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第二十五章 新たな脅威?

七百四十九話 調査部隊結成決定

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 ジンさんたちの調査が続く中、僕たちも軍と内務部局を中心として情報収集にあたっています。
 因みに、まだゴーサインが出ていないので屋敷へのスラちゃん部隊の投入は行なっていません。
 そんな中、財務卿から僕と宰相に話がありました。
 財務卿は職員も連れて来たので、お茶菓子を出しながら話を聞きます。

「例のブランデー子爵の件なのですが、税金はキチンと納めているのですが領内では最高税率で領民より税を集めている様です。まあ、これ自体は税率の範囲以内なので問題ないと言えばそうなのですが……」
「うーん、確かブランデー子爵領で十年前に河川の氾濫があって税を一部免除しているはず。私も携わった件なので、この事は良く知っている」
「はい、その通りです。現在も一部税が免除になっております」

 あれ?
 これって、見た目は問題なさそうに見えて、実は不正にお金を集めている事になるのかな?
 僕と宰相と財務卿は、もしやって表情になりました。
 という事で、急ぎジンさん達に連絡して、ブランデー子爵領から執務室に戻って貰う事にしました。

「確かに、みんな口を揃えて税金は高いって言っていたぞ。何でも、数年前から最高税率になったみたいだ。最高税率を越えると色々な所から突っ込まれるから、それ以上は上げないっ商人が言っていたな」
「領内で災害があったのは確かみたいです。ただ、現地を見に行った訳じゃないので、何とも言えませんが……」

 ジンさんとレイナさんが現在の状況を教えてくれたけど、こっちの知っている情報と特に変わりがなさそうです。
 となると、まず鍵になるのが災害のあった河川周辺の状況確認ですね。
 という事で、ここでは場所が狭いという事で関係各部を集めて会議室で話をする事になりました。

「これがブランデー子爵から提出された資料になります。大雨で川の湾曲した箇所から、田畑に川の水が溢れたそうです」
「ふむ、これを見る限りは普通に河川氾濫があったと思うな」

 内務の担当職員が広げた地図を、たまたま時間があって話を聞く事になった陛下や僕達が覗き込んでいます。
 と、ここで、スラちゃんがとあるアピールをしています。

「陛下、スラちゃんが周辺状況を含めて地図を書き写して良いかって聞いています」
「構わぬ。ちょうど良いタイミングだから、河川氾濫の復興状況の調査隊を派遣するとするか」

 どうせという事なので、現地地図以外の周辺地図も含めてスラちゃんがどんどんと書き写しています。
 うん、ブランデー子爵から提出された地図よりもとても綺麗に書き写しているね。

「財務卿、ブランデー子爵への税の猶予はいつ切れるか?」
「ちょうど今年になります。延長申請が出されない限り、延長はございません」

 おお、良いタイミングで税の猶予が切れるんだ。
 これなら、復興関連を含めての良い調査名目になるね。

「調査は、クロスロード副宰相、カーセント副宰相の両名をトップとして精鋭を中心に結成する。各部局とも、人選の選抜に当たるように。また、クロスロード副宰相は調査隊決定まで引き続き現地の調査を行なう様に」
「えっ?」
「「「はっ」」」

 ジンさんは調査隊のトップに選ばれてビックリしているけど、この場にいる人は副宰相のジンさんがトップで何にも問題ないと思っているだろうなあ。
 現に、レイナさんとカミラさんは「いまさら?」って表情をしていました。

「アレクも他の閣僚も、もちろん軍も、何かあったら直ぐに動けるようにしておくように」
「「「畏まりました」」」

 もちろん、僕も何かあったら直ぐに動きます。
 というか、僕よりも他の閣僚の方がやる気満々になっていますね。
 これで方針は決定し、中途半端な時間なのでジンさん達も今日はこのまま王城に残る事になりました。

「「ジー!」」

 ぽすっ。

「おっと、ちょっと久しぶりになっちまったな」
「「そーだよー」」

 みんなで勉強部屋に顔を出すと、真っ先にルカちゃんとエドちゃんがジンさんに抱きついていきました。
 この前も、ジンさんがいなくてとても寂しそうにしていたもんね。
 という事で、ここからジンさんは二人と遊ぶというお仕事になりました。
 レイナさんとカミラさんもこのまま勉強部屋に残るそうなので、僕は勉強部屋のドアを閉めて執務室に戻りました。
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