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26 横行結腸
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「じゃあ、横行結腸に突入しますよ~」
カメラはクニャッと曲がって方向を変え、どんどん奥へ入ってゆきます。
「う…、なるほど、横へ入って行く感覚、凄いわね。結構キツイよ」
「我慢してくださいね~。あ、ありゃりゃ。こりゃまた、最悪。きったなくてサイッテイな状態のドロドロウンコが、たっぷり詰まっちゃってますね~。奥の方からビューッて絞り出されてきてますよ~。元気にウンコ製造中ですね~。美紀さん、バッチイですね~」
腸管内の前方に、黄色い軟状のモノが見えてきました。食べ物の消化物です。しぼんだ襞から徐々に押し出されてきて迫ってきます。
確かに綺麗なモノではありませんがね…。夏実さん、言い方……。
「夏実さん、その表現は酷いよ。私自身が汚い存在みたいじゃない…」
「いや、そんな風には思ってませんよ~。でも、ウンコはウンコですからね~。これは、正真正銘、美紀さんの体内で製造されている、排泄前の汚いドロドロウンコなんすから~」
「だから、やめてって……」
うん、確かに…。レディーに向かって「ウンコ、ウンコ」って、失礼です。せめて消化物とでも言いなさいよ。汚いって言うのも、止めてあげて。
あれ? でも私の時は、消化物って言っていたような……。
まあ、それは措いておきましょうか…。
切腹した時に腸を傷つけますと、こういった汚いモノが外へ漏れ出てしまうのです。それをどう処理するかというのが、美紀さんの課題のようなんですよ。
その為に大腸小腸の位置を正確に把握するのを目的とした調査をしているわけです。
美紀さんの目指す『麗しい切腹』って、なかなか大変なんですね。
「進めませんので、洗い出しますね~」
夏実さんは、洗浄の為のお湯を抽入するボタンを押します。モニター、液体が流れ込む様子が映り、画面が黄色く濁ってしまいました。
すぐに内部の液体は排出されて専用タンクに入ってきます。黄色いドロドロのモノがどんどん出て来る。それにつれて、汚物臭も漂ってきます。
「ううう~、臭いし汚いよ~、く、屈辱!」
「なんですか~、美紀さん自分で汚いって認めてるじゃないですか~」
「自分で言うのは良いのよ。他人に汚いとか言われるのは嫌なの!」
はい、分かります。そういうモノですよね。
でも、誰でも同じで大腸内は汚いモノです。私の場合は事前に綺麗に洗っていたから、こんなのが無かっただけですからね。そういう意味では、私は汚物を曝け出さずに済んだということでラッキーでした。
画面、内容物が無くなり、綺麗になった大腸内が映ってきます。溜まった水は全て排出され、代わりに空気が入れられます。
「お~、すっかり綺麗ですよ~。正に腸内洗浄ですね~。さあ、この辺りが横行結腸の真ん中辺りのはずですね~。場所確認してくださいね~」
振動。美紀さん、お腹の中央、お臍の上あたりを指します。私はカナリ下の方でした。美紀さんの大腸は余り伸びずに上手くカメラが中に入って行っているようです。
カメラの挿入再開。曲がり角が見えてきます。
「横行結腸の端に来ましたね~。また振動させますよ~」
「うっ、ここよ。とすると、この上の部分に私の肝臓があるのね。肋骨もあるから、肝臓は左手で出さなきゃ無理ね」
ええ~。切腹で、肝臓まで取り出すつもりなんだ…。
その後、盲腸内までカメラを進め、そこから膨らませて抜き取りながら再度美紀さんの大腸内を観察。カメラを全部美紀さんの体から抜き出し、片づけをして、その日の活動を終えたのです。
いやそれにしても、動いている大腸、凄かったですね。
内部では知らないうちにあんな風に活動し、食べ物を消化して栄養分や水分を吸収し、私たちの体を維持してくれているのです。
全く意識もしていないし、外からは一切見ることが出来ないけれど、私たちにとって欠かすことの出来ない大切な器官。それが腸であり、その他の内臓…。
改めて認識できました。やっぱり内臓は凄い!
内臓フェチって、そんなにも変なことじゃないですよね?!
みんなが内臓の凄さを知らないだけなんですよ!
そして次回は、いよいよ・・・、夏実さんの切腹となるのでした。
カメラはクニャッと曲がって方向を変え、どんどん奥へ入ってゆきます。
「う…、なるほど、横へ入って行く感覚、凄いわね。結構キツイよ」
「我慢してくださいね~。あ、ありゃりゃ。こりゃまた、最悪。きったなくてサイッテイな状態のドロドロウンコが、たっぷり詰まっちゃってますね~。奥の方からビューッて絞り出されてきてますよ~。元気にウンコ製造中ですね~。美紀さん、バッチイですね~」
腸管内の前方に、黄色い軟状のモノが見えてきました。食べ物の消化物です。しぼんだ襞から徐々に押し出されてきて迫ってきます。
確かに綺麗なモノではありませんがね…。夏実さん、言い方……。
「夏実さん、その表現は酷いよ。私自身が汚い存在みたいじゃない…」
「いや、そんな風には思ってませんよ~。でも、ウンコはウンコですからね~。これは、正真正銘、美紀さんの体内で製造されている、排泄前の汚いドロドロウンコなんすから~」
「だから、やめてって……」
うん、確かに…。レディーに向かって「ウンコ、ウンコ」って、失礼です。せめて消化物とでも言いなさいよ。汚いって言うのも、止めてあげて。
あれ? でも私の時は、消化物って言っていたような……。
まあ、それは措いておきましょうか…。
切腹した時に腸を傷つけますと、こういった汚いモノが外へ漏れ出てしまうのです。それをどう処理するかというのが、美紀さんの課題のようなんですよ。
その為に大腸小腸の位置を正確に把握するのを目的とした調査をしているわけです。
美紀さんの目指す『麗しい切腹』って、なかなか大変なんですね。
「進めませんので、洗い出しますね~」
夏実さんは、洗浄の為のお湯を抽入するボタンを押します。モニター、液体が流れ込む様子が映り、画面が黄色く濁ってしまいました。
すぐに内部の液体は排出されて専用タンクに入ってきます。黄色いドロドロのモノがどんどん出て来る。それにつれて、汚物臭も漂ってきます。
「ううう~、臭いし汚いよ~、く、屈辱!」
「なんですか~、美紀さん自分で汚いって認めてるじゃないですか~」
「自分で言うのは良いのよ。他人に汚いとか言われるのは嫌なの!」
はい、分かります。そういうモノですよね。
でも、誰でも同じで大腸内は汚いモノです。私の場合は事前に綺麗に洗っていたから、こんなのが無かっただけですからね。そういう意味では、私は汚物を曝け出さずに済んだということでラッキーでした。
画面、内容物が無くなり、綺麗になった大腸内が映ってきます。溜まった水は全て排出され、代わりに空気が入れられます。
「お~、すっかり綺麗ですよ~。正に腸内洗浄ですね~。さあ、この辺りが横行結腸の真ん中辺りのはずですね~。場所確認してくださいね~」
振動。美紀さん、お腹の中央、お臍の上あたりを指します。私はカナリ下の方でした。美紀さんの大腸は余り伸びずに上手くカメラが中に入って行っているようです。
カメラの挿入再開。曲がり角が見えてきます。
「横行結腸の端に来ましたね~。また振動させますよ~」
「うっ、ここよ。とすると、この上の部分に私の肝臓があるのね。肋骨もあるから、肝臓は左手で出さなきゃ無理ね」
ええ~。切腹で、肝臓まで取り出すつもりなんだ…。
その後、盲腸内までカメラを進め、そこから膨らませて抜き取りながら再度美紀さんの大腸内を観察。カメラを全部美紀さんの体から抜き出し、片づけをして、その日の活動を終えたのです。
いやそれにしても、動いている大腸、凄かったですね。
内部では知らないうちにあんな風に活動し、食べ物を消化して栄養分や水分を吸収し、私たちの体を維持してくれているのです。
全く意識もしていないし、外からは一切見ることが出来ないけれど、私たちにとって欠かすことの出来ない大切な器官。それが腸であり、その他の内臓…。
改めて認識できました。やっぱり内臓は凄い!
内臓フェチって、そんなにも変なことじゃないですよね?!
みんなが内臓の凄さを知らないだけなんですよ!
そして次回は、いよいよ・・・、夏実さんの切腹となるのでした。
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