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序章
0- あまりに身勝手な人間達を
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人間は誰しも自分より上の能力を持つものを疎む節があり私達はそれに対し少なからず劣等感を抱いて生きている。
そして、こうなると心の拠り所が必要だという様に自分より劣っているものに対しては無意識のうちに優越感を抱き心を防衛してきた。
スポーツが苦手な彼女が運動部のエースのあの子を羨むように、秀才の彼が勉強のできないあいつを見下すように。
でもそれは人間だから仕方ないのと「世界」は僕に話して聞かせた。
汚い。
僕は思った。
嫉妬?優越感?そんな穢れた感情なんてこの世界には不要だ。生命が活動をやめるその日まで全ての人間は平等に時を刻み続ければいい。
同じ種同士で傷つけあう人類は僕からすれば残酷で滑稽で憐れな道化師にしか見えなかった。
なにも考えず空飛ぶ鳥を羨ましいと思ったことはないか?
なにも考えずあんな風に飛んでいってしまいたいと思ったことはないか?
僕は思う。
どうせならこの世界、一掃してから鳥になろうと。
薄いオレンジに染まってきた空に顔を向けるのを止め腰掛けていたガードレールからよいしょと腰を持ち上げ呟いた。
「さてそろそろ世界を綺麗にしようか。」
これは人類の端くれの僕がおこした世界へのクーデターの一部始終である。
そして、こうなると心の拠り所が必要だという様に自分より劣っているものに対しては無意識のうちに優越感を抱き心を防衛してきた。
スポーツが苦手な彼女が運動部のエースのあの子を羨むように、秀才の彼が勉強のできないあいつを見下すように。
でもそれは人間だから仕方ないのと「世界」は僕に話して聞かせた。
汚い。
僕は思った。
嫉妬?優越感?そんな穢れた感情なんてこの世界には不要だ。生命が活動をやめるその日まで全ての人間は平等に時を刻み続ければいい。
同じ種同士で傷つけあう人類は僕からすれば残酷で滑稽で憐れな道化師にしか見えなかった。
なにも考えず空飛ぶ鳥を羨ましいと思ったことはないか?
なにも考えずあんな風に飛んでいってしまいたいと思ったことはないか?
僕は思う。
どうせならこの世界、一掃してから鳥になろうと。
薄いオレンジに染まってきた空に顔を向けるのを止め腰掛けていたガードレールからよいしょと腰を持ち上げ呟いた。
「さてそろそろ世界を綺麗にしようか。」
これは人類の端くれの僕がおこした世界へのクーデターの一部始終である。
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