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第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生

六百八話 ドタバタの新年

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 そして、新年になりました。
 今年は僕は九歳になるけど、ミカエルも五歳になって五歳の祝いの式典に参加します。
 こうしてみると、ミカエルも大きくなったね。
 先ずは、隣の辺境伯家に向かいます。

「おお、来たか。新年おめでとう」
「「「おめでとー!」」」

 ジェイド様が出迎えてくれている中、双子ちゃんとミカエル達が仲良く挨拶をしていました。
 僕達は、応接室に移動します。

「アレク君、リズちゃん、久しぶりね」
「元気にしていたかしら?」

 エマさんとオリビアさんも、辺境伯領に戻ってきていました。
 実は、今回は敢えて馬車に乗って王都から辺境伯領に戻ってきたそうです。

「アレク君のゲートばっかり使うんじゃなくて、辺境伯領がどれだけ王都から離れているか実感しろってさ」
「馬車だと本当に大変だと感じました。アレク君の魔法って凄いんだと、改めて感じましたよ」

 確かに僕のゲートを使っていると、距離感覚が分からなくなるもんね。
 大変だったけど、良い体験になったみたいだね。

「エマさんとオリビアさんは、学園を卒業したらどうするんですか?」
「暫くは辺境伯領にいるわよ。ソフィアさんの出産もあるしね」
「結婚相手はお母様が選定していますが、引く手数多なので絞りきれていないそうです」

 エマさんとオリビアさんは辺境伯家の娘でとても良い家柄だし、学園では美人の生徒会長に副生徒会長だもんね。
 エマさんとオリビアさんをお嫁に欲しいって貴族は、王国には沢山いそうだね。
 でも、久々に辺境伯領に鋳てくれて嬉しいな。

「ソフィアさんの出産予定は三月位なんですよね?」
「そうね、そのくらいかしら。だから、結婚式には何とか間に合いそうよ」

 今年の辺境伯家は、ソフィアさんの出産とジェイドさんとルシアさんの結婚式というビックイベントが控えています。
 特にイザベラ様は忙しいって言っているけど、良い意味での忙しさなので全然苦にならないんだって。
 母親って凄いよね。

「今日はジンを連れて帝国に行くんだろ?」
「はい、ジンさんは昨日からどよーんってなっています」
「だろうな。私も王城から連絡を貰った時はびっくりしたが、よく考えるとあり得ない事ではないと思ったよ」

 ジンさんの所に帝国皇帝から縁談の話が来た事は、辺境伯様の所にも伝わっています。
 どちらかというと、実務云々よりもジンさんが落ち込んでいるから励ましてくれという感じです。
 ジンさんは何回も帝国皇帝に会っているけど、今回は別の意味での緊張だね。

「うん? 何だ?」

 その時、辺境伯様の通信用魔導具に連絡が入ったみたいです。
 何かなと辺境伯様がタブレット型の魔導具をいじっていたら、びっくりした表情に変わりました。

「アレク君、アリア様が産気づいたそうだ」
「「「えっ!」」」

 僕だけでなく、リズ達やミカエル達もこの話を聞いてびっくりしています。

「詳しくは王城に行った際に連絡するらしいが、帝国への同行者が変わるそうだ」
「こればっかりは仕方ないですね。赤ちゃんはいつ生まれるか分からないですし」

 慶事であるのは間違いないので、今回はしょうがないですね。
 という事で、僕達は辺境伯様の屋敷を後にしてジンさんの屋敷に向かいました。

「そ、そうなのか。では、別日に変更を……」
「ジン駄目よ。問題の先送りは意味ないわ」
「そうよ。こういう事は、早めに決めないといけないよ」

 アリア様が産気づいた事を伝えるとジンさんは日程変更を言ってきたが、あえなくレイナさんとカミラさんに撃退されました。

「私も王城までは行くけど、子ども達と一緒に残るわ」
「はあ、私はジン達と同行せよとおじいちゃんが言ってきたわ。ケイリさんと面識があるだろうとね。しかも、宰相権限よ」

 レイナさんはしょうがないとしても、カミラさんはある意味巻き込まれだね。
 そして、気になる事が。

「アレクサさん、大丈夫ですか?」
「ひゃい! だ、大丈夫、ですよ?」

 アレクサさんも、ガチガチに緊張しているんだよね。
 アレクサさんは結婚式の時に皇妃様とリルムちゃんに会っているけど、帝国皇帝には会っていないんだよね。
 帝国皇帝はとても良い人だから、特に気にする事はないと思うよ。
 という事で、ジンさん達も一緒に王城に向かいます。
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