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1巻

1-3

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「昨日、私達はちょうど近くの街道の巡回をしてたのよ。そうしたら、誰かの叫び声が聞こえてきたの。で、現場に着いたらとんでもない事になっていたわ」
「そうなんですね」
「生き残っていたのはレオ君を含めて六人で、他の五人は全てレオ君の魔法でやられた盗賊だったわ。レオ君が使ったのは、上位魔法の雷魔法だったみたい」

 僕が放ったのは雷魔法だったんだ。でも、無意識とはいえ誰も殺さなくて良かった。盗賊と同じように人を殺すなんて嫌だもん。
 セレンさんの話を聞いた僕は、自分の右手の手のひらをジロジロと眺めていた。

「まあ、レオ君と行商人を襲ったのが残忍で有名なバラス盗賊団だったのもあって、調査部隊は大忙しよ。逆に言うと、レオ君の打ち立てた功績はとっても大きいわ」
「うーん、僕も無我夢中だったので、全く実感が湧かないです」

 セレンお姉さんは僕の言葉を聞いて、ちょっと肩をすくめながら苦笑していた。
 でも僕が倒した相手は、そんなに凄い人だったんだ。

「レオ君は被害者側で唯一生き残った人物ってのもあるから、保護を兼ねてこのまま私達と一緒にいてもらうわ」
「少なくとも、バラス盗賊団の捜査が終わるまではね。ちょっと時間がかかりそうな気もするけど」
「本当はレオ君を両親のもとに返すのも一つの手なんだけど、人身売買の話が出てきたからそれも難しいわ」
「僕も、両親のもとに戻るのは抵抗があります。このまま、お姉さんと一緒にいさせてください」

 セレンお姉さんとナナリーお姉さんとカエラお姉さんの話が終わりました。
 僕は暴力を振るう両親の所には戻りたくないし、何よりもお姉さん達がとても良い人だからこのままここにいたいと心から思いました。

「レオ君には悪いんだけど、まだ色々とやる事あるのよ。この後、私達について来てね」

 セレンお姉さん達は、僕を別の所に連れていくそうです。
 僕はセレンお姉さんに手を引かれながら、女子寮を出ました。


 目的の場所はすぐ近くで、守備隊の事務所のような場所だった。
 僕はセレンお姉さんと手を繋いだまま、そこに入っていった。

「セレンです。入ります」
「お邪魔します」
「おっ、その男の子が例の子だね。ちょっと待ってな」

 僕達がここに来るのが既に伝わっていたのか、事務員さんらしき人は裏に下がってゴソゴソと何かを探してから持ってきた。

「はい、これね。魔力測定器よ」
「ありがとうございます。すぐにやっちゃいますね」

 事務員さんがそう言ってセレンお姉さんに手渡したのは、大きなガラス玉みたいな道具だった。
 セレンお姉さんが謎のガラス玉を持ち、僕はナナリーお姉さんとカエラお姉さんと手を繋いで施設の外に出た。

「これは魔力測定器といって、どんな魔法が使えるかを調べる魔導具なのよ」

 施設前の芝生しばふに皆で座りながら、セレンお姉さんが謎のガラス玉の説明をしてくれた。どんな魔法が使えるか測る魔導具があるなんて、何だか凄いぞ。

「守備隊の試験に合格した人は、全員がこの測定器を使うの」
「魔法使いは数が少ないから、魔法使いを発掘する意味合いもあるのよ」
「で、昔セレンにもこの魔導具を使って、魔法が使える事が分かったのよ」

 僕の場合は、魔法を使える事は確定なので、後はどんな魔法が使えるかを確認するそうです。
 セレンお姉さんが魔法使いなのには、とてもビックリしました。

「じゃあ、早速やってみましょうか。レオ君はこのガラス玉の上に両手を置いて、体の中の魔力を流すイメージをしてみて」
「はい、分かりました。そういえば、確か盗賊に襲われた時、体の中に熱いものが流れた感じがしました」
「その感覚で良いわ。レオ君は、そのまま集中していてね」

 僕はセレンお姉さんのアドバイスを聞きながら、ガラス玉に手を置いて体の中の熱いものをガラス玉に流した。
 ぴかー!
 すると、ガラス玉が何色なんしょくにもとても眩しく光り出した。

「えっ? まさかの全属性?」
「しかも、とんでもない光の強さだわ」
「レオ君って、凄い才能の持ち主なのかもしれないね」

 な、何だかお姉さん達がかなりビックリしている。
 僕の魔法の測定結果はそんなにも凄かったんだ。
 そして、お姉さん達は順番に魔力測定器を操作し始めた。

「うん、間違いない。私は風属性だけだ」
「魔法が使えない私が触れても、何も現れないから故障ではないよ」
「私もよ。となると、レオ君の測定結果は間違いないわね」

 お姉さん達が測定器を囲みながら何やらコソコソと話をしている。ひょっとして壊しちゃったんじゃ。

「も、もしかして、僕が何かしちゃいました?」
「レオ君は悪くないのよ。レオ君の測定結果が凄かったから、念のために確認していただけなのよ」
「そうそう、レオ君は何も問題ないわよ。気にしなくて良いわ」
「むしろ結果を誇って良いのよ。安心して」
「良かった。色々な光が出たから心配になっちゃいました」

 結果は改めて教えてくれるそうなので、キチンと聞くようにしよう。
 とりあえず魔力測定器は使い終わったので、事務の受付に返しに行きます。


「おお、ここにいたか。早速測ったのか?」
「はい、物凄い結果が出ました」

 おや?
 魔力測定器を戻しに受付に帰ると、そこにいたのは事務員の女性じゃなくて、銀髪のスポーツ刈りでとても背の高い男性だった。
 セレンお姉さんと話をしていた男性は、僕の事を見てウンウンと頷いていた。

「おっと、自己紹介がまだだったな。俺はブラッド、このセルカーク直轄領の守備隊長だ」
「隊長さんなんですね。僕はレオです」

 おお、受付にいた男性はまさかの守備隊長さんでした。ビックリです。
 でも、ブラッド隊長さんは何だかとっても優しそうな感じがした。

「そうか、レオか。俺も、セレンから色々と話を聞いていたんだ。元気になったなら何よりだな」
「僕を助けてくれたんですね。ありがとうございます」
「おう」

 ブラッド隊長さんは僕がお礼を言うと、ニカッと笑いながら僕の頭を撫でた。

「隊長、ちょっと話が」
「なんだ? …………おい、それは本当か?」
「はい。どうも間違いないみたいです」

 おや? セレンお姉さんが話しかけたら、ブラッド隊長さんの表情が何だか眉間にシワを寄せる程深刻なものに変わった。何か問題でもあったのかな。

「うーん、ちょっと行商人の荷物を調べるわ。レオ、明日色々と話を聞かせてくれ。なに、レオを両親のもとに返す事はないぞ」

 あ、そっか。僕がどんな経緯で盗賊に出会ったかの確認が守備隊長としても必要だから、その話をしていたんだね。
 大まかにはセレンお姉さんがブラッド隊長さんに伝えてくれたみたいだし、多分大丈夫っぽそうだ。

「レオは、しばらく魔法の勉強でもしてた方が良いな。もし適性があるなら、回復魔法を覚えて怪我人を治してくれるとありがたい」
「分かりました。いっぱい勉強します!」

 そうだ、さっき魔力測定器を使って僕にはたくさんの魔法が使える事が分かったんだ。しばらくはここにいるし、皆のためにお手伝いをしないと。
 事務所でやる事が終わったので、僕達はブラッド隊長さんと別れて女子寮に戻った。


「ちょっと待っててね、今魔法の本を持ってくるから」

 食堂の前に着くと、セレンお姉さんが部屋に戻っていった。どうやら、自分が持っている本を取りに入ったみたいだ。
 僕は、ナナリーお姉さんとカエラお姉さんと一緒に先に食堂に入った。

「魔法の事になると、セレンに頼るしかないからね」
「私達は魔法が使えないから、流石にレオ君のお手伝いはできないわ」

 ナナリーお姉さんとカエラお姉さんは僕に残念そうに話すけど、僕はもう二人のお姉さんに色々お世話をしてもらっています。だから、とっても感謝しています。

「おまたせ。これが初めて魔法を勉強する人用の本だよ」
「本当ですね。初心者魔法使いのための本って書いてあります」

 食堂に入ってきたセレンお姉さんが手に持っているのは、名前からしていかにもってタイトルの本だ。
 すると、セレンお姉さんが僕を見てキョトンとしてしまった。

「レオ君、文字が読めるの?」
「えっ? あっ!」

 セレンお姉さんに指摘されて、僕は僕自身に驚いてしまった。今まで文字を教わった事がないはずの僕が、本の題名を読んでいた。
 これは、一体どういう事なのだろうか?
 すると、セレンお姉さんは僕が文字を読めた事に何か心当たりがあるのか、もしかして、と目を見開いた。

「おそらく、レオ君は魔法に目覚めたから文字が読めるようになったのよ。魔法の力に目覚めると、急に頭が良くなる事があるんだって。レオ君は全ての属性が使えるからとても賢くなったんじゃないかしら」
「えっ、そんな事があるんですね。だから僕は、何も勉強していないのに文字が読めたのか」
「もしかしたら、レオ君が大人びているのも、頭が良くなったのが影響していそうね」

 何で文字が読めたのか全く分からなくて不安になったけど、セレンお姉さんが理由を教えてくれてホッとした。魔法に目覚めると、そんな効果があったんだ。
 お姉さん達の話をすんなり理解できていたのもこのお陰かもしれない。

「じゃあ、早速本を読んでみましょうね。レオ君は文字が読めるから、一緒に読みましょう」
「はい、お願いします」
「「あー! ずるい!」」

 うん、何でか分からないけど、僕はセレンお姉さんに抱っこされながら椅子に座らされた。
 ナナリーお姉さんとカエラお姉さんがセレンお姉さんを指さして叫んでいるけど、セレンお姉さんはなぜかドヤ顔でニヤリとしていた。

「はいはい、さっさと読み進めますよ。えーっと、『魔法には複数の種類があります。火、水、風、土、回復、生活、身体強化がよく見られる属性で、光、雷、闇、聖がレア魔法です』」
「僕は全部の属性が使えるんですよね。こんなにたくさんの属性があるんですね」
「いやはや、レオ君はとんでもない魔法使いだね」
「しかも魔力量も多いから、いっぱい魔法が使えるよ」

 でもいっぱい勉強をしないと、たくさんの属性を使いこなせないよね。頑張って練習しないと。

「『毎日の訓練として、魔力の循環を行いましょう。また、魔法の制御を高める訓練方法もあるので、あわせて行うようにしましょう』ね。レオ君、後で私のいつもの訓練方法を教えてあげるね」

 先輩魔法使いのセレンお姉さんが先生なら、僕も魔法が上手く使える予感がする。きちんと制御できるように、僕も一生懸命訓練しよう。

「魔法はイメージがとても大切です。火をおこすイメージ、風が吹くイメージ、傷が治るイメージ、様々なイメージを頭で思い描いて魔法を扱いましょう。私も風魔法をよく使うけど、バインドとか補助の役割がある魔法も勉強しているわよ」

 セレンお姉さんの言う通り、魔法は考え方次第で何でもできるんだ。
 僕は簡単な魔法を使ってみようかなと思って、ちょっと試してみる事にした。
 えーっと、明るさは控えめにして大きさは手のひらに収まるくらいで。

「明かりの魔法を使ってみます、えい!」

 ぴかー。
 僕が手の上に小さな光の玉をイメージすると、キラキラと光る玉ができた。魔力が消えるイメージをすると、ちゃんと光の玉も消えた。

「そうそう、そんな感じよ」
「レオ君は天才ね」
「凄いわ、もう簡単な魔法を使いこなしているわね」

 お姉さん達も僕の出した光の玉をめてくれたし、こんな感じでイメージの訓練もやってみよう。

「えーっと、次は回復魔法ね。『回復魔法は治療する相手に軽く魔力を流すと、どこが悪いかが分かります』。へえ、そんな事も分かるんだ」
「うーん。でも、お姉さん達はどこも悪くないようですね。何も反応しませんでした」
「どこも悪くないのは、良い事だとしておきましょう」
「そうね、健康が一番ね」

 試しに三人のお姉さん達に魔力を流してみたけど、何も反応がなかった。
 こればかりは、怪我人が相手じゃないと難しいかもしれない。
 そんな事を思っていたら、セレンお姉さんを呼ぶ声が聞こえてきた。

「セレン、ちょっと手伝って。模擬戦で怪我人が出たのよ。玄関に運んできたわ」
「あら、タイミングが良いのか悪いのか。レオ君、行ってみましょう」

 女性が、食堂のドアを開けてセレンお姉さんを呼んでいた。怪我人が出ちゃったって言ってるけど大丈夫かな。
 僕も、セレンお姉さんや他のお姉さんの後をついていきながら玄関に向かった。


     ◇ ◇ ◇


「いたたた」
「あらら、これは派手にやっちゃったね」
「そうなのよ。回避のタイミングを誤って、腕で剣を受けちゃったのよ。鎧の上からだったから骨まではいっていないみたいだけど、かなりれちゃってね」

 左腕を痛そうに押さえている栗毛の女性の事を、茶髪の付き添いの人が説明してくれました。これは見ただけでもかなり痛そうだ。
 腕を怪我した女性は、脂汗を浮かべて痛みで顔を歪めています。

「レオ君、さっきの感じでやってみてね」

 シュイーン。
 僕はセレンお姉さんに呼ばれて、怪我をした女性の体に軽く魔力を流してみた。
 おや? 怪我をした左腕はもちろんだけど、別の場所にも反応がある。

「お姉さん、左腕だけじゃなくてお腹も悪いみたいですよ」
「あー、昨日夕食を食べすぎたかも。朝、お腹が痛かったんだよね」
「そうなんですね。じゃあ、回復魔法で一緒に治しますね」

 ぴかー!
 お姉さんの怪我が良くなるように、僕は集中しながら回復魔法をかけた。
 ちょっと疲れちゃったけど、何とか上手くいったみたい。もう一度お姉さんに軽く魔力を流して確認したけど、悪いところはなくなっていた。

「お姉さん、もう大丈夫ですよ」
「凄いわ、教会の治療なんか必要ないくらい効果があるわ」

 栗毛のお姉さんは、びっくりしながらも僕の頭を撫でていました。

「うんうん、流石はレオ君ね」
「ついでにお腹も治してもらって良かったわね」
「これに懲りて、食べすぎないようにね」

 ちなみにナナリーお姉さんとカエラお姉さんの忠告はスルーしていたので、またお腹いっぱいになるまでご飯を食べちゃいそうだ。

「レオ君、悪いんだけど練習場に来てもらえないかな? 他にも怪我人がいるのよ」
「僕は大丈夫ですけど。セレンお姉さん、どうしますか?」
「無理をしない範囲なら良いんじゃないかな。一つの属性を訓練しても、他の属性も上達するのよ」

 セレンさんの言葉を聞いて、茶髪のお姉さんの提案を僕は受ける事にした。魔法訓練の良い機会だし、怪我人が治ると何だかホッとします。


 僕は、お姉さん達と一緒に訓練場に向かいました。訓練場は石畳になっていて、今は多くの人が休憩をしていた。
 そんな中、タオルで汗を拭っているもしゃもしゃの髪の男性が僕達に声をかけてきた。

「あれ? お前怪我したんじゃないか?」
「ふふーん、レオ君が魔法で治してくれたのよ。教会の治癒師なんか足元にも及ばない効果だったわ」
「おお、女子寮で保護している坊主か。回復魔法が使えるのかよ」

 あ、栗毛のお姉さんともしゃもしゃヘアのお兄さんの話を聞いた他の人も、どんどんこちらに集まってきたぞ。
 な、なぜかこの場にいる全員が僕の事をジロジロと見ているよ。

「ほらほら、レオ君が怯えてるよ。順番に治療するから並んで」
「よっしゃ、最初は俺からだな」

 今度は筋肉ムキムキマッチョのスキンヘッドの男性が、僕の前に立ちました。
 シュイーン。
 僕は男性に軽く魔法を流します。

「えーっと、両ひじと背中が悪いみたいです。あと、両方の足の指も悪いみたいですよ」
「水虫ね」
「水虫だわ」
「水虫だな」
「水虫で間違いないな」
「おい、お前ら。揃いも揃って、水虫を連呼するな!」

 訓練場にいた多くの人に言われて、スキンヘッドの男性が叫んでいました。
 でも、怪我をしているのは間違いないから治療しないと。
 ぴかー。
 僕は一生懸命回復魔法をスキンヘッドの人にかけたけど、どうしても足の指が良くならなかった。

「ごめんなさい。肘と背中は治ったんですけど、今の僕では足の指が完全には治せません」
「ははは、お前の水虫ってどんだけ凄いんだよ」
「いーひひひひ。骨折寸前の怪我を治す腕前でも、お前の水虫は治せないとはな」
「ぐははは、笑いすぎでお腹痛い!」
「だーかーらー、お前ら水虫水虫言うな!」

 うう、今の僕の技量だと水虫は少し良くなるけど治せないみたい。
 周りの人はスキンヘッドの男性を指さして大爆笑していたけど、僕としてはちょっと悔しいよ。

「ほらほら、昼食まで時間ないからちゃっちゃとやるわよ」
「じゃあ、次は私をお願いね」

 こうして僕は、昼食までに六人の守備隊員の治療を終えました。まだまだいっぱい訓練しなくちゃと、僕は決心します。
 目指せ、水虫も治せる治癒師!


 訓練場から女子寮に戻ってセレンお姉さん達と食堂で昼食をとっていたら、僕の周りにたくさんのお姉さんが集まってきた。

「本当に黒髪なんだ。瞳も黒っぽいね」
「ちっちゃくて、とても可愛いわ」
「まるで女の子みたいね」
「それなのに、凄い魔法使いなんだね」

 僕の容姿や魔法の事が話題となり、お姉さんは僕に色々と話しかけてきて僕の頭をなでなでしてくる人もいます。
 でも、今の僕はそれどころではありません。
 こっくり、こっくり。
 午前中魔法をたくさん使ったからなのか、昼食をとったらとっても眠くなってしまった。
 もう、周りのお姉さんの話もうつらうつらとしながら聞いていた。
 あっ、もう駄目だ。
 ぽす、ぷにっ。
 僕は、隣の席にいるナナリーお姉さんの大きなお胸に寄りかかってしまった。

「ナナリーお姉さん、ごめんなさい。もう、眠気が限界です……」
「レオ君、気にしなくて良いのよ。ゆっくり休みなさいね」
「はい、ありがとう、ごさい、ま……」

 そして僕は、ナナリーお姉さんに抱きしめられながら夢の世界へいってしまった。

「くぅ、胸の差か。レオ君は、私ではなく胸の大きい方にいったのか」
「ナナリー、ズルい。胸の大きさなら、私も負けていないのに」
「ふふーん。ここは、母性の差で勝ち取った勝利よ。さて、レオ君をギュッとしながら抱っこして優しくベッドに寝かせて、頭をなでなでしてほっぺをぷにぷにしてこようっと」
「「「ナナリー、ズルい!」」」

 僕が寝てしまった後で、こんなやりとりがあったとかなかったとか。


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