小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第八章 帝国との紛争

第五百四十三話 戦況と新しいお友達

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 こうして、本格的な交戦が始まり僕も治療で忙しくなってきた。
 とはいえ、今回は帝国側の奇襲ではないし兵の気持ちも前回と比べてかなり良いみたいです。

「兵の精神面が安定すると、戦果にも大きな影響が出る。前回は奇襲を受けてこちら側が慌てていたが、今回は明らかに帝国側が慌てている」
「シロちゃんが奪った武器の件もそうですけど、帝国側で何かあったんですかね?」
「その辺は襲撃者の尋問をして割り出し中だ。まあ、何にせよ私たちのやる事は変わらないさ」

 夕食時にハーデスさんと話をしたけど、実はシロちゃんがたくさんの弓矢を奪ったのが戦略的に大きいそうです。
 なにせ、帝国側は魔法使いもいないので遠距離攻撃ができず、剣や槍を持って突っ込んでくるだけだそうです。
 なので、王国側は無理をせずに弓矢を使った遠距離攻撃を織り交ぜながら確実に撃退しているそうです。
 こちら側は帝国を侵略する意図はないので、撃退すれば良いだけで気が楽だと言っていました。

「帝国としては、『王国の国境を一メートル奪取』でも大きな功績となる。だから、ある意味死に物狂いでやって来る。人の犠牲など全く気にしない、無能な上層部の考えだがな」
「僕はいっぱい治療をしたから分かりますけど、無駄に人を死なすのは絶対に良くないです。待っている家族のこともあるので、死ぬよりも生きて欲しいです」
「その意見に、私も同感だ。生きて立派な報告をしろと部下に言い聞かせている」

 実は、帝国側の被害はとても甚大です。
 それでも、連日多くの人員をつぎ込んできます。
 幸いにして王国側は死者は出ていないけど、それでも大怪我をして運ばれてくる兵もいます。
 なので、僕としても早くこの紛争が終わる為にもできる限りのことをする予定です。

「もうそろそろ交代の兵もやって来る。そうすると、また戦況も変わるさ。だが、流石にレオ君を戦場に投入できない。これはある意味不文律なのだが、お互いに魔法使いを投入した時にのみ魔法使いを使って撃退できるってなっている。それにレオ君はまだ小さいし、投入するなら宮廷魔導士の娘を投入するのが先決だ」

 魔法使いだと、周囲にもとても大きな被害を出すので、ある意味最終手段みたいです。
 そもそも僕はまだへたっぴな魔法使いだし、今は治療やレンガ作りを頑張るだけです。
 そういう意味だと、隠密行動ができるシロちゃんって本当に凄いよね。
 
 こうして、王国側は比較的安定した状態で進んでいきました。
 帝国側は相変わらず甚大な被害を出し続けているけど、王国側はそこまで大きな被害は出ていません。
 だけど、たまに死者が出るととても悲しくなります。
 殆どの兵とお友達になったので、シーツに包まれた姿をみると涙が止まらなくなります。
 せめてものとして、生活魔法で綺麗にして冷凍魔法で凍らせて王都まで持つようにしています。
 どんな形でも家族の元に帰って欲しいと、そう思っています。
 そんな中、僕に新しいお友達ができました。

 ぱたぱた。

「ピー!」

 僕の肩にちょこんと乗っているのは、サンダーホークの「ピーちゃん」です。
 実は、たまたま怪我して道にうずくまっていたところを、食料補給の馬車隊の人が見つけて運んでくれました。
 珍しくはない小さな鳥型の魔物だけど、とても賢くてとても強いそうです。
 治療したばっかりなのでまだ飛んだりするリハビリ中だけど、とっても元気になりました。
 まだ巣立ちしたばっかりなので上手く魔力は扱えないけど、頑張れば強力な雷魔法が使えるそうです。
 しかも、長距離をとても速く飛ぶことができるので、足にメモを括り付ければ素早く情報のやり取りもできます。
 そして、別の意味で活躍しているお友達もいます。

「あー、癒される……」
「アオン!」

 シロちゃんとユキちゃんは、時々兵に抱きしめられて癒しをもたらせています。
 ずーっと緊張した状態だと、兵も疲れちゃうよね。
 シロちゃんはぷにぷにして気持ちいいし、ユキちゃんは極上のもふもふです。
 二匹とも抱かれる事には慣れているので、厳つい顔の兵でも全く気にしていません。
 それに、全員お友達だもんね。
 もふもふの人形もあった方が良いかなと思うので、今度ハーデスさんやアイリーンさんに聞いてみよう。
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