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引越し
しおりを挟む土曜日、いよいよ優が引っ越してくる
私は早い時間に理人を叩き起こし自分の部屋へと来ていた
窓を開け空気の入れ替えをする
私の持ち出す荷物を理人の車に積んでしまうと、優が使えるスペースが増えた
ここに残しても使わなそうなものは断捨離してゴミに出した
ピロン!とスマホにメッセージが入る
「あと30分くらいで到着予定だって」という優からのものだった
「…はい、珈琲」
理人がドリップ珈琲をいれてくれる
それを飲みながら優の到着を待った
トラックが到着してからは、どんどんと荷物が運び込まれ
あっという間に作業は終了となった
「…というわけで、こちら弟の優です」
「あ…は、はじめまして、ヨロシクオネガイシマス…」
緊張気味の優
「で、こちら、私の彼氏の理人さんです」
「どうぞよろしく~!可愛い弟が出来たみたいで嬉しいよ~」
色んな意味で本当に嬉しそうな理人
それで…と、私は理人のところに行くので
優はのんびり1人で部屋を使ってくれたまえ、と伝えた
まぁ寝室にある私のベッドまで片付けたわけじゃないから、優は基本リビングで生活することになるだろうけど
「それよりお腹減ったでしょ?ご飯でも食べながら話そうよ…」
と、理人お得意の気遣いによりお昼ご飯を食べに出かける
ご飯から戻るとマンション周りの店などを紹介しながら3人でプラプラと散歩した
「あの、ちなみに理人さんの家は近くなんですか?」
との優からの質問に
「そうだね、大事なお姉さんを預かるんだから心配だよねぇ」
と理人の部屋も見学することとなった
地下駐車場に着くと理人は
「あ、優くんこれ手伝ってもらっていい?」
と、私の荷物をうまいこと運ばせていた…
理人の部屋を案内されると、優は途中から白目になっていた(わかりみ)
「そうだ、なにかあった時のために連絡先を交換しない?」
そしたらお互い安心でしょ?と、理人は優の連絡先を入手した
夕方そのまま理人の部屋で私の作った夕飯を食べ
夜になるとマスターの店に3人で出かけた
「いらっしゃませ」
マスターは今日も素敵だ
我が弟を紹介する
「あ、はじめまして…優でs」
「えぇ!?慶さんにこんなに可愛らしい弟さんが?」
…なぜか棘のある言い方をされる私
それでも、マスターと理人に顔を覚えてもらえれば
私1人なんかよりよっぽど頼りがいがあると思った
…男同士で話の出来る人が居てくれるのはなにかと助かるんじゃないかなって
マスターにもすっかり苦学生的な認識で応援の声をかけてもらった優
今日はこの辺で…と店を後にした
「理人さん、今日はありがとうございました、…姉ちゃんのことよろしくお願いします!」
そう言って優は歩いて帰っていった
あの人は方向音痴じゃないからその手の心配はいらないだろうけど、あの優が親元を離れてこれからは1人で生活するのかぁ…という少し寂しい気持ちになった
その後ろ姿を見送り、私たちも部屋に帰った
「理人、今日はありがとね」
私も優も1日お世話になっちゃって…
「やめてよぉ~、暇なんだからいいんだって」
「それから…これから居候になるけどよろしく…」
と私もここで、これから理人にお世話になることを一応お願いしておく
「居候じゃないでしょ…未来の奥さんなんだから」
理人はそう言うと
「今日はずっとお兄さんぶってたから…いっぱい甘やかして」
と私の膝枕に横になった
言わなかったけど、未来の奥さんは気が早過ぎだろ…
一緒に生活したら見たくないものが見えてくるに決まっている
理人は現実が見えたときどう思うんだろう…
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