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第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生
六百七話 ジンさんの所に届いた手紙
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「何だこりゃ!」
大晦日のある日、お隣のジンさんの屋敷から大きな声が聞こえてきました。
なんだろうなど思いつつ、皆でお隣に行く事に。
すると、沢山の出産祝いに囲まれているジンさんが、一枚の手紙を見て固まっていました。
「ジンさん、まさかですけどマイク様の時みたいに生まれたばかりの赤ちゃんとの婚姻とかですか?」
「その通りだ……」
僕はある意味からかったつもりだったのに、まさかの当たりとは。
そういえば、この前ジンさんがフラグを立てていたもんな。
でも気になるのは、ジンさんが手紙を読んで固まっている事です。
変な貴族からだったら、滅茶苦茶怒っていそうだけどなあ。
不審に思ったレイナさんが、固まっているジンさんから手紙を奪い取りました。
「えーっと、なになに? ジン殿、御令嬢の出産誠におめでとう。クロスロード子爵家の益々の発展をお祈りする。この度手紙を送ったのは、余とケイリとの子どもであるアンドリューとアンリ嬢との婚姻を検討して欲しいというものになる。これからの事なので強要はせぬが、頭の片隅に入れて欲しい。アダント帝国皇帝より。ジン、良かったね。変な貴族じゃないよ」
「そういえば、ジンもアンドリュー皇子に会ったことあるじゃない。ケイリさんはとても良い人だし、ジンは帝国の皇子様に懐かれているもんね」
「あ、あわ、あわわわわ……」
うん、手紙の内容はとんでもない物だったけど、レイナさんとカミラさんは乗り気だったよ。
アレクサさんは、とんでもない人からの手紙に、ワタワタしていました。
「取り敢えず、皇帝の妹さんに会って話を聞いて貰わないといけないですね」
「これは外交問題だろうが。内務卿と外務卿にも話をしないといけないぞ……」
ジンさんは気が重くなって泣きそうになっているけど、こればっかりはどうにかしないといけないね。
アレクサさんにも絡む事なので、アンリちゃんもベビーカーに乗せて皆で王城に向かいました。
「お兄様から話は聞いているわよ。ケイリは伯爵家の娘だし、爵位的にも何も問題ないのでは?」
「アリア様、そんなに簡単に言わないで下さいよ……」
臨月でお腹の大きいアダント帝国皇帝の妹であるアリア様は、レイナさんとカミラさんと同じく全く問題ないと言っていた。
更にたまたま一緒だった陛下も、ジンさんに追撃してきた。
「恐らく、皇帝も勇者と名高いジンの娘が欲しいのもあるだろう。アンドリュー皇子は傍系の血統となるが、後継者不足の帝国で礎になるのは王国としても良い事だろう」
陛下は、血筋の問題もあると言っていた。
確か帝国は前の闇ギルドとの騒乱で、後継者が皇帝一人になっちゃったんだよね。
直系の双子ちゃんもいるし暫くは安泰だと思うけど、念には念をって事だね。
偉い人お二人からの問題ない発言に、ジンさんとアレクサさんは更にどんよりとした表情になっちゃいました。
「ジン、どうせ明日新年の挨拶で帝国に行くのだし、本人から直接聞いて見れば良いじゃない。私も行くし大丈夫よ」
「心配だから、私も行くわ。王国に関わる事だからね」
「はい……」
王妃様の言う通り、明日新年の挨拶で帝国に行くし、皇帝陛下に話を聞けば良いね。
ティナおばあさまもついて行くそうだし、きっと大丈夫だね。
「しかしジンよ、マロード男爵と違って良い縁談じゃないか」
バンバン。
「はい、そうですね……」
陛下が上機嫌でジンさんの背中をバンバンと叩いていたけど、ジンさんは胃がキリキリしていたね。
「俺、数年前までは平民だったはずだよな……」
ジンさんがポツリと漏らした一言が、とても印象的でした。
大晦日のある日、お隣のジンさんの屋敷から大きな声が聞こえてきました。
なんだろうなど思いつつ、皆でお隣に行く事に。
すると、沢山の出産祝いに囲まれているジンさんが、一枚の手紙を見て固まっていました。
「ジンさん、まさかですけどマイク様の時みたいに生まれたばかりの赤ちゃんとの婚姻とかですか?」
「その通りだ……」
僕はある意味からかったつもりだったのに、まさかの当たりとは。
そういえば、この前ジンさんがフラグを立てていたもんな。
でも気になるのは、ジンさんが手紙を読んで固まっている事です。
変な貴族からだったら、滅茶苦茶怒っていそうだけどなあ。
不審に思ったレイナさんが、固まっているジンさんから手紙を奪い取りました。
「えーっと、なになに? ジン殿、御令嬢の出産誠におめでとう。クロスロード子爵家の益々の発展をお祈りする。この度手紙を送ったのは、余とケイリとの子どもであるアンドリューとアンリ嬢との婚姻を検討して欲しいというものになる。これからの事なので強要はせぬが、頭の片隅に入れて欲しい。アダント帝国皇帝より。ジン、良かったね。変な貴族じゃないよ」
「そういえば、ジンもアンドリュー皇子に会ったことあるじゃない。ケイリさんはとても良い人だし、ジンは帝国の皇子様に懐かれているもんね」
「あ、あわ、あわわわわ……」
うん、手紙の内容はとんでもない物だったけど、レイナさんとカミラさんは乗り気だったよ。
アレクサさんは、とんでもない人からの手紙に、ワタワタしていました。
「取り敢えず、皇帝の妹さんに会って話を聞いて貰わないといけないですね」
「これは外交問題だろうが。内務卿と外務卿にも話をしないといけないぞ……」
ジンさんは気が重くなって泣きそうになっているけど、こればっかりはどうにかしないといけないね。
アレクサさんにも絡む事なので、アンリちゃんもベビーカーに乗せて皆で王城に向かいました。
「お兄様から話は聞いているわよ。ケイリは伯爵家の娘だし、爵位的にも何も問題ないのでは?」
「アリア様、そんなに簡単に言わないで下さいよ……」
臨月でお腹の大きいアダント帝国皇帝の妹であるアリア様は、レイナさんとカミラさんと同じく全く問題ないと言っていた。
更にたまたま一緒だった陛下も、ジンさんに追撃してきた。
「恐らく、皇帝も勇者と名高いジンの娘が欲しいのもあるだろう。アンドリュー皇子は傍系の血統となるが、後継者不足の帝国で礎になるのは王国としても良い事だろう」
陛下は、血筋の問題もあると言っていた。
確か帝国は前の闇ギルドとの騒乱で、後継者が皇帝一人になっちゃったんだよね。
直系の双子ちゃんもいるし暫くは安泰だと思うけど、念には念をって事だね。
偉い人お二人からの問題ない発言に、ジンさんとアレクサさんは更にどんよりとした表情になっちゃいました。
「ジン、どうせ明日新年の挨拶で帝国に行くのだし、本人から直接聞いて見れば良いじゃない。私も行くし大丈夫よ」
「心配だから、私も行くわ。王国に関わる事だからね」
「はい……」
王妃様の言う通り、明日新年の挨拶で帝国に行くし、皇帝陛下に話を聞けば良いね。
ティナおばあさまもついて行くそうだし、きっと大丈夫だね。
「しかしジンよ、マロード男爵と違って良い縁談じゃないか」
バンバン。
「はい、そうですね……」
陛下が上機嫌でジンさんの背中をバンバンと叩いていたけど、ジンさんは胃がキリキリしていたね。
「俺、数年前までは平民だったはずだよな……」
ジンさんがポツリと漏らした一言が、とても印象的でした。
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