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1巻
1-1
しおりを挟むプロローグ
「では、確かに十万ゴールドですよ」
「おう」
寂れた田舎町。交通の便の悪さに加えて若者の流出が止まらない、荒廃した死にゆく小さな村。
そんな村の一角にある小さな家の前で、恰幅の良い行商人が身なりの悪い中年男性にお金の入った袋を手渡した。中年男性の横には同じく身なりの悪い中年女性がおり、袋を開けて中に入ったお金を見るとニヤリと歪な笑みを浮かべた。
そして、ニコニコと作り笑いをした行商人の隣には赤い短髪の護衛がいた。行商人の護衛は他にも何人かいたが、小さな男の子の肩を掴んで動けないようにしている。
男の子は黒髪のボサボサ頭で、とても小さく酷く痩せ細っていた。
「いやあ、こちらとしても良い買い物ができました。希少な天然の黒髪を持つ者を購入できるとは」
行商人は、揉み手をしながら中年男女に話しかけていた。
行商人は黒髪を持つ者を購入した。
そう、行商人は護衛に押えつけられている黒髪の男の子を購入したのだ。
この世界では、人身売買は基本的に禁止されている。特に子どもを扱う事は厳禁だ。
しかし、貧しい村では金を得るために子どもを売る慣習が残っていた。まさに黒髪の男の子は、今両親によって行商人に売られたところだった。
そして、中年男女は黒髪の男の子にニタニタと薄ら笑いを浮かべながら、とんでもない事を叫んだ。
「へへへ、お前はもう用なしだ。俺らの金に替わるだけありがたいと思え!」
「ふふふ。あんたの顔を見なくて済むなんて、本当にせいせいするわ」
「そ、そんな。お父さん、お母さん……」
男の子の両親は人の親としてあるまじき言葉を男の子に向けて放つが、この村の住人は誰も止めなかった。
この両親と関わりたくないとの思いなのか、全ての家の扉が閉じられていた。男の子は自身の身に起きた絶望に、思わずペタリと座り込んでしまった。
「よっと」
「……」
行商人の護衛は、男の子を馬車の荷台に乗せるために担ぎ上げた。男の子はとても軽く、難なく馬車に乗せられた。
男の子はショックから立ち直れず、いまだに黙り込んでいた。
パタン。
そして、男の子が生活していた小さな家の扉が閉まった。もちろん、両親であった中年男女が家の扉を閉めたためだ。既に中年男女の関心は手元にあるお金に移っていて、男の子の事などどうでも良かった。
「よし、出発するぞ」
「おう」
行商人も、護衛と共にさっさと馬車に乗り込んだ。彼らは、思わぬ商品を手に入れてご機嫌だった。
「ダンナ、大丈夫かい? 貴重な黒髪の坊主をこんなはした金で買って」
「良いんだ。どうせ奴らは酒を買う金が欲しかっただけだ。それに、もうこの村に来る事はないし、他の商人もこの村に来ない。人身売買の相場なんて、この村の住人が知る由もないさ」
「はは、流石はダンナだ。頭が切れるようで」
「ふふふ、商売は頭でやるもんだよ。珍しい黒髪の持ち主なら、最低でも一千万ゴールドからだろうな」
カラカラカラ。
馬車は足早に村を出ていった。
行商人と護衛は相場よりもかなり安い金額で男の子を購入できて、笑いが止まらなかった。
過疎の村だからこそ、ボロ儲けができたと思ったのだろう。
「……」
一方で、男の子は遠ざかっていく村を荷台からただ眺めていた。いまだに頭の中の整理ができておらず、自分の置かれた状況も理解できなかった。
カラカラカラ。
馬車が村を出て数分もすれば、街道から村は全く見えなくなった。それでも男の子は、ずっと村のあった方角をぼんやりと見つめていた。
暖かい春の陽射しが降り注ぐこの日は、男の子がこの世に生を受けてちょうど四歳になった誕生日だった。
しかしながら、男の子はその誕生日に両親によって売られてしまったのだった。
一章 両親に売られた男の子
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
魔法が存在し様々な魔導具も生産され、それらが人々の生活を支えていた。また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動していた。
この世界の一部では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けていた。戦争を行う理由は様々ながら長年戦争をしては停戦を繰り返し、今は辛うじて平和な時が訪れていた。
そして、そんなシェルフィード王国の片田舎に、僕――レオが生まれた。
荒廃が進む田舎だが、父親の両親がそこそこの遺産を残していたため、僕の父親と母親は働く事なく生活していた。
しかし、僕が生まれた事は両親にとっては予想外だったらしい。元々両親は子どもを作る事を考えていなかったのだが、酔っぱらった父親が同じく酔っぱらった母親と情事を起こした結果、僕が誕生した。
僕が誕生して以降、父親はアルコール依存症になった。母親は育児ノイローゼになり、僕が二歳の頃にはアルコールが手放せなくなった。両親は日中もお酒を飲むようになり、一気にお金の浪費が激しくなった。
「お前が生まれたから俺達はおかしくなった」
両親は、僕に向かって暴力を振るいながらそんな事を度々口にしていた。
僕は何で殴られなければならないのだろうか、その理由が本当に分からなかった。僕は殴ってくる両親に向かって、ごめんなさいごめんなさいと繰り返し言っていた。
そして家の中が荒れ果てていく中、僕が四歳を迎える前に遂に資産が尽きた。
お酒を買えなくなり困ってしまった両親は、たまたま村に訪れていた行商人に僕を売ろうとした。
この行商人は、シェルフィード王国で禁止されていた違法奴隷を扱っていた。そして行商人は僕をジロジロと見るなり、僕を売りたいという両親の申し出を快諾した。
後で馬車の中での行商人と護衛の話を聞いて分かったのだけど、僕はこの世界ではとても珍しい黒色の髪をしているらしい。今まで鏡などで自分の顔を見た事がなかった僕は、自分の髪がどんな色をしているかすら分からなかった。
でも、僕の立場では何も言えない。というか、ほとんど何かを言う間もなく色々と決まってしまった。こうして、僕は絶望感に包まれたままあっという間に行商人に売られてしまった。
僕は馬車の中から遠ざかっていく村の様子をぼんやりと眺めていたらしいけど、その事をよく覚えていなかった。
そして、僕を乗せた馬車は街道をどんどんと進んでいく。正直なところ、僕は馬車に乗っている間の事をぼんやりとしか覚えていなかった。これから僕はどうなっちゃうんだろうと、ずーっとぐるぐると考えていた。
ただ覚えていたのは、家で食べていたご飯よりもずっと美味しいご飯が出てきた事だった。
いつも僕は両親の食べ残しを与えられただけでキチンと食事を食べていなかったので、とても嬉しかった。ちなみに馬車の中で行商人と護衛が何かを話していたけど、僕には難しい話だったので理解できなかった。
僕が村を出てから五日目、街道を進んでいた馬車をアクシデントが襲った。
それは、昼食を食べるために一旦街道の端に馬車を止めて皆で休んでいる時だった。
「ほら坊主、パンでも食べろ」
「うん」
「ったく、こんな安っぽいパンを美味しそうに食べるなんてな」
僕は横倒しになっている木に座りながら、行商人の護衛である青い髪をオールバックにしている剣士からパンを貰ってもぞもぞと食べていた。
僕の横では、他の護衛である赤い短髪の人とスキンヘッドの大柄な人、恰幅の良い行商人が馬車と馬を見ながら話をしていた。
「あと半日もあれば、セルカーク直轄領に着くな」
「ああ。坊主はそこでは売らないけど、ちょっとした上客と話す事があるんだよ」
「また儲け話か? ダンナは頭が切れるな」
「ははは、今回は儲け話をするんじゃないんだよ。でも、話を聞くのも大事な仕事だ」
おそらく商売の話をしているんだと思うけど、僕にはいまいちよく分からなかった。でも、次の街までは半日で着くんだと思った。
そしてパンを食べ終わって、荷馬車に乗ろうと木から立ち上がって、ぱんぱんとお尻をはたいた時だった。
しゅっ、グサッ!
「ギャー!」
「くそ、襲撃か」
「荷を守るぞ、すぐに出発だ!」
突然行商人の護衛である、スキンヘッドの男の足に矢が刺さったのだ。スキンヘッドは痛みに呻いて、地面に転がりながら矢の刺さった足を抱えていた。
他の護衛は、行商人を守るように剣を抜いて森の方に視線を向けていた。そして行商人と共に、馬車を出発させようと急いで乗り込もうとしていた。
一方、僕はというと、咄嗟に頭を抱えながらしゃがみ込んだ。結果的に、僕の取った行動は正解だった。
しゅしゅしゅ!
グサッ、グサッ、グサッ!
「うおっ」
「ぐあー!」
「痛い痛い痛い!」
「えっ、あっ」
森からさらに複数の矢が飛んできて、行商人と護衛に突き刺さったのだ。
よく見ると、最初に矢を受けたスキンヘッドの頭にも複数の矢が刺さっていて、スキンヘッドは全く動かなくなっていた。
僕は行商人と護衛の上げた悲鳴に一瞬顔をそちらに向けたけど、スキンヘッドの惨状を見てまたもや視線を下げて目をつぶった。
「「ヒヒーン!」」
「ぐあ、暴れるな、暴れるな!」
さらには荷馬車をひいていた二頭の馬にも矢が刺さったらしく、馬は痛みのあまり大暴れしていた。咄嗟に赤い短髪の護衛が馬をどうにかしようとしたけど、全く手に負えなかった。
ガサガサガサ。
「おーおー、今回は当たりっぽいぞ」
「そうだな、中々の上客だな」
「へへへ。すぐに殺してしまって、さっさと獲物を奪って帰るか」
僕が音のした方を振り返ると、森の中から五人の男が現れた。
全員が手に剣を持ち、何か良いものを見つけたようなニタニタとした不気味な笑みを浮かべている。
僕は咄嗟に馬車の陰に隠れて、森から出てきた男達の様子を窺っていた。
「ぐ、くそ。その緑色の短髪、バラス盗賊団の者か?」
「おっと、俺達の名前を知っているとは。お前は中々物知りだな」
「はは、この辺りでバラス盗賊団を知らない奴はいないさ」
赤い短髪の行商人の護衛は、森から出てきた男達の事を知っているみたいだった。赤い短髪の護衛は、矢を受け汗だくになりながら緑色の短髪の男を睨みつけている。
緑色の短髪の男は関心したように腕を組んでいた。
「うわ、うわ、うわうわうわうわー!」
「おい、よせ。焦るな! 止まれ!」
と、ここで青いオールバックの男が、大剣を手にして緑色の髪の男のもとに突然走っていった。青いオールバックの男の表情は、目を血走らせたりよだれを飛ばしたりしていて、とってもヤバい事になっていた。
赤い短髪の男が青いオールバックの男を止めようとして叫ぶけど、その声は全く聞こえていないようだった。
「はあ、頭がおかしくなった馬鹿がいるよ。やっちまえ」
「はいはい。そういう馬鹿には、キツいお仕置きが必要だな」
「うわーーーー!」
緑色の短髪の男がため息をつきながら、隣にいた暗めの茶髪のロングヘアの男に指示を出した。
そして、茶髪のロングヘアの男が右手を上げると、突如として男の顔の大きさくらいの火の玉が出来上がった。
「そらよ」
しゅ、ぼっ。
ボーーー!
茶髪のロングヘアの男が火の玉を投げると、青いオールバックの男に直撃して一気に燃え広がった。
「ぎゃーーーー!」
「がはは、馬鹿はよく燃えるなあ」
青いオールバックの男は悲鳴を上げながら地面を転がっていたけど、やがて真っ黒焦げになって動かなくなった。
そんな青いオールバックの男の様子を見て、茶髪のロングヘアの男はお腹を抱えて大笑いしていた。
こんな状況で笑えるなんて、この茶髪のロングヘアの男は誰がどう見たって頭がおかしいよ。
「さて、こちらも時間がないのでな。さっさと片付けさせてもらうぞ」
「ちっ、俺もただでは終わらないぞ!」
赤い短髪の護衛が剣を手にして、緑色の短髪の男目がけて走り出した。
だが、緑色の短髪の男の前に緑色のツンツン頭の男が、短剣を手にして立ち塞がった。
「せい、やあ!」
「ぐっ、中々やるな。だが、傷だらけの体ではもう限界だな」
緑色のツンツン頭の言う通り、赤い短髪の男は体に何本もの矢を受けていて出血も多い。最初は赤い短髪の男が緑色のツンツン頭の男を押していたけど、すぐに動きが悪くなった。
どしゅ。
そして、隙をついた緑色のツンツン頭の男が、ニヤリとしながら赤い短髪の男の胸に短剣を突き刺した。
「ぐぶぅ……」
「まあ、良くやったよ。雑魚にしてはな」
バタン。
赤い短髪の男は、口から血を吐きながら地面に倒れて動かなくなった。
緑色のツンツン頭の男が、それをニヤリとしながら見下していた。
どさ。
この惨状に馬車の物陰に隠れていた行商人が、腰を抜かして尻もちをついてしまった。
「ひっ、ひいいい!」
行商人は全身が震えてかなり怯えた表情をしているが、護衛が全て死んでしまってどうしようもなくなっていた。
「ほら、お前はこっちに来るんだよ」
「へあー!」
緑色のツンツン頭の男が、面倒くさそうに行商人の襟首を掴んで引きずってきた。行商人は、わけの分からない言葉を発しながら手をバタバタとさせていた。
ぽい、ドサッ。
行商人は緑色のツンツン頭の男に投げ捨てられ、仰向けに転がった。
「はぐっ、はあああ……」
「ははは、醜い格好だな」
地面に転がった行商人を見て、茶髪のロングヘアの男が高笑いした。怯えた顔をした行商人は、失禁をしたのかズボンが濡れていて、全身の震えが止まらなくなっていた。
「あの赤い髪の護衛は、腕はまあまあ良かったなあ。まあお前らは、俺らに目をつけられた時点で終わりって事だ」
「ひぃぃぃぃぃーーー!」
あの茶髪のロングヘアの男がまたもや手に火の玉を出しながら、にやにやとして喋っていた。行商人は真っ青な顔をしながら、声の限りに叫んでいた。
しかし、それもすぐに終わってしまった。
ぽい、ボワッ!
茶髪のロングヘアの男は、ニタニタしながら行商人目がけて火の玉を投げつけた。
行商人は、なすすべなく燃え上がっていった。
「ぎゃーーーーーーーー!」
「ははは、肥えた豚はよく叫ぶなあ」
茶髪のロングヘアの男は、火だるまになった行商人の断末魔の叫びを聞きながら笑っていた。そして行商人は脂の焼け焦げた嫌な臭いを放ちながら、真っ黒焦げになって動かなくなった。
「さて、っと」
ジロ。
びくん。
あの緑色のツンツン頭が、僕が隠れている馬車の物陰の方をジロリと見てきた。
僕は、体がびくんと跳ね上がった。
たっ、たっ、たっ。
あの緑色のツンツン頭が、僕のいる場所に近づいてきた。
ど、どうしよう。
心臓がバクバクいって、全然落ち着かない。
ざっ。
「おい、そこのガキ。隠れているのは分かっているんだ。出てこい!」
ドキンドキンドキンドキン。
み、見つかった。
いや、とっくに見つかっていたのか。
あの緑色のツンツン頭の大声を聞いた僕は、体が震えてきてしまった。
に、逃げなきゃ。逃げないと、僕も殺されてしまう。
だっ。
「はあはあはあはあ」
「ははは、追いかけっこか? 相手してやるぞ」
僕は、何とかしようと思い切って走り出した。とにかく逃げなきゃと思って、僕なりの全力で走った。
僕の背後からあの緑色のツンツン頭の声が聞こえてくるけど、今の僕にはそんな事を気にする余裕はなかった。
「はあはあはあはあ。うぐっ、はあはあはあはあ」
「頑張れー、頑張って走らないと捕まっちゃうぞ。あははは」
笑い声が僕の背後から聞こえてくる中、僕は一生懸命に走った。
でも、もう息が上がって胸が苦しくて、体は限界を迎えていた。
それもそのはず、まともに食事をしていないので体力が全くなかったのだ。
「はあはあはあ、あっ」
こけっ、ずさー。
い、痛い、痛い。
足がもつれて転んでしまった。
で、でも、頑張って逃げないと。
「ははは、残念だったな。追いかけっこは、もう終わりだよっ、と」
ぶおん、バシン!
「ギャン」
ドン!
「があ!」
僕は強烈な痛みを二回感じて、意識が朦朧としてしまった。
一回目の衝撃は右の脇腹に、二回目の衝撃は頭に受けた。
「はは、可哀想に。そんなに思いっきり蹴らなくても良かったのでは? ついでに木にも頭をぶつけてるぞ」
「ああ、蹴ったらガキがそこにいただけだよ。木にぶつかったのもたまたまだよ」
僕の意識が朦朧としている中、周りで何かを言っている声が聞こえてきた。でも、僕はそれどころではなかった。
ドクン、ドクン、ドクン。
頭の中に何かが流れてきて、心臓がやけに落ち着きながらも力強い鼓動をしていた。体の中からも何か熱いものが流れてきて、それが全身をくまなく駆け巡った。
そして、熱いものが僕の右手に集まった。
よろっ。
「お、何だ何だ? もう一度追いかけっこするのか? はは、もう追いかけっこは終わりだぞ」
「……」
僕は、意識が朦朧とした状態で立ち上がった。
目の前の男が僕に向かって何かを喋っているけど、今の僕にとってはどうでも良かった。
僕は無意識の中で、男に向けて右手を伸ばしていた。
ドクン、ドクン、ドクン。
僕は頭がボーッとしながらも、体中から右手に熱いものを集めた。なぜかは分からないけど、右手に集めたものを使えば何とかなると確信していた。
キュイーン。
不意に、僕の足元に魔法陣が展開した。
「うん? 何だ何だ? これは魔法陣か」
目の前にいる緑色のツンツン頭の男が何かを言っているけど、僕の意識は男をどうにかする事に傾いていた。
ズドーン。
そして僕は、右手に集まった熱いものを緑色のツンツン頭の男目がけて放った。
ドカーン!
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