転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
上 下
449 / 942
第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生

六百八話 ドタバタの新年

しおりを挟む
 そして、新年になりました。
 今年は僕は九歳になるけど、ミカエルも五歳になって五歳の祝いの式典に参加します。
 こうしてみると、ミカエルも大きくなったね。
 先ずは、隣の辺境伯家に向かいます。

「おお、来たか。新年おめでとう」
「「「おめでとー!」」」

 ジェイド様が出迎えてくれている中、双子ちゃんとミカエル達が仲良く挨拶をしていました。
 僕達は、応接室に移動します。

「アレク君、リズちゃん、久しぶりね」
「元気にしていたかしら?」

 エマさんとオリビアさんも、辺境伯領に戻ってきていました。
 実は、今回は敢えて馬車に乗って王都から辺境伯領に戻ってきたそうです。

「アレク君のゲートばっかり使うんじゃなくて、辺境伯領がどれだけ王都から離れているか実感しろってさ」
「馬車だと本当に大変だと感じました。アレク君の魔法って凄いんだと、改めて感じましたよ」

 確かに僕のゲートを使っていると、距離感覚が分からなくなるもんね。
 大変だったけど、良い体験になったみたいだね。

「エマさんとオリビアさんは、学園を卒業したらどうするんですか?」
「暫くは辺境伯領にいるわよ。ソフィアさんの出産もあるしね」
「結婚相手はお母様が選定していますが、引く手数多なので絞りきれていないそうです」

 エマさんとオリビアさんは辺境伯家の娘でとても良い家柄だし、学園では美人の生徒会長に副生徒会長だもんね。
 エマさんとオリビアさんをお嫁に欲しいって貴族は、王国には沢山いそうだね。
 でも、久々に辺境伯領に鋳てくれて嬉しいな。

「ソフィアさんの出産予定は三月位なんですよね?」
「そうね、そのくらいかしら。だから、結婚式には何とか間に合いそうよ」

 今年の辺境伯家は、ソフィアさんの出産とジェイドさんとルシアさんの結婚式というビックイベントが控えています。
 特にイザベラ様は忙しいって言っているけど、良い意味での忙しさなので全然苦にならないんだって。
 母親って凄いよね。

「今日はジンを連れて帝国に行くんだろ?」
「はい、ジンさんは昨日からどよーんってなっています」
「だろうな。私も王城から連絡を貰った時はびっくりしたが、よく考えるとあり得ない事ではないと思ったよ」

 ジンさんの所に帝国皇帝から縁談の話が来た事は、辺境伯様の所にも伝わっています。
 どちらかというと、実務云々よりもジンさんが落ち込んでいるから励ましてくれという感じです。
 ジンさんは何回も帝国皇帝に会っているけど、今回は別の意味での緊張だね。

「うん? 何だ?」

 その時、辺境伯様の通信用魔導具に連絡が入ったみたいです。
 何かなと辺境伯様がタブレット型の魔導具をいじっていたら、びっくりした表情に変わりました。

「アレク君、アリア様が産気づいたそうだ」
「「「えっ!」」」

 僕だけでなく、リズ達やミカエル達もこの話を聞いてびっくりしています。

「詳しくは王城に行った際に連絡するらしいが、帝国への同行者が変わるそうだ」
「こればっかりは仕方ないですね。赤ちゃんはいつ生まれるか分からないですし」

 慶事であるのは間違いないので、今回はしょうがないですね。
 という事で、僕達は辺境伯様の屋敷を後にしてジンさんの屋敷に向かいました。

「そ、そうなのか。では、別日に変更を……」
「ジン駄目よ。問題の先送りは意味ないわ」
「そうよ。こういう事は、早めに決めないといけないよ」

 アリア様が産気づいた事を伝えるとジンさんは日程変更を言ってきたが、あえなくレイナさんとカミラさんに撃退されました。

「私も王城までは行くけど、子ども達と一緒に残るわ」
「はあ、私はジン達と同行せよとおじいちゃんが言ってきたわ。ケイリさんと面識があるだろうとね。しかも、宰相権限よ」

 レイナさんはしょうがないとしても、カミラさんはある意味巻き込まれだね。
 そして、気になる事が。

「アレクサさん、大丈夫ですか?」
「ひゃい! だ、大丈夫、ですよ?」

 アレクサさんも、ガチガチに緊張しているんだよね。
 アレクサさんは結婚式の時に皇妃様とリルムちゃんに会っているけど、帝国皇帝には会っていないんだよね。
 帝国皇帝はとても良い人だから、特に気にする事はないと思うよ。
 という事で、ジンさん達も一緒に王城に向かいます。
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

(短編)いずれ追放される悪役令嬢に生まれ変わったけど、原作補正を頼りに生きます。

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚約破棄からの追放される悪役令嬢に生まれ変わったと気づいて、シャーロットは王妃様の前で屁をこいた。なのに王子の婚約者になってしまう。どうやら強固な強制力が働いていて、どうあがいてもヒロインをいじめ、王子に婚約を破棄され追放……あれ、待てよ? だったら、私、その日まで不死身なのでは?

「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました

夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」  命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。  本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。  元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。  その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。  しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。 といった序盤ストーリーとなっております。 追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。 5月30日までは毎日2回更新を予定しています。 それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

伯爵令嬢が婚約破棄され、兄の騎士団長が激怒した。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

なんだって? 俺を追放したSS級パーティーが落ちぶれたと思ったら、拾ってくれたパーティーが超有名になったって?

名無し
ファンタジー
「ラウル、追放だ。今すぐ出ていけ!」 「えっ? ちょっと待ってくれ。理由を教えてくれないか?」 「それは貴様が無能だからだ!」 「そ、そんな。俺が無能だなんて。こんなに頑張ってるのに」 「黙れ、とっととここから消えるがいい!」  それは突然の出来事だった。  SSパーティーから総スカンに遭い、追放されてしまった治癒使いのラウル。  そんな彼だったが、とあるパーティーに拾われ、そこで認められることになる。 「治癒魔法でモンスターの群れを殲滅だと!?」 「え、嘘!? こんなものまで回復できるの!?」 「この男を追放したパーティー、いくらなんでも見る目がなさすぎだろう!」  ラウルの神がかった治癒力に驚愕するパーティーの面々。  その凄さに気が付かないのは本人のみなのであった。 「えっ? 俺の治癒魔法が凄いって? おいおい、冗談だろ。こんなの普段から当たり前にやってることなのに……」

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。