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第十九章 懐古派の砦編

四百十五話 オカマさんとの話し合いの始まり

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 そして、いよいよオカマさんとの話し合いの時間になりました。
 僕達は、教会の附属施設から教会の中に移動します。
 教会の中は、レリーフ枢機卿が人払いを命じているのか誰もいません。
 夕日が差し込む教会の中で、僕は長椅子に座っています。

 キィー。

 そして僕達が教会に着いて十分位したら、突如として教会の扉が開きました。
 現れたのはオカマさんで、小さな子と手を繋いでいます。
 黒髪のおかっぱで、何だか日本人形みたいな女の子です。

「おまたせ。この子も話に関係あるのよ。だから連れてきたのよ」

 オカマさんはこの女の子も話し合いに関係あるというけど、一体誰なのだろうか?
 どうもアリア様もティナおばあさまも、勿論レリーフ枢機卿も女の子の正体を知らないみたいだ。
 そして、オカマさんは僕達と反対側の長椅子に座って、女の子を膝の上に乗せた。
 女の子は無表情で僕達の事を見つめていた。
 うーん、まるで女の子に表情がないみたいだぞ。

「アリア様もお久しぶりね。お子様が生まれたそうね」
「ええ、ヤンチャな男の子よ」
「子どもは元気が一番よ」

 アリア様とオカマさんが話をしているけど、何だかおばちゃんの井戸端会議の様だぞ。
 子どもの事で、にこやかに話をしている。

「本当はあのスキンヘッドも連れてきたかったのだけど、今日はお店が忙しいらしいのよ」
「お店って、どんなお店ですか?」
「居酒屋なのよ。とっても美味しいお酒を出すのよ」

 あのスキンヘッドもお店を出しているのか。
 居酒屋の店主なんて、スキンヘッドにピッタリだ。
 というか、闇ギルドの人はお店をやっている人が多いのかな?
 取り敢えず挨拶はここまでにしておいて、早速本題に入ります。

「最初に言っていくけど、闇ギルドは組織としてはほぼ崩壊しているわよ」
「「「えっ?」」」

 オカマさんの言葉に、僕やジンさん達はびっくりしている。
 レリーフ枢機卿やアレクサさんも、僕達と同じ様にかなり驚いていた。
 対して、アリア様とティナおばあさまは、その情報を知っているかの様な様子だった。

「あら、アリア様とティナ様は驚かないのね」
「ええ、本日辺境伯領で捕えた不審者からの情報がありますから」
「俺達は新たに生まれ変わった組織だって、そう言っていたらしいわ」
「ふーん、その情報はあえてアレク君には言わなかったみたいね。流石だわね」

 どうもアリア様とティナおばあさまは、僕達にあえて重要な情報は話さなかった様だ。
 まあ、僕はともかくとして、リズや他の人から情報が漏れる可能性は否めないな。
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