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第十六章 聖女様出迎え編
三百二十三話 バザール領での薬草採取
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カレン様の修行もあるけど、今日は別の場所で薬草採取を行います。
何気に、辺境伯領以外では初めての冒険者活動だなあ。
ルーカスお兄様達やカレン様は王城での対応があると言うので、今日の引率者はジンさんです。
「とは言っても、今日向かうのはバザール子爵領なので特に心配していないけどね」
ジンさんも前にバザール子爵領で冒険者活動を行った事があるらしく、特に危険な事はないという。
先ずはという事で、バザール領の屋敷にご挨拶に向かいます。
「皆様のご活躍は、毎日の様に届いておりますわ」
ハンナさんが僕達を出迎えてくれたけど、領内はだいぶ落ち着いているので表情は穏やかだ。
「最近は開発も進み、移住してくる人も増えてきました」
「開発計画をいくらでも立てる事ができる立地ですからね」
「今でも官僚の方が張り切って開発計画を立てています。薬草研究用の土地も確保済みです」
確かバザール領に官僚が来た時、いくらでも開発ができると燃えていたよね。
官僚の熱は、未だに冷めていないんだな。
「今回は私どもの調査官も同行させます。冒険者も是非同行したいと申しております」
「それはありがたいですね。ジンさん以外はこの領地の事は疎いので」
助っ人もいるというので、早速ギルドに向かいます。
「お、来た来た!」
「こっちだ、こっち」
「なんだ、お前らが同行者か」
ギルドに着くと、冒険者がジンさんを呼んでいた。
よく見ると、辺境伯領でも活動している冒険者だった。
「おっちゃん、今日はおっちゃんも一緒なの?」
「そうだ。今日はリズちゃんがバザール領を制圧した時に、各地に救助で向かった冒険者が一緒だ」
「そうなんだ!」
リズも顔見知りの冒険者に話しかけていたけど、全員僕達の事を知っているのは心強いな。
冒険者の案内で、近くの森に移動します。
「おお! 辺境伯領の森と違うね」
森に入ってリズが辺境伯領と違うと言っているけど、森に生えている木なども若干違うな。
「薬草の採れる場所は変わらないぞ」
「そうなんだ。じゃあリズの出番だね」
冒険者からの言葉を聞いて、早速リズはスラちゃんとプリンと共に薬草採取を始めた。
薬草が生えている場所は辺境伯領の森と一緒だけど、そこに生えている薬草の種類が微妙に違う。
隣の領地なのに、生えている薬草が違うんだなあ。
「あれ? アレク様、この薬草は何ですか?」
「これは僕も採った事がない薬草だ。何だろう?」
皆で薬草を採っていると、サンディが僕も見た事がない薬草を持ってきた。
黄緑色のほうれん草みたいな薬草だ。
鑑定しても薬草としか出てこなかったので、薬草辞典をペラペラとめくっていった。
「えーっと、上級ポーションを作る為の薬草だって。粉末にして煎じても風邪とかに効果ありらしいよ」
薬草辞典には、なんだか物凄い効能が書いてあったぞ。
サンディと共に後ろを振り返った。
「沢山生えていますね」
「どうしよう。大発見かもしれないよ」
こういう時は大人に相談します。
ジンさんと冒険者と調査官に、現場を見てもらいます。
「少量を採取して、どの位で再び生えてくるか調べてみよう」
「経過は俺達が定期的に見ておこう」
「幾つかは根ごと採取して、栽培実験を行いましょう」
という事で、大人のアドバイスに従って発見した薬草を少量採取して、バザール子爵領と辺境伯領用に土付きで掘り起こした。
「うー、普通の薬草しか取れなかった……」
「また頑張れば、新しい薬草が採れるよ」
結局リズとスラちゃんとプリンは、いつも辺境伯領で採れる薬草しか採れなかった。
サンディが特別な薬草をゲットしたのが、三人にとって相当悔しかったみたいだ。
次回は三人にも頑張ってもらいたい。
これで無事に薬草採取は終わったのだが、バザール子爵領には別の目的がある。
それは、新作の万能ソースを買う事だ。
「これを使っても、レイナとカミラの料理が上手くなる事はないんだよな」
ジンさんが商店に並んでいる新作の万能ソースを見て、ぼそっと本音を漏らしていた。
確かにレイナさんとカミラさんの料理の腕では、黒焦げの料理が出来上がるのが目に見えている。
とりあえず、新作ソースを幾つか買っておこう。
王妃様やアリア様にティナおばあさまからも、新作ソースを買ってきてと言っていたんだよな。
「お、焼き肉ソースか。肉をソースで漬けて焼いても良いし、焼いた肉にソースを漬けてもいいか。これも買っておこう」
ジンさんが見つけた、焼き肉用のソースも購入しておく。
しかしこの万能ソースを見ると、お好み焼きとか作りたいなあ。
「お兄ちゃん、このソースで新作料理を作って!」
「アレク様の料理は美味しいので、とても楽しみです」
リズとサンディに加えて、スラちゃんとプリンからも新作を求められてしまった。
折角だから、今度お好み焼きもどきを作ってみよう。
何気に、辺境伯領以外では初めての冒険者活動だなあ。
ルーカスお兄様達やカレン様は王城での対応があると言うので、今日の引率者はジンさんです。
「とは言っても、今日向かうのはバザール子爵領なので特に心配していないけどね」
ジンさんも前にバザール子爵領で冒険者活動を行った事があるらしく、特に危険な事はないという。
先ずはという事で、バザール領の屋敷にご挨拶に向かいます。
「皆様のご活躍は、毎日の様に届いておりますわ」
ハンナさんが僕達を出迎えてくれたけど、領内はだいぶ落ち着いているので表情は穏やかだ。
「最近は開発も進み、移住してくる人も増えてきました」
「開発計画をいくらでも立てる事ができる立地ですからね」
「今でも官僚の方が張り切って開発計画を立てています。薬草研究用の土地も確保済みです」
確かバザール領に官僚が来た時、いくらでも開発ができると燃えていたよね。
官僚の熱は、未だに冷めていないんだな。
「今回は私どもの調査官も同行させます。冒険者も是非同行したいと申しております」
「それはありがたいですね。ジンさん以外はこの領地の事は疎いので」
助っ人もいるというので、早速ギルドに向かいます。
「お、来た来た!」
「こっちだ、こっち」
「なんだ、お前らが同行者か」
ギルドに着くと、冒険者がジンさんを呼んでいた。
よく見ると、辺境伯領でも活動している冒険者だった。
「おっちゃん、今日はおっちゃんも一緒なの?」
「そうだ。今日はリズちゃんがバザール領を制圧した時に、各地に救助で向かった冒険者が一緒だ」
「そうなんだ!」
リズも顔見知りの冒険者に話しかけていたけど、全員僕達の事を知っているのは心強いな。
冒険者の案内で、近くの森に移動します。
「おお! 辺境伯領の森と違うね」
森に入ってリズが辺境伯領と違うと言っているけど、森に生えている木なども若干違うな。
「薬草の採れる場所は変わらないぞ」
「そうなんだ。じゃあリズの出番だね」
冒険者からの言葉を聞いて、早速リズはスラちゃんとプリンと共に薬草採取を始めた。
薬草が生えている場所は辺境伯領の森と一緒だけど、そこに生えている薬草の種類が微妙に違う。
隣の領地なのに、生えている薬草が違うんだなあ。
「あれ? アレク様、この薬草は何ですか?」
「これは僕も採った事がない薬草だ。何だろう?」
皆で薬草を採っていると、サンディが僕も見た事がない薬草を持ってきた。
黄緑色のほうれん草みたいな薬草だ。
鑑定しても薬草としか出てこなかったので、薬草辞典をペラペラとめくっていった。
「えーっと、上級ポーションを作る為の薬草だって。粉末にして煎じても風邪とかに効果ありらしいよ」
薬草辞典には、なんだか物凄い効能が書いてあったぞ。
サンディと共に後ろを振り返った。
「沢山生えていますね」
「どうしよう。大発見かもしれないよ」
こういう時は大人に相談します。
ジンさんと冒険者と調査官に、現場を見てもらいます。
「少量を採取して、どの位で再び生えてくるか調べてみよう」
「経過は俺達が定期的に見ておこう」
「幾つかは根ごと採取して、栽培実験を行いましょう」
という事で、大人のアドバイスに従って発見した薬草を少量採取して、バザール子爵領と辺境伯領用に土付きで掘り起こした。
「うー、普通の薬草しか取れなかった……」
「また頑張れば、新しい薬草が採れるよ」
結局リズとスラちゃんとプリンは、いつも辺境伯領で採れる薬草しか採れなかった。
サンディが特別な薬草をゲットしたのが、三人にとって相当悔しかったみたいだ。
次回は三人にも頑張ってもらいたい。
これで無事に薬草採取は終わったのだが、バザール子爵領には別の目的がある。
それは、新作の万能ソースを買う事だ。
「これを使っても、レイナとカミラの料理が上手くなる事はないんだよな」
ジンさんが商店に並んでいる新作の万能ソースを見て、ぼそっと本音を漏らしていた。
確かにレイナさんとカミラさんの料理の腕では、黒焦げの料理が出来上がるのが目に見えている。
とりあえず、新作ソースを幾つか買っておこう。
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「お兄ちゃん、このソースで新作料理を作って!」
「アレク様の料理は美味しいので、とても楽しみです」
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