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第十二章 ジンさん達の結婚式
百九十七話 ちょっとお姉ちゃんなリルム
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「うふふ、男なんてそんなものよ。陛下もリルムができた時は、面白い程に慌てていたわ」
「へえ、そうなんですね。でも、双子が出来たと分かった時はしっかりとしていましたよ」
「それは、丁度あのバカ公爵の事とケイリの事が重なったからよ。後で、とても驚いていたのですから」
「あの、その辺にしてもらうと有難いのだが……」
「あはは……」
陛下の誕生日パーティから一週間後、皆で帝国に向かって皇妃様の産んだ双子の赤ちゃんにお祝いを渡した。
そうしたら、エレノアとルーシーお姉様が陛下が赤ちゃんが出来て慌てていた事を話してしまい、皇帝陛下に飛び火してしまった。
皇妃様がケイリさんに皇帝陛下の秘密をペラペラと喋ってしまい、皇帝陛下は肩身を狭くして椅子に座っていた。
「うわあ、小さいね。手が小さいよ」
「あ、あくびした。可愛いな」
「ミカちゃんよりもずっと小さいよ」
「エレノアが小さい時みたいだね」
そして陛下の秘密をバラした張本人は、ベビーベッドに寝ている双子に興味津々だ。
事前にリズが予想した通り男の子と女の子の双子で、二人ともリルムに似た赤っぽい髪をしている。
リルムも双子の事が可愛くて仕方ないらしく、ずーっとニヤニヤして双子の頭を撫でていた。
「ルイちゃんとキャサリンちゃん。とっても良く寝ているね」
「赤ちゃんのうちは、いっぱいおっぱいを飲んでいっぱい寝て体を大きくするのよ」
「そうなんだ」
エレノアの疑問に、ケイリさんが答えてくれる。
ケイリさんもまだ妊娠はしていないけど、そのうち赤ちゃんが欲しいなって言っていた。
それにしても、ルイとキャサリンって前世の社会で習ったどこかの国の王様の名前だったような気がしたな。
と、急にルイちゃんとキャサリンちゃんが泣き出した。
「「ふぇー」」
「あらら、どうしたのかな?」
「スラちゃんが、おむつが濡れているって言っているよ」
「あらあら、じゃあおむつを交換しましょうね」
流石はいつもミカエルの側でベビーシッターをしているスラちゃんだ。
一発で二人が泣き出した原因を当てたぞ。
皇妃様が手際よく二人のおむつを替えていった。
おむつを替えてスッキリしたのか、再び二人はすやすやと眠った。
「スラちゃんは、いつもミカちゃんに何かあったら教えてくれるの」
「そうなのね。確かにスラちゃんがいたら、育児は楽かもね」
スラちゃんは泣いている子どもをあやすのも得意だし、確かに育児は楽かもしれない。
プリンがスラちゃんの側で悔しがっているけど、流石にプリンじゃスラちゃんのベビーシッターに勝てないと思うよ。
「それにしても、沢山のプレゼントがありますね」
「皇子に皇女が同時に産まれたからね。国内外から贈り物を頂いたよ」
「贈る側にとっては、一種のアピールでもありますからね」
「下心が見え見えな物もあるから困るよ。アレク殿下の様に、皆でわざわざお店に出向いて品物を選んでくれる人はほんの一握りだ」
皇帝陛下が苦笑しながら話をしてきた
確かに、上手くいけば将来の皇帝の妃になる可能性もあるし、皇女の夫も狙える。
ここ数年は、有力者の子どもが沢山生まれるだろうと皮肉っていた。
ここで、係の人が陛下に声をかけてきた。
「陛下、そろそろお時間です」
「そうか、日中は中々父親ができんな」
「子ども達の為に頑張ってください、あなた」
「ああ、それじゃ行ってくるよ」
少し気だるそうにしながら、皇帝陛下は会議の為に部屋を出ていった。
それを見て、ティナおばあさまも僕達に声をかけてきた。
「さあ、赤ちゃんも眠ったし、私達もそろそろ帰りましょう」
「「「「はーい」」」」
赤ちゃんも寝てしまったので、僕達も特にやる事がなくなってしまった。
皆で帰る支度をすると、リルムがてててとやってきた。
「赤ちゃんにプレゼントありがとー」
「どういたしまして。リルムもお姉ちゃん頑張ってね」
「うん!」
リルムも少しお姉さんになった様で、ちょっとハニカミながらもお礼を言ってきた。
皆でリルムの頭を撫でてあげてから、僕達は王国に戻ったのだった。
「へえ、そうなんですね。でも、双子が出来たと分かった時はしっかりとしていましたよ」
「それは、丁度あのバカ公爵の事とケイリの事が重なったからよ。後で、とても驚いていたのですから」
「あの、その辺にしてもらうと有難いのだが……」
「あはは……」
陛下の誕生日パーティから一週間後、皆で帝国に向かって皇妃様の産んだ双子の赤ちゃんにお祝いを渡した。
そうしたら、エレノアとルーシーお姉様が陛下が赤ちゃんが出来て慌てていた事を話してしまい、皇帝陛下に飛び火してしまった。
皇妃様がケイリさんに皇帝陛下の秘密をペラペラと喋ってしまい、皇帝陛下は肩身を狭くして椅子に座っていた。
「うわあ、小さいね。手が小さいよ」
「あ、あくびした。可愛いな」
「ミカちゃんよりもずっと小さいよ」
「エレノアが小さい時みたいだね」
そして陛下の秘密をバラした張本人は、ベビーベッドに寝ている双子に興味津々だ。
事前にリズが予想した通り男の子と女の子の双子で、二人ともリルムに似た赤っぽい髪をしている。
リルムも双子の事が可愛くて仕方ないらしく、ずーっとニヤニヤして双子の頭を撫でていた。
「ルイちゃんとキャサリンちゃん。とっても良く寝ているね」
「赤ちゃんのうちは、いっぱいおっぱいを飲んでいっぱい寝て体を大きくするのよ」
「そうなんだ」
エレノアの疑問に、ケイリさんが答えてくれる。
ケイリさんもまだ妊娠はしていないけど、そのうち赤ちゃんが欲しいなって言っていた。
それにしても、ルイとキャサリンって前世の社会で習ったどこかの国の王様の名前だったような気がしたな。
と、急にルイちゃんとキャサリンちゃんが泣き出した。
「「ふぇー」」
「あらら、どうしたのかな?」
「スラちゃんが、おむつが濡れているって言っているよ」
「あらあら、じゃあおむつを交換しましょうね」
流石はいつもミカエルの側でベビーシッターをしているスラちゃんだ。
一発で二人が泣き出した原因を当てたぞ。
皇妃様が手際よく二人のおむつを替えていった。
おむつを替えてスッキリしたのか、再び二人はすやすやと眠った。
「スラちゃんは、いつもミカちゃんに何かあったら教えてくれるの」
「そうなのね。確かにスラちゃんがいたら、育児は楽かもね」
スラちゃんは泣いている子どもをあやすのも得意だし、確かに育児は楽かもしれない。
プリンがスラちゃんの側で悔しがっているけど、流石にプリンじゃスラちゃんのベビーシッターに勝てないと思うよ。
「それにしても、沢山のプレゼントがありますね」
「皇子に皇女が同時に産まれたからね。国内外から贈り物を頂いたよ」
「贈る側にとっては、一種のアピールでもありますからね」
「下心が見え見えな物もあるから困るよ。アレク殿下の様に、皆でわざわざお店に出向いて品物を選んでくれる人はほんの一握りだ」
皇帝陛下が苦笑しながら話をしてきた
確かに、上手くいけば将来の皇帝の妃になる可能性もあるし、皇女の夫も狙える。
ここ数年は、有力者の子どもが沢山生まれるだろうと皮肉っていた。
ここで、係の人が陛下に声をかけてきた。
「陛下、そろそろお時間です」
「そうか、日中は中々父親ができんな」
「子ども達の為に頑張ってください、あなた」
「ああ、それじゃ行ってくるよ」
少し気だるそうにしながら、皇帝陛下は会議の為に部屋を出ていった。
それを見て、ティナおばあさまも僕達に声をかけてきた。
「さあ、赤ちゃんも眠ったし、私達もそろそろ帰りましょう」
「「「「はーい」」」」
赤ちゃんも寝てしまったので、僕達も特にやる事がなくなってしまった。
皆で帰る支度をすると、リルムがてててとやってきた。
「赤ちゃんにプレゼントありがとー」
「どういたしまして。リルムもお姉ちゃん頑張ってね」
「うん!」
リルムも少しお姉さんになった様で、ちょっとハニカミながらもお礼を言ってきた。
皆でリルムの頭を撫でてあげてから、僕達は王国に戻ったのだった。
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