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第十二章 ジンさん達の結婚式

百九七話 陛下のグダグダ劇場その二

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 陛下の誕生日パーティの事前準備でこんなにも大変だったのだから、本番はもっと大変だった。
 来賓は侍従とかで普通に案内できているし、リズとスラちゃんとプリンが喜々として会場のチェックしていたけど、特におかしいものはない。

 なのに、陛下の部屋では小さな事件が起きていた。

「久々に緊張するな……」
「ほら、私達がいないからって情けない顔をしないの」
「ちょっと挨拶すればいいだけなのよ」

 そう、何故か陛下が異常に緊張してしまったのだ。
 やはりいつも側にビクトリア様とアリア様がいる事が大きく、それがなくなって一人でやらないといけないのだ。
 ビクトリア様とアリア様は、まだ調子悪く一緒にはいけないので、部屋の中で声をかけるだけだ。
 そんな時、ルーシーお姉様とエレノアから陛下に一言。

「「カッコいいお父様がみたいな」」

 娘にそう言われて、父親が頑張らないわけにはいかない。
 顔をパンパンと軽く叩いて、会場に向かった。
 
 という事を後から聞いたのだが、その間僕とルーカスお兄様はずっと来賓への挨拶をこなしていた。
 来賓は、何で僕とルーカスお兄様が来賓の対応しているかと疑問に思っていたのだが、陛下がやってきてビクトリア様とアリア様の懐妊を発表したら納得してくれた。
 だけど、せめてあと一人ヘルプが欲しかった。
 優秀なお子様ですねと褒められたけど、流石にパーティが終わる頃には僕もルーカスお兄様も疲れてしまった。
 リズにエレノアにルーシーお姉様は、スラちゃんとプリンと一緒にもりもり出されていた食事を食べていた。
 今日ばかりは少し羨ましいと思った。

「「疲れた……」」

 二日連チャンでこんな目にあうとは思わず、僕もルーカスお兄様も疲れてしまった。
 食堂でぐでーってしているけど、流石に誰も文句は言ってこない。

「ルーカス、アレク。今日は助かったぞ」
「お父様、来年も大丈夫ですか?」
「来年?」
「陛下、赤ちゃんが生まれたばっかりでビクトリア様とアリア様をパーティに呼ぶのはちょっと」
「あ」

 あの、陛下?
 あ、じゃないですよ。
 何で息子に指摘されているのですか。
 久々に子どもが、しかも同時に二人の王妃に出来て完全に浮き足立っている。
 ティナおばあさまも、思わず溜息をついていた。

「ほら、これからビクトリアもアリアも大変な時なんだから、父親がしっかりしないとね」
「分かっている。直前になって色々な事が分かってちょっとパニックになっただけだ。もう大丈夫だ」

 三人の子どもがいる親の言葉とは思えないけど、これを気に頑張って貰いたい。
 それよりも、僕とルーカスお兄様は疲れてもう限界です。
 お休みなさい。
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