356 / 585
第七章 王都
第四百五十一話 ヒルダさんを迎える準備
しおりを挟む
今日は午前中は軍の治療施設で治療をして、その後はヒルダさんとのお茶会です。
朝からヒルダさんを出迎える為に色々な人が忙しく動いていて、そんな中僕たちは冒険者ギルド経由で軍の施設に向かいました。
「何だか、この前ヒルダさんが来た時よりも迎えの準備が凄いですね」
「本日は、マリアージュ侯爵家よりヒルダ様の命を救って頂いたレオ様への御礼も兼ねております」
ジェシカさんから、とんでもない話を聞いちゃったよ。
僕としては、知り合いのチャーリーさんの奥さんでモニカさんのお母さんであるヒルダさんを治療しただけって思っているんだよね。
ヴァイス子爵を捕まえた時の対応は冒険者活動として報酬をもらうことになっているし、謁見でも報酬に関して言及があるそうです。
僕はもう、十分に報酬は貰っているって思うけどなあ。
そんなことを思いつつ、僕たちは軍の施設に到着しました。
前回と同じ担当者が僕たちを待っていてくれて、そのまま治療施設に案内されました。
「黒髪の魔術師様が多くの兵を治療頂いたおかげで、事件の捜査もスムーズに進んでおります。治療頂いた司令官が、張り切って指揮を取っております」
「司令官さんは、もう部隊に復帰しているんですね」
「願わくは、ハンブルク男爵もいると捜査がより進むのですが、ご存じの通り事件に関係しておりますので……」
先導する兵もとても残念そうに言っているけど、ガスターさんは軍でも功績をあげていたんだね。
確かに、ガスターさんが事件に関係なければ、捜査はより早く進むと僕も思います。
今日は重傷者用の個室に入院している人はいないそうなので、大部屋に入院している人を治療していきます。
シュイーン、ぴかー!
「おお! 噂には聞いていたが、すげー魔法だな」
「この凄い魔法が、ドジをしたお前の為に使われるとはな」
「バカっ、恥ずかしいことだから黙っていろ!」
「「「ガハハ!」」」
先週とは違って事件が進捗しているのもあり、入院している兵の雰囲気も良い感じです。
先週は、入院していた人も早く現場に戻って事件を捜査したいとピリピリしていたもんね。
捜査に必要な人数と上官も揃っているから、回復した兵も原隊に戻るのが優先だそうです。
こうして、満床じゃないのもあってか午前中の早い段階で軍の治療施設での治療を終えることができました。
「皆さま、本当にありがとうございます。皆さまのお陰で重傷者が殆どいなくなった為、次の治療は半月後の第一師団駐屯地にて行う予定です」
「あっ、マイスター師団長さんが前に話をしていた件ですね」
「その通りです。当日は、冒険者ギルドに寄らずに直接軍の施設にお越し下さい」
軍にも軽傷者なら治療できる魔法使いがいるそうなので、僕たちが頑張り過ぎちゃうとその人の仕事を奪うことになります。
あくまでも、僕たちが治療をするのは中等症以上の入院患者です。
冒険者ギルドで手続きをして早めに屋敷に戻ると、ヒルダさんを迎える準備は整ったみたいです。
僕も早めにちゃんとした服に着替えて、それから昼食を食べ始めます。
「モニカさん、今日は何時くらいにヒルダさんがくるんですか?」
「うーん、二時くらいに来るって言っていたけど、お母様の性格からするともう少し早めに来るかもしれないわ」
お肉を頬張りながらモニカさんが答えてくれたけど、ヒルダさんは楽しい事だと少し早めに動くことがあるんだって。
一週間前は孫とのふれあいを楽しみにしていたのに不良ポーションの為に台無しになっちゃったから、今日フランソワーズ公爵家に行くのをとっても楽しみにしているそうです。
その為に、午前中から準備を万全にしていたんですね。
そして、モニカさんは僕にヒルダさんのある事を注意してきました。
「レオ君、お母様は夢中になると話が止まらなくなるのよ。絶対に、レオ君に沢山の質問をしてくると思うわ。私も気を付ける様にするけど、レオ君も気を付けてね」
「「「あはは…」」」
モニカさんの注意に、フランソワーズ公爵家の子ども三人とも苦笑いを浮かべていました。
クリスちゃんまで苦笑いになるなんて、ある意味凄いなあ。
こうして、昼食ではヒルダさんがどんな人かがずっと話されていました。
朝からヒルダさんを出迎える為に色々な人が忙しく動いていて、そんな中僕たちは冒険者ギルド経由で軍の施設に向かいました。
「何だか、この前ヒルダさんが来た時よりも迎えの準備が凄いですね」
「本日は、マリアージュ侯爵家よりヒルダ様の命を救って頂いたレオ様への御礼も兼ねております」
ジェシカさんから、とんでもない話を聞いちゃったよ。
僕としては、知り合いのチャーリーさんの奥さんでモニカさんのお母さんであるヒルダさんを治療しただけって思っているんだよね。
ヴァイス子爵を捕まえた時の対応は冒険者活動として報酬をもらうことになっているし、謁見でも報酬に関して言及があるそうです。
僕はもう、十分に報酬は貰っているって思うけどなあ。
そんなことを思いつつ、僕たちは軍の施設に到着しました。
前回と同じ担当者が僕たちを待っていてくれて、そのまま治療施設に案内されました。
「黒髪の魔術師様が多くの兵を治療頂いたおかげで、事件の捜査もスムーズに進んでおります。治療頂いた司令官が、張り切って指揮を取っております」
「司令官さんは、もう部隊に復帰しているんですね」
「願わくは、ハンブルク男爵もいると捜査がより進むのですが、ご存じの通り事件に関係しておりますので……」
先導する兵もとても残念そうに言っているけど、ガスターさんは軍でも功績をあげていたんだね。
確かに、ガスターさんが事件に関係なければ、捜査はより早く進むと僕も思います。
今日は重傷者用の個室に入院している人はいないそうなので、大部屋に入院している人を治療していきます。
シュイーン、ぴかー!
「おお! 噂には聞いていたが、すげー魔法だな」
「この凄い魔法が、ドジをしたお前の為に使われるとはな」
「バカっ、恥ずかしいことだから黙っていろ!」
「「「ガハハ!」」」
先週とは違って事件が進捗しているのもあり、入院している兵の雰囲気も良い感じです。
先週は、入院していた人も早く現場に戻って事件を捜査したいとピリピリしていたもんね。
捜査に必要な人数と上官も揃っているから、回復した兵も原隊に戻るのが優先だそうです。
こうして、満床じゃないのもあってか午前中の早い段階で軍の治療施設での治療を終えることができました。
「皆さま、本当にありがとうございます。皆さまのお陰で重傷者が殆どいなくなった為、次の治療は半月後の第一師団駐屯地にて行う予定です」
「あっ、マイスター師団長さんが前に話をしていた件ですね」
「その通りです。当日は、冒険者ギルドに寄らずに直接軍の施設にお越し下さい」
軍にも軽傷者なら治療できる魔法使いがいるそうなので、僕たちが頑張り過ぎちゃうとその人の仕事を奪うことになります。
あくまでも、僕たちが治療をするのは中等症以上の入院患者です。
冒険者ギルドで手続きをして早めに屋敷に戻ると、ヒルダさんを迎える準備は整ったみたいです。
僕も早めにちゃんとした服に着替えて、それから昼食を食べ始めます。
「モニカさん、今日は何時くらいにヒルダさんがくるんですか?」
「うーん、二時くらいに来るって言っていたけど、お母様の性格からするともう少し早めに来るかもしれないわ」
お肉を頬張りながらモニカさんが答えてくれたけど、ヒルダさんは楽しい事だと少し早めに動くことがあるんだって。
一週間前は孫とのふれあいを楽しみにしていたのに不良ポーションの為に台無しになっちゃったから、今日フランソワーズ公爵家に行くのをとっても楽しみにしているそうです。
その為に、午前中から準備を万全にしていたんですね。
そして、モニカさんは僕にヒルダさんのある事を注意してきました。
「レオ君、お母様は夢中になると話が止まらなくなるのよ。絶対に、レオ君に沢山の質問をしてくると思うわ。私も気を付ける様にするけど、レオ君も気を付けてね」
「「「あはは…」」」
モニカさんの注意に、フランソワーズ公爵家の子ども三人とも苦笑いを浮かべていました。
クリスちゃんまで苦笑いになるなんて、ある意味凄いなあ。
こうして、昼食ではヒルダさんがどんな人かがずっと話されていました。
1,596
お気に入りに追加
5,426
あなたにおすすめの小説

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。