71 / 697
第六章 バーボルド伯爵領
第三百七十四話 訓練場の地面を均します
しおりを挟む
マイスター師団長さんはこの後もお仕事があるそうなのですが、とある依頼を受ける事になりました。
師団長執務室から窓の下を覗くと、広々とした土の訓練場がありました。
「ここは通常訓練を行う訓練場だ。でも、最近ボコボコになってきたので平らにして欲しいのだよ」
「それくらいでしたら、直ぐにできますよ。土の固さの指定もあれば、それに合わせてできます」
「おっ、それは助かる。報酬は、後ほど纏めて払おう」
そのくらいなら、サンダーランド辺境伯領へ通じる街道の土砂崩れを直した時もやっているし、全然問題ありません。
マイスター師団長さんとは執務室で別れて、僕はネストさんと何人かの軍人さんと共に事務棟から訓練場に降りて向かいました。
「うわあ、改めて下から見るととっても広いですね!」
「ここは行軍訓練も行うので、とても広く作られています。本日午後は、何も予定しておりません」
付き添ってくれた軍人さんが説明してくれたけど、縦横が二百メートル以上あるんじゃないかな。
小さな村が入っちゃいそうなくらい、とっても広い訓練場です。
まずは、どのくらいの固さにするのかを確認しないといけないので、一メートル四方の土を魔法で均していきます。
シュイーン、ぴかー!
「えっと、土の固さはどうですか?」
「うーん、そうですね。もう少し固めで良いですか?」
「私も、もう少し固いほうが良いと感じました」
ふむふむ、街道の土をイメージしたけど、もう少し固い方が良いんだ。
こういうのはキッチリとした固さにした方が良いよね。
ではでは、土をもう少し固くしてみましょう。
シュイーン、ぴかー!
「もう少し固くしてみました。まだ微妙可能です」
「そうですね。もう少しだけ固めの方が良いと思います」
「ほんの少しだけ固くして貰えれば」
おっ、今度はいい感じって軍人さんが言ってくれた。
さっきよりも、ほんの少しだけ固くしてっと。
シュイーン、ぴかー!
「これでどうでしょうか?」
「私はちょうど良いと感じました」
「私もです。これでお願いします」
土の固さはオッケーを貰ったので、今度は土を均す範囲を確認していきます。
僕は、地面に手を着いて土を均す範囲を示す光を発現させました。
シュインシュイン、ぴかー。
「えーっと、土を均す範囲を指定しました。こんな感じで良いですか?」
「か、確認します」
「ちょっと待っていて下さい」
軍人さんが光の範囲を確認する為に、走って確認しに行きました。
凄いなあ、あんなに早く走れるんだ。
僕とシロちゃんは、身体能力強化の魔法を使わないと駄目なんだよね。
そして、ぐるっと走ってきた軍人さんが戻ってきました。
「はあはあ、大丈夫です」
「ふうふう、やってください」
大丈夫ってオッケーを貰ったので、僕は溜めていた魔力を一気に解放しました。
「じゃあ、いきますね」
シュインシュインシュイン、ズゴゴゴゴゴ!
「な、何だこの魔法は!」
「一瞬にして、地面が均されていくぞ」
僕の周りに大量の魔法陣が現れたのと同時に、一気に地面が均されていきます。
事前に念入りに確認したので、派手な魔法に見えてそこまで魔力を使っていないんだよね。
一分もかからずに、訓練場の全ての土を均し終えました。
「な、何だ? あれは魔法か?」
「反則的な魔法だぞ」
「も、もしかして、あそこにいる小さな子が黒髪の魔術師なのか?」
何だろうと訓練場の方を見ていた人も、僕が使った魔法を見てビックリをしていました。
これで、マイスター師団長さんからの最初の依頼はこれで終わりですね。
ここで、黙って腕を組んで成り行きを見守っていたネストさんが豪快に笑い始めました。
「ははは、これが黒髪の魔術師の魔法か。しかも、ただ魔法を放つだけでなくキッチリと確認もするとは。幼いのに、中々できない配慮だ」
ネストさん的には、僕がキッチリと下準備をして魔法を使ったのが好印象みたいです。
やっぱり出来る人って、そういうところもちゃんと見ているんだね。
師団長執務室から窓の下を覗くと、広々とした土の訓練場がありました。
「ここは通常訓練を行う訓練場だ。でも、最近ボコボコになってきたので平らにして欲しいのだよ」
「それくらいでしたら、直ぐにできますよ。土の固さの指定もあれば、それに合わせてできます」
「おっ、それは助かる。報酬は、後ほど纏めて払おう」
そのくらいなら、サンダーランド辺境伯領へ通じる街道の土砂崩れを直した時もやっているし、全然問題ありません。
マイスター師団長さんとは執務室で別れて、僕はネストさんと何人かの軍人さんと共に事務棟から訓練場に降りて向かいました。
「うわあ、改めて下から見るととっても広いですね!」
「ここは行軍訓練も行うので、とても広く作られています。本日午後は、何も予定しておりません」
付き添ってくれた軍人さんが説明してくれたけど、縦横が二百メートル以上あるんじゃないかな。
小さな村が入っちゃいそうなくらい、とっても広い訓練場です。
まずは、どのくらいの固さにするのかを確認しないといけないので、一メートル四方の土を魔法で均していきます。
シュイーン、ぴかー!
「えっと、土の固さはどうですか?」
「うーん、そうですね。もう少し固めで良いですか?」
「私も、もう少し固いほうが良いと感じました」
ふむふむ、街道の土をイメージしたけど、もう少し固い方が良いんだ。
こういうのはキッチリとした固さにした方が良いよね。
ではでは、土をもう少し固くしてみましょう。
シュイーン、ぴかー!
「もう少し固くしてみました。まだ微妙可能です」
「そうですね。もう少しだけ固めの方が良いと思います」
「ほんの少しだけ固くして貰えれば」
おっ、今度はいい感じって軍人さんが言ってくれた。
さっきよりも、ほんの少しだけ固くしてっと。
シュイーン、ぴかー!
「これでどうでしょうか?」
「私はちょうど良いと感じました」
「私もです。これでお願いします」
土の固さはオッケーを貰ったので、今度は土を均す範囲を確認していきます。
僕は、地面に手を着いて土を均す範囲を示す光を発現させました。
シュインシュイン、ぴかー。
「えーっと、土を均す範囲を指定しました。こんな感じで良いですか?」
「か、確認します」
「ちょっと待っていて下さい」
軍人さんが光の範囲を確認する為に、走って確認しに行きました。
凄いなあ、あんなに早く走れるんだ。
僕とシロちゃんは、身体能力強化の魔法を使わないと駄目なんだよね。
そして、ぐるっと走ってきた軍人さんが戻ってきました。
「はあはあ、大丈夫です」
「ふうふう、やってください」
大丈夫ってオッケーを貰ったので、僕は溜めていた魔力を一気に解放しました。
「じゃあ、いきますね」
シュインシュインシュイン、ズゴゴゴゴゴ!
「な、何だこの魔法は!」
「一瞬にして、地面が均されていくぞ」
僕の周りに大量の魔法陣が現れたのと同時に、一気に地面が均されていきます。
事前に念入りに確認したので、派手な魔法に見えてそこまで魔力を使っていないんだよね。
一分もかからずに、訓練場の全ての土を均し終えました。
「な、何だ? あれは魔法か?」
「反則的な魔法だぞ」
「も、もしかして、あそこにいる小さな子が黒髪の魔術師なのか?」
何だろうと訓練場の方を見ていた人も、僕が使った魔法を見てビックリをしていました。
これで、マイスター師団長さんからの最初の依頼はこれで終わりですね。
ここで、黙って腕を組んで成り行きを見守っていたネストさんが豪快に笑い始めました。
「ははは、これが黒髪の魔術師の魔法か。しかも、ただ魔法を放つだけでなくキッチリと確認もするとは。幼いのに、中々できない配慮だ」
ネストさん的には、僕がキッチリと下準備をして魔法を使ったのが好印象みたいです。
やっぱり出来る人って、そういうところもちゃんと見ているんだね。
1,906
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。