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第二十七章 ちびっ子たちの冒険者デビュー

八百十七話 この後と明日の役割分担

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 夕方まで炊き出しと治療は進み、ジンさん達巡回班も戻ってきました。
 僕達は再び応接室に集まって、これからの事を話します。
 王城での聴取結果も報告されるそうなので、軍務卿も王城から呼び寄せました。
 まずは、明日の炊き出しと治療の方針を話し合います。

「エマとオリビアは、明日も炊き出しを手伝ってくれ。朝のうちに、必要な食料を用意しておく」
「任せて、どんどんと作っちゃうよ」
「使用人の調子が戻るのはまだかかりますし、人々の為にも頑張らないと」

 辺境伯領様が、引き続きエマさんとオリビアさんをサギー男爵領に派遣してくれる事になりました。
 他にも炊き出しの手は増えるらしいので、ここはお任せします。

「ミカエルとブリットは、アレクサさんと一緒に治療を行ってね」
「「頑張るぞ!」」

 治療が必要な人はまだまだいるので、ミカエルとブリットは引き続き治療班です。
 でもアレクサさんがいるとはいえ、もう少し護衛が欲しいなあ。
 すると、ミカエルがとある助っ人を呼ぼうとしました。

「クマちゃんなら、とっても強いよ!」
「あのクマなら、勝手に人を襲う事もないね」
「後で、スラちゃんにお願いするよ」

 ちびっ子軍団とお友達のクマなら、大抵のならず者では相手にならないだろう。
 スラちゃんも、了解して触手をふりふりとしていました。
 これで、炊き出しと治療は大丈夫ですね。
 さて、ここからが本番です。
 闇ギルド関係者だけ、応接室に残ります。
 最初に、軍務卿がジンさん達が捕まえた闇ギルド構成員の尋問結果を伝えます。

「結論から言うと、複数人が同じ怪しい場所を吐いた。王妃様自ら尋問したから、恐らく間違いないだろう」

 うわー、王妃様の尋問を受けて落ちた人なんていないからなあ。
 尋問を受けた闇ギルドの構成員は、真っ白に燃え尽きていそうだけど。
 ともかく、怪しい場所が見つかったのは上々です。

「場所は、サギー伯爵領とサギー男爵領の領地境にある廃村だという。さっきスラちゃんに偵察に行ってもらったが、何かがあるのは間違いないそうだ」

 スラちゃんが何かあると言うのなら、その廃村に何かあるのは間違いありません。
 となると、後は誰が突入するかですね。
 間違いなく、精鋭部隊で行かないと駄目です。

「私も現地に行くが、現場指揮官はジンとティナ様だな。戦力的に、どうしてもレイナ達とアレク君達は必要だ。後は、スラちゃんもそうだけどマジカルラット部隊で奴らの拠点を調べる必要がある」

 大体いつものメンバーですね。
 ここに近衛騎士と軍も合流するけど、主に対応するのは僕達です。
 そして既にスラちゃんが現地に偵察に行っているので、そのままゲートでも長距離転移でも突入できます。

「軍の選抜は済んでいる。問題なければ、五分後に現地に出発するぞ」
「「「おー!」」」

 軍務卿の呼びかけに、みんな元気よく拳を突き上げていました。
 何人かトイレに行くそうなので、僕は今のうちに武器を装備します。

「軍務卿、生け捕りが基本ですか?」
「いや、今回は生死を問わずだ。特にドクターがいる可能性があるので、手加減は難しいだろう」

 ティナおばあさまの剣を余裕で防いでいたから、ドクターはやっぱりかなり強そうだ。
 見た目は、白衣を着た研究者スタイルなのにね。
 今回は、ドクターに逃げられないように先手で攻撃しないと。
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