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第十六章 聖女様出迎え編
二百七十七話 サーゲロイド辺境伯との会談
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屋敷の前に到着すると、執事が既に待っていた。
どこの屋敷でも、執事はビシってしているよね。
「皆様、お待ちしておりました。応接室へご案内いたします」
「はーい」
馬車から降りてきた僕達を屋敷内へ案内してくれるけど、当たり前のようにリズとリズに抱かれているスラちゃんが元気よく手をあげて真っ先についていく。
屋敷の中には、立派な角の生えた鹿とかの剥製が飾ってある。
領地内で取れたんだろうね。
「鹿さんだ。大きいね」
「そうだね。お肉いっぱい取れそうだね」
うーん、リズとサンディにとっては鹿はお肉でしかないからなあ。
鹿の剥製を見て、嬉々としているぞ。
小さな子どもが見たら、普通は怖がりそうだけど。
「では、こちらでお待ちください。直ぐに当主様がお見えになります」
「はーい」
くるみとかが入ったクッキーを食べながら、当主様が来るのを待つ事に。
何だか、出された紅茶も高級品の様だぞ。
「この紅茶、とても美味しいですね」
「サーゲロイド辺境伯は、茶葉の産地でもあるからな」
「山の斜面を利用して、茶畑が広がっているのだよ」
「へえ、そうなんですね」
前世で習った紅茶の産地もインドとかの山の斜面を利用していた気がするぞ。
「流石は殿下ですね。我が領の紅茶の美味しさに気がつくとは」
すると、部屋の中にニコニコとした老人が入ってきた。
白髪頭で同じく白髪の髭が生えているけど、この人がサーゲロイド辺境伯の様だ。
僕達は席を立って挨拶を交わす。
「サーゲロイド辺境伯様、アレクサンダーと申します。どうぞ、アレクとお呼び下さい」
「エリザベスです。リズって呼んでください。あと、スラちゃんとプリンちゃんです」
「ロンカーク伯爵家のサンディと申します。どうぞ宜しくお願いします」
「おほほ、これはこれは元気なお子さんだ。サーゲロイド辺境を預かっておる。軍務卿、外務卿、この国の未来は明るいのう」
「少し元気すぎる所がありますがな」
「いつも小さな嵐の様ですよ」
「はは、子どもは元気が一番じゃ」
サーゲロイド辺境伯は、とっても明るいお爺ちゃんって感じだ。
リズもサンディも直ぐにニコニコとしているから、悪い人ではなさそうだ。
「我が領地は山がちで平野が少ないので、古来より山地を利用した産業を起こしてきたのだよ」
「確かに、これだけの人口を支えるとなるとうまく土地を利用しないといけませんね」
「そういう事だ。茶葉は名産品の一つになるまで、産業として成長できたがな」
僕が茶葉を褒めたから、サーゲロイド辺境伯の機嫌がとっても良い。
自分の領地を褒められたら、そりゃ嬉しいよね。
「先に話を済ませておこう。我が辺境伯領に聖女様をお迎えする事は、この上ない名誉じゃ」
「だからこそ、しっかりと準備をしないとなりません」
「国もできる限りの支援を行います。聖女様が安心して過ごせる様にしましょう」
という事で、サーゲロイド辺境伯と僕と軍務卿と外務卿で話を進めています。
リズとサンディは、スラちゃんとプリンと共にお菓子に夢中です。
「教皇国側の辺境担当とは話がついているが、我々も教皇国に行って聖女様を出迎える事になっている」
「その後辺境の街から領都に飛んで歓迎式典、一泊してから王城に向かう手筈だ」
「教皇国側の辺境担当は教皇国で起きている勢力争いには中立の立場をとっているし、出迎えにあたって軍も整えてくれている」
「となると、辺境に着くまで何もなければ大丈夫ですね」
ポイントを押さえれば警備は容易いけど、問題は聖女様達がそこまでに無事に辿り着けるかどうかだ。
聖女様側の警備がしっかりとしている事を願いたい。
「領都での式典には、ルーカスお兄様とアイビー様に僕とリズとサンディが参加でよろしいですか?」
「ええ。サンディさんも貴族の当主なので問題ありません。是非とも宜しくお願いします」
「式典には私達も参加するし、メインはルーカス殿下だ」
「アレク君達はそこまで気を張る必要はないよ」
国賓級を招くから、ルーカスお兄様がメインだよね。
アイビー様も付き添いとして大変そうだなあ。
「お兄ちゃん、クッキー美味しいよ!」
「果物も美味しいです」
「良かったね……」
僕達の話を聞きつつお菓子を食べているリズ達の顔はにんまりとしていた。
まあ、リズ達はとりあえずニコニコしていれば問題ないし、大丈夫だと思いたい。
どこの屋敷でも、執事はビシってしているよね。
「皆様、お待ちしておりました。応接室へご案内いたします」
「はーい」
馬車から降りてきた僕達を屋敷内へ案内してくれるけど、当たり前のようにリズとリズに抱かれているスラちゃんが元気よく手をあげて真っ先についていく。
屋敷の中には、立派な角の生えた鹿とかの剥製が飾ってある。
領地内で取れたんだろうね。
「鹿さんだ。大きいね」
「そうだね。お肉いっぱい取れそうだね」
うーん、リズとサンディにとっては鹿はお肉でしかないからなあ。
鹿の剥製を見て、嬉々としているぞ。
小さな子どもが見たら、普通は怖がりそうだけど。
「では、こちらでお待ちください。直ぐに当主様がお見えになります」
「はーい」
くるみとかが入ったクッキーを食べながら、当主様が来るのを待つ事に。
何だか、出された紅茶も高級品の様だぞ。
「この紅茶、とても美味しいですね」
「サーゲロイド辺境伯は、茶葉の産地でもあるからな」
「山の斜面を利用して、茶畑が広がっているのだよ」
「へえ、そうなんですね」
前世で習った紅茶の産地もインドとかの山の斜面を利用していた気がするぞ。
「流石は殿下ですね。我が領の紅茶の美味しさに気がつくとは」
すると、部屋の中にニコニコとした老人が入ってきた。
白髪頭で同じく白髪の髭が生えているけど、この人がサーゲロイド辺境伯の様だ。
僕達は席を立って挨拶を交わす。
「サーゲロイド辺境伯様、アレクサンダーと申します。どうぞ、アレクとお呼び下さい」
「エリザベスです。リズって呼んでください。あと、スラちゃんとプリンちゃんです」
「ロンカーク伯爵家のサンディと申します。どうぞ宜しくお願いします」
「おほほ、これはこれは元気なお子さんだ。サーゲロイド辺境を預かっておる。軍務卿、外務卿、この国の未来は明るいのう」
「少し元気すぎる所がありますがな」
「いつも小さな嵐の様ですよ」
「はは、子どもは元気が一番じゃ」
サーゲロイド辺境伯は、とっても明るいお爺ちゃんって感じだ。
リズもサンディも直ぐにニコニコとしているから、悪い人ではなさそうだ。
「我が領地は山がちで平野が少ないので、古来より山地を利用した産業を起こしてきたのだよ」
「確かに、これだけの人口を支えるとなるとうまく土地を利用しないといけませんね」
「そういう事だ。茶葉は名産品の一つになるまで、産業として成長できたがな」
僕が茶葉を褒めたから、サーゲロイド辺境伯の機嫌がとっても良い。
自分の領地を褒められたら、そりゃ嬉しいよね。
「先に話を済ませておこう。我が辺境伯領に聖女様をお迎えする事は、この上ない名誉じゃ」
「だからこそ、しっかりと準備をしないとなりません」
「国もできる限りの支援を行います。聖女様が安心して過ごせる様にしましょう」
という事で、サーゲロイド辺境伯と僕と軍務卿と外務卿で話を進めています。
リズとサンディは、スラちゃんとプリンと共にお菓子に夢中です。
「教皇国側の辺境担当とは話がついているが、我々も教皇国に行って聖女様を出迎える事になっている」
「その後辺境の街から領都に飛んで歓迎式典、一泊してから王城に向かう手筈だ」
「教皇国側の辺境担当は教皇国で起きている勢力争いには中立の立場をとっているし、出迎えにあたって軍も整えてくれている」
「となると、辺境に着くまで何もなければ大丈夫ですね」
ポイントを押さえれば警備は容易いけど、問題は聖女様達がそこまでに無事に辿り着けるかどうかだ。
聖女様側の警備がしっかりとしている事を願いたい。
「領都での式典には、ルーカスお兄様とアイビー様に僕とリズとサンディが参加でよろしいですか?」
「ええ。サンディさんも貴族の当主なので問題ありません。是非とも宜しくお願いします」
「式典には私達も参加するし、メインはルーカス殿下だ」
「アレク君達はそこまで気を張る必要はないよ」
国賓級を招くから、ルーカスお兄様がメインだよね。
アイビー様も付き添いとして大変そうだなあ。
「お兄ちゃん、クッキー美味しいよ!」
「果物も美味しいです」
「良かったね……」
僕達の話を聞きつつお菓子を食べているリズ達の顔はにんまりとしていた。
まあ、リズ達はとりあえずニコニコしていれば問題ないし、大丈夫だと思いたい。
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