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鬼の世界へ
1 プロローグ。そして、いきなり異世界
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ニンゲンの住む世界。そこの、ニホンという国。
ここに、一人の少女が居りました。
名前は井上美玖。
中学校三年生の15歳。眼鏡をかけた真面目そうな女の子です。
成績は、トップでは無いけれども上位のクラスだったようです。
語学が得意な、頭の良い子です。
容姿は……。私の基準では、最高に可愛いと思います。それこそ、食べてしまいたいくらいに…。それに、一般基準でも悪くはないというか、確実に美少女の範疇に入れてよい部類だと思います。
但しですね。野暮ったい眼鏡かけたりしてましたから、カモフラージュされていたみたいなのですよ。勿体無いですね…。
背は高からず低からずの平均身長で、いつも私服は地味。友達も少なく、目立つことが苦手。万事控え目で、比較的影の薄い部類の女子であったようです。
彼女が「普通」と少し違う点と言えば、両親が居ないこと。
母親・父親の顔も知らないし、その他の親戚も一切居ないそうです。
何故かというと、彼女は捨て子だったのです。そして、そういう境遇の子を収容する施設で育ったのでした。
これが、「普通」と少しばかり異なる点。
特技や特殊能力を持つといったことであれば喜ばしいことでしょうが、全くもって嬉しくもない相違点ではありますね。
まあ私的には、そんなの、ホントどうでも良い些事なんですけれども……。
さて、そんな彼女が、ある日突然に我らの住む『妖界』へ迷い込んできたのです。
特に何かをした結果という訳でもなく、唐突に…。
選ばれた存在だとか、そう言うことでもありません。
たまたま何かのはずみで異界との境の扉が開き、たまたま、ドンピシャでその場に居合わせてしまったという、それだけのこと。
完全な、偶然の出来事でありました。
この話は、その少女の「異世界体験談」ということなのでございます。
―――――――
えっと…、何でこんなことになっちゃったんですかね……。
私はいつも通り学校に行き、そこからの帰り道でした。
いきなり目の前が真っ白になったかと思うと、景色が一変しました。
いつもとは全く違う風景。…見たこともない世界に立っていたのです。
夢の中?
いや違う。ホッペをツネってみたら、痛い。
風景だけでなく、空気感も明らかに異質です。
どう違うのかって言われると説明しにくいのですが、とにかく異質なんです!
これって、小説や漫画とかでよくある、異世界転移ってヤツですか?
勇者とか聖女とかに選ばれて召喚され、魔法や特別な能力を駆使して大活躍!
ドキドキワクワク冒険譚の始まり、始まり!
……なんてね。
でも実際、そんな良い話ないですよね。
異世界に行っただけで魔法が使えるようになるはずないし、ただの中学生の私に特別な能力も知識も無いのです。
ですが、どういうわけか、そこそこ冷静ではありました。
まあ、慌てても泣き叫んでも、どうかなるようことでないですからね。
別に、元の世界にそれほど未練もありませんし……。
私には両親が居ません。捨て子なんです。産まれたばかりの時に捨てられました。
同じような捨て子や、事故なんかで両親を失った孤児を集めて育てる、「施設」で育ちました。
この施設の入所資格は中学校を卒業するまで。それ以後は寮設備のある提携の高校へゆくか、施設を出て働くかのどちらか。提携高校へ進学する場合は、学費の優遇や貸付制度があります。ですから、当然みんな、それを目指しますよね。
私も同じ。学校の成績は悪くはありませんでした。学年で上から十番目くらいには、いつも入っていましたので、普通に受ければ、十分に受かるはずです。
ですが、入所している皆が皆、そういう風には行きませんよね。
勉強しても成績が伸びず、将来を悲観して自主的に居なくなってしまうなんて子が、結構いるのです。
家出とか、自殺ですね……。
急に居なくなったりしたら、おそらく、私も同じような扱いになってしまうことでしょう。
まともに探しても貰えないんですよ。
尤も、探して貰っても、異世界じゃあ、見つけて救出なんて不可能ですけどね……。
さてと、この場にずっと居ても仕方ありません。ちょっと歩いてみます。
道はアスファルトでは無くて土のままの様に見えますが、綺麗に均されて固まっています。私の知らない物質で舗装されているみたい。
左手側には道から少し離れて川が流れ、右側には二メートルくらいの幅の堀があって、お城のような白塗りの塀がどこまでも続いています。
塀の上には鋭い金属の刃みたいなのがびっしり並んでいて、侵入しようとすると大怪我しそうです。
不意に、背後から変な声が。
「ウロヤテック、クソッサ。ダトヒ、ナウソマウ、ウオオ」
振り返ると、五メートル位後ろに、上半身裸で緑の肌の小男……。
へえ? か、河童?
猛ダッシュで接近してくる。速すぎる。逃げられない!
あっと言う間に捕まり、強い力でムリヤリ四つん這いにさせられます。
制服のスカートがサッと捲られる。
ショーツに手がかかり、ズリッと下ろされた。
「いや~、変態~!!止めて!」
私、河童に襲われている!
ショーツを脱がされて、女の子の秘部むき出しにされて…。
なんで私が、こんな屈辱を…。これが貞操の危機ってやつ?!
う、い、いや、違う。こ、これって!
なんかで聞いたことがあるよ。河童は『尻子玉』を抜いて食べるって……。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
(……「妖語」部分は、逆から読んで頂けますと意味が分かります……)
ここに、一人の少女が居りました。
名前は井上美玖。
中学校三年生の15歳。眼鏡をかけた真面目そうな女の子です。
成績は、トップでは無いけれども上位のクラスだったようです。
語学が得意な、頭の良い子です。
容姿は……。私の基準では、最高に可愛いと思います。それこそ、食べてしまいたいくらいに…。それに、一般基準でも悪くはないというか、確実に美少女の範疇に入れてよい部類だと思います。
但しですね。野暮ったい眼鏡かけたりしてましたから、カモフラージュされていたみたいなのですよ。勿体無いですね…。
背は高からず低からずの平均身長で、いつも私服は地味。友達も少なく、目立つことが苦手。万事控え目で、比較的影の薄い部類の女子であったようです。
彼女が「普通」と少し違う点と言えば、両親が居ないこと。
母親・父親の顔も知らないし、その他の親戚も一切居ないそうです。
何故かというと、彼女は捨て子だったのです。そして、そういう境遇の子を収容する施設で育ったのでした。
これが、「普通」と少しばかり異なる点。
特技や特殊能力を持つといったことであれば喜ばしいことでしょうが、全くもって嬉しくもない相違点ではありますね。
まあ私的には、そんなの、ホントどうでも良い些事なんですけれども……。
さて、そんな彼女が、ある日突然に我らの住む『妖界』へ迷い込んできたのです。
特に何かをした結果という訳でもなく、唐突に…。
選ばれた存在だとか、そう言うことでもありません。
たまたま何かのはずみで異界との境の扉が開き、たまたま、ドンピシャでその場に居合わせてしまったという、それだけのこと。
完全な、偶然の出来事でありました。
この話は、その少女の「異世界体験談」ということなのでございます。
―――――――
えっと…、何でこんなことになっちゃったんですかね……。
私はいつも通り学校に行き、そこからの帰り道でした。
いきなり目の前が真っ白になったかと思うと、景色が一変しました。
いつもとは全く違う風景。…見たこともない世界に立っていたのです。
夢の中?
いや違う。ホッペをツネってみたら、痛い。
風景だけでなく、空気感も明らかに異質です。
どう違うのかって言われると説明しにくいのですが、とにかく異質なんです!
これって、小説や漫画とかでよくある、異世界転移ってヤツですか?
勇者とか聖女とかに選ばれて召喚され、魔法や特別な能力を駆使して大活躍!
ドキドキワクワク冒険譚の始まり、始まり!
……なんてね。
でも実際、そんな良い話ないですよね。
異世界に行っただけで魔法が使えるようになるはずないし、ただの中学生の私に特別な能力も知識も無いのです。
ですが、どういうわけか、そこそこ冷静ではありました。
まあ、慌てても泣き叫んでも、どうかなるようことでないですからね。
別に、元の世界にそれほど未練もありませんし……。
私には両親が居ません。捨て子なんです。産まれたばかりの時に捨てられました。
同じような捨て子や、事故なんかで両親を失った孤児を集めて育てる、「施設」で育ちました。
この施設の入所資格は中学校を卒業するまで。それ以後は寮設備のある提携の高校へゆくか、施設を出て働くかのどちらか。提携高校へ進学する場合は、学費の優遇や貸付制度があります。ですから、当然みんな、それを目指しますよね。
私も同じ。学校の成績は悪くはありませんでした。学年で上から十番目くらいには、いつも入っていましたので、普通に受ければ、十分に受かるはずです。
ですが、入所している皆が皆、そういう風には行きませんよね。
勉強しても成績が伸びず、将来を悲観して自主的に居なくなってしまうなんて子が、結構いるのです。
家出とか、自殺ですね……。
急に居なくなったりしたら、おそらく、私も同じような扱いになってしまうことでしょう。
まともに探しても貰えないんですよ。
尤も、探して貰っても、異世界じゃあ、見つけて救出なんて不可能ですけどね……。
さてと、この場にずっと居ても仕方ありません。ちょっと歩いてみます。
道はアスファルトでは無くて土のままの様に見えますが、綺麗に均されて固まっています。私の知らない物質で舗装されているみたい。
左手側には道から少し離れて川が流れ、右側には二メートルくらいの幅の堀があって、お城のような白塗りの塀がどこまでも続いています。
塀の上には鋭い金属の刃みたいなのがびっしり並んでいて、侵入しようとすると大怪我しそうです。
不意に、背後から変な声が。
「ウロヤテック、クソッサ。ダトヒ、ナウソマウ、ウオオ」
振り返ると、五メートル位後ろに、上半身裸で緑の肌の小男……。
へえ? か、河童?
猛ダッシュで接近してくる。速すぎる。逃げられない!
あっと言う間に捕まり、強い力でムリヤリ四つん這いにさせられます。
制服のスカートがサッと捲られる。
ショーツに手がかかり、ズリッと下ろされた。
「いや~、変態~!!止めて!」
私、河童に襲われている!
ショーツを脱がされて、女の子の秘部むき出しにされて…。
なんで私が、こんな屈辱を…。これが貞操の危機ってやつ?!
う、い、いや、違う。こ、これって!
なんかで聞いたことがあるよ。河童は『尻子玉』を抜いて食べるって……。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
(……「妖語」部分は、逆から読んで頂けますと意味が分かります……)
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