 金持ちの感覚はわからない。必要なものは現地で買う。服も日用品も。これを享受すると身の回りがハイブランドになるのは間違いない。
「大きなケースなんて邪魔になるよぉ」
「いいのよ。とにかく!いろいろ自分で持って行きたいものもあるの!」
 荷造りの概念が理解出来ないといった風なアレンは置いといて、準備を終えた陽菜は、明日を待つだけだと気合を入れる。


 だが翌日。仕事に必要なものとパスポートのみを手に持たされ、アレンは荷造りしたキャリーケースを置いて陽菜を空港へと連れ出したのだ。
「ちょっと!アレン!」
「だって本当に邪魔なんだもん」
 抗議する陽菜を他所に、二人はイギリスの地へと向かった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
【全16話+後日談5話:日月水金20:00更新】 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...