転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

第十二章 ジンさん達の結婚式

二百三話 何事も程々に

「アレク君、ごめんね」
「まさかここまで酔っ払っちゃうとは……」
「ははは、仕方ないですよ」

　夕方になり結婚式が終わると、レイナさんとカミラさんが僕に謝ってきた。
　両家の家族が、色々な理由によりベロンベロンに酔っ払ってしまったのだ。
　なので王族と共に、真っ先に王都に送っていった。
　因みに、ジンさんの妹のリリーさんとレイナさんの妹はこちらに残っている。
　二人とも主従の関係だけど相性がいいので、とても仲良し。
　結婚式で号泣した男性陣の事を忘れて、さっきの結婚式の事で盛り上がっていた。
　二人とも、今日はジンさんの屋敷に泊まるそうだ。

「今日は、君に会えて俺はとっても嬉しいよ」
「私も、あなたと出会えてとても嬉しいですわ」
「「「ぐぬぬぬぬ……」」」
「「「はあ……」」」

　因みに冒険者はお酒が強いので、後片付けをして既に退散している。
　あと、女性陣で男性にガツガツいった人はパートナーを見つけられず、元々控えめでお酌とかをしていた人がパートナーを得ていた。
　因みに冒険者ギルドの受付のお姉さんと、たまたま護衛として参加していた、元々僕の屋敷の警備もしてくれる兵です。
　幸せそうに話をしている二人を恨めしそうに見つめている女性陣は、お酒をガブガブ飲んでブツブツと話をしていた。
　女性陣の様子を見ている男性陣がかなりドン引きしていたので、今回パートナーを獲れなかった女性陣に春が訪れるのはまだ先の様だ。

「お兄ちゃん、今日は楽しかったね」
「そうだね。ティナおばあさまやお兄様達も楽しんでくれたようだ」

　ティナおばあさまやルーカスお兄様達も送っていったのだったが、普段のパーティだとおすましをして挨拶ばかりするので、簡単な作業とはいえ侍従役が面白かった様だ。
　勿論、料理も楽しんでくれたし来賓とも和気あいあいと話をしていた。
　ちょっと変則的だったけど、中々楽しめた結婚式だった。
　皆も楽しんでくれたと思っている。
　
「よーし、街にくり出してお酒を飲むぞ」
「「「おー！」」」

　パートナーをゲットできなかった女性陣は、夜の街に消えていった。
　無事に帰れる事を祈ろう。

「ぐふう、気持ち悪い……」
「ジン、大丈夫？」
「アレク君に回復魔法かけて貰ってこれじゃあ、今日は駄目だね」

　そしてお酒に飲まれた人がもう一人。
　主役のジンさんである。
　ダイアンさんやゴードンさんにも来賓がお酒を注いでいたけど、ジンさんはかなり大勢の人からお酒を注がれていた。
　そして、動けない程に酔っ払ってしまったのだ。
　流石に危ないと思って僕がジンさんに回復魔法をかけたけど、完全には効かなかった様だ。
　ここに残っている人は僕の屋敷の近くなので、まとめて送っていった。
　
「うう……」
「ジンを寝かせてくるわね」
「明日には、回復しているはずだわ」
「お大事に」
「バイバーイ」

　レイナさんとカミラさんがジンさんの肩を担いで屋敷に消えていった。
　うーん、あれでは初夜はとてもじゃないけど無理だろうな。