転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
126 / 1,258
第十六章 聖女様出迎え編

三百二十二話 教皇国への道のりの話

しおりを挟む
「聖女様、お久しぶりでございます。お元気そうで何よりです」
「ええ、この通りすっかり良くなりました」

 カレン様の体調が良くなった事を教皇国に戻って報告していたサイファ枢機卿が、再び王国にやってきた。
 サイファ枢機卿は、殆ど完調に近いカレン様を見て目を細めていた。
 そして、教皇選挙に絡む事で報告もあるという。
 早速カレン様も含めて会議となった。

「まず聖女様が無事に復調していると報告した所、教皇国内でも安堵として受け止められております。ただ、現在も治療中の為、聖女様が教皇国に戻られるのは選挙のタイミングで良い事になりました」

 教皇選挙に絡んでカレン様もすることがあるというので、こればっかりは仕方ないですよね。

「教皇選挙の日程も発表されました。七月の半ばに投開票となります。アレク殿下においては、一週間ほど教皇国に滞在して頂ければと。なお、国境より五日ほどで皇都に着きます」
「分かりました、その様に対応します」

 教皇国へは、大体二週間の滞在になるのか。
 帝国にもその位滞在したし、久々に馬車の旅になるな。

「あと、アレク殿下には申し訳ないのですが、教皇国に着きましたら帝国と共和国の要人を迎えて頂けますと助かります。やはり懐古派が何をするかわからない状況ですので」
「その位は問題ありません。安全の為にも、僕が迎えに行った方が良いでしょう」

 何となく予想はしていたので、この位は全く問題ない。
 恐らくカレン様も、このタイミングで迎えに行くのだろうな。

「ふむ。なら、アレク達の誕生パーティが終わったら出発だな。辺境伯の所の子どもも出発までに生まれるだろう」

 陛下も僕のスケジュールを言ってくれたけど、当分はこんな感じだろう。
 少し平和な日々が続きそうだ。

「陛下、ご提案頂きました新事業につきまして、教皇国も喜んで参加したいと思っております。救える命が増える事はとても良い事です」
「うむ。帝国と共和国からも良い返事が来たので、教皇国の参加も歓迎する」

 魔法と生薬を研究する事業には、多くの人が携わる事になった。
 実は辺境伯領にも、帝国から研究者がやってきている。
 国の垣根を超えた一大事業になりそうだ。
 ということで、会議はこれにて終了です。
 僕とルーカスお兄様とカレン様は、皆がいるルカちゃんとエドちゃんの部屋に移動します。

「あ、お兄ちゃんだ」
「何しているんだ?」
「皆で、ヒカリちゃんに魔法の使い方とか色々教えているの」

 皆でこの前カレン様の従魔になった白い小さなスライムを取り囲んでいた。
 スラちゃんとプリンとアマリリスが、ヒカリと名付けられたスライムに何かを話しているようだ。
 
「ヒカリちゃんね、回復魔法だけでなくて光魔法と聖魔法も使えるの!」
「それは凄いね。スラちゃんの様な万能タイプじゃなくて、プリンの様に特殊タイプなんだね」

 スラちゃんもプリンもアマリリスもヒカリを褒めているけど、肝心のヒカリは少し恥ずかしそうにしている。
 
「私は聖魔法しか使えないので、ヒカリの存在はありがたいです。もし私に何かあっても、私は攻撃魔法が使えないので」
「あれ? リズは聖魔法のホーリーアローが使えますよ。練習すれば使えるのでは?」

 聖魔法にもリズが使う様な攻撃魔法があるし、魔法剣も使っている。
 練習すれば、カレン様も自分の身を守る事ができるんじゃないかな。

「なら、最低でも自分の身を守る事ができるように訓練してみましょう。きっと役に立ちますよ」
「そうですね、今回の襲撃事件の事で自分の無力さが身に染みました」

 ティナおばあさまの提案で、カレン様も訓練をする事になった。
 攻撃魔法を覚えなくても、防御魔法を覚えるだけでも自分の為になるよね。
しおりを挟む
感想 297

あなたにおすすめの小説

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

【完結】これをもちまして、終了とさせていただきます

楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。 伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。 そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。 「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」 神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。 「お話はもうよろしいかしら?」 王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。 ※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m

一人、辺境の地に置いていかれたので、迎えが来るまで生き延びたいと思います

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
大きなスタンビートが来るため、領民全てを引き連れ避難する事になった。 しかし、着替えを手伝っていたメイドが別のメイドに駆り出された後、光を避けるためにクローゼットの奥に行き、朝早く起こされ、まだまだ眠かった僕はそのまま寝てしまった。用事を済ませたメイドが部屋に戻ってきた時、目に付く場所に僕が居なかったので先に行ったと思い、開けっ放しだったクローゼットを閉めて、メイドも急いで外へ向かった。 全員が揃ったと思った一行はそのまま領地を後にした。 クローゼットの中に幼い子供が一人、取り残されている事を知らないまま

悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」 公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。 忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。 「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」 冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。 彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。 一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。 これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。