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第二十一章 ちょっと平和な日々

五百八話 王城に戻ってホッと一息

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 応接室で一時間程時間を潰していたら、校舎の中が騒がしくなってきました。

「どうやら、新入生のオリエンテーションも終わったみたいね」
「懐かしいわね、私達もあんな若々しい頃があったわね」
「二人して年寄りみたいな発言をして……」
「「ふん!」」
「ごばぁ」

 ジンさん達の夫婦漫才は置いといて、そろそろ王妃様とルーカスお兄様とアイビー様も応接室にやってくるはずです。

「おばちゃん、帰ったらパーティするの?」
「するわよ。事件の事は軍に任せているし、予定通りよ」
「良かった。皆でお祝いだね」

 リズは事件の事も心配しているけど、パーティが予定通りに開かれるかも心配していました。
 ミカエルとかが、パーティをとっても楽しみにしていたもんね。

 しゅっ。

「あ、スラちゃんだ!」

 ここで、テシウス伯爵家の捜索に行っていたスラちゃんが戻ってきました。
 触手で額を拭う仕草をしているという事は、何かを見つけたって事なんだね。

「スラちゃんが、謎の薬を見つけたって。あと、手紙も見つけたらしいよ」
「早速怪しいのが見つかったわね。手紙の分析も必要ね」
「見つかったのはあのおじいちゃんになっちゃった人の部屋だけで、他の部屋からは何にも見つからなかったって」
「家族の関与が見受けられなかったのは良かったわ。いずれにせよ、あの三男が意識を取り戻して何を供述してくれるかがポイントね」

 スラちゃんがリズを通じてティナおばあさまに報告しているけど、完全に三男の単独犯だったんだ。
 でも、テシウス伯爵家への処罰も避けられないだろうなあ。

「お待たせしました。今、オリエンテーションが終わりました」

 このタイミングで、ルーカスお兄様とアイビー様が応接室に入ってきました。
 更には、王妃様も後に続いています。

「教科書なども配布されました。明日から早速授業が始まるそうです」
「知り合いの人もいますので、中々楽しい事になりそうですわ」
「そう、それは良かったわ。学園生活を楽しんでね」
「「はい」」

 ルーカスお兄様とアイビー様が楽しそうにティナおばあさまに報告していたけど、クラスメイトも良い人が多そうで良かった。

「はいはい、じゃあ王城に戻るわよ。ルーシー達も待っているわ」
「「「はーい」」」

 という事で全員揃ったので、王城に帰ります。
 
「「おかーりー!」」
「ルカ、エド、ただいま」

 王城に着くと、すぐさまルカちゃんとエドちゃんがルーカスお兄様に抱きついてきました。
 アイビー様も、ニコニコ顔でルカちゃんとエドちゃんの頭を撫でています。

「ルーにーに、早くパーティやろー!」
「ちょっと待ってな。今、荷物を置いてくるからね」

 ミカエルもパーティが待ちきれない様で、ルーカスお兄様のズボンをちょいちょいと引っ張っていました。

「悪かったな、子守を頼んで」
「いえ、全然大丈夫でしたわ。私も良い勉強になりましたし、ルーシー殿下が子ども達に絵本を読んであげてくれたのでとっても助かりました。途中からは、まだかなって言っていましたけどね」

 アリア様と一緒に子ども達の面倒を見ていたアレクサさんも、とってもニコニコしていました。
 さあ、これから昼食を兼ねたパーティですね。
 もう、皆待ちきれない様です。
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