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第七章 王都

第四百五十話 久々の冒険者ギルド内での治療

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 翌日、僕はいつも通り午前中は冒険者活動をします。
 延期になったお茶会の相手が軍の幹部なので、ヴァイス子爵の件でとても忙しいのでまた改めてってことになりました。
 その代わり、明日はヒルダさんが先週のリベンジってことでオラクル公爵家にやってくるそうです。
 ということで、冒険者ギルドに向かいました。

「じゃあ、レオ君宜しくね」

 今日は、冒険者ギルド内で冒険者向けの無料治療を行います。
 他の領地みたいに椅子に座って治療するのかなと思ったら、今日使わない部屋を貸してくれることになりました。
 僕とシロちゃんで椅子や簡易ベッドを並べて、ユキちゃんとジェシカさんも準備を手伝ってくれます。
 ユキちゃんは、ジェシカさんと隣同士で座っていて、僕とシロちゃんも準備完了です。
 ではでは、早速治療を始めましょう。

 ガヤガヤガヤ。

「わぁ、今日は沢山の人が治療に来ているんですね」
「冒険者活動をする前に、さっと治療を受けようとする奴が多いんだろうな。実際に、レオの治療は手際が良いぞ」

 教会の奉仕活動で話をした冒険者のおじさんが、人が集まっている理由を教えてくれました。
 因みに、治療をしているのはおじさんではなく一緒にいた男性です。
 やっぱり冒険者は、外傷だったり肩や腰に膝とかの関節の怪我が非常に多いですね。
 沢山の冒険者が並んでいるので、今はスピードモードで対応していきます。
 シロちゃんとユキちゃんのところにも沢山の冒険者が並んでいるけど、二匹とも良い感じで治療を進めていきます。

「では、次の方どうぞ」
「アン!」
「ははは、俺はコボルトの嬢ちゃんが相手か」
「オン」

 ジェシカさんも列の整理をしたり治療の案内をしたりと、とにかく大忙しです。
 こうして、治療を始めてから二時間は忙しい時間が過ぎていきました。

「ふう、ようやく休憩が取れますね。ジェシカさん、手伝ってくれてありがとうございます」
「いえ、私はこのくらいしかできませんので」
「ハグハグ」

 ジュースを飲みながらホッと一息ついたけど、流石は王都って感じで凄い人の数です。
 ユキちゃんは、女性冒険者から貰ったおやつを美味しそうに食べていますね。
 休める時は、キッチリと休むようにしましょう。
 さあ治療再開! ってタイミングで、今度は受付のお姉さんがやってきました。

「すみません、私たちも治療して頂けますか?」
「どうぞ、こちらに」

 僕達の手が空く時間は必然的に受付も手が空くので、頃合いを見計らってやってきたみたいです。
 そして治療をして分かったのは、受付のお姉さんはずっと座ってばっかりなので肩や腰を痛めている人が殆どでした。
 お仕事によって、体を痛める場所も違ってくるんですね。

 ガヤガヤガヤ。

 昼食の時間になるとまた冒険者の数が増えてきたので、治療を受ける冒険者も増えてきました。
 僕たちは忙しくなる前に簡単に昼食を食べて、治療を終えたらもう一回軽く食べる予定です。

「腕の良い小さい治癒師がいるって聞いたが、まさかの黒髪の魔術師だったとは。そりゃ、腕が良いはずだな」
「腕の怪我があっという間に治っちまったが、本当に凄い魔法だな」

 午前中で依頼を切り上げてきた冒険者を中心に治療をするけど、どうも僕たちが午前中治療をしたのが冒険者の間で広まっているみたいです。
 結構な人が集まって来ているけど、僕たちも休んでから治療を再開したのでまだまだ魔力は残っています。
 こうして、お昼の忙しい時間帯を乗り越えると、今度は受付のお姉さんがお菓子を持ってきてくれました。

「こんなにも小さな男の子が頑張っているのですから、ご褒美をあげないと駄目ですわね」
「甘いものを食べて、元気になってくださいね」
「恐れ入ります」
「アオン!」

 今は冒険者活動中なので、ジェシカさんにもお菓子を食べて貰いました。
 ジェシカさんもずっと助けてくれたので、僕たちもとても助かっています。
 そして、夕方の混雑時も無事に乗り越えることができ、僕達の冒険者ギルドでの治療は完了しました。
 夕食時に今日何をしたかを話したら、ギルバートさんがちょっと考えこみました。

「そういえば、王城でも仕事の疲れで体の不調を訴える者が多いのう。予算をみて、レオ君出張治療をお願いするか」
「治療だったら、僕はどこにでも行きますよ。特に、お世話になった人たちが多いですから」
「レオ君は、本当に心優しいな。直ぐにはできないかもしれないが、チャーリーにも話をしておこう」

 職員が元気になってバリバリ仕事ができるようになれば、きっと国にとっても良い事ですね。
 明日は午前中軍の治療施設で治療を行うので、頑張って治療をしようっと。
 こうして、久々の冒険者ギルド内の治療は無事に終了しました。
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