RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十一篇第四章 未来へ灯す希望の光

霆狐サーガvs舞鷹ヨハネ

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冷たい視線を送りながら刀を天高く掲げて
振り下ろしたヨハネから黄金色の旋風の斬撃
がサーガに向けて放たれる。

其れを見たサーガは大地を蹴り上げて正面に
入る様に跳び上がると檸檬色の雷を腰元から
引き抜いた双刃刀に纏う。

そして、正面から旋風を掻き消す様に雷の
一撃を放ってヨハネの攻撃を相殺した。

其れを見たヨハネは一気に翼をはためかせて
サーガに向けて滑空するとサーガに向かって
刀を振り下ろして行くが其の攻撃はサーガの
双刃刀に依って防がれる。

鍔迫り合い状態となった二人は視線を交わせ
互いが互いを睨み付けている。



「どうしたッスか?らしくないッスね…厳格なヨハネ中将ともあろうお人が…一応は仲間だと思って貰えていたという事ッスか?嬉しいッスねそれは…!」


「のぼせ上がるなよ?サーガ少将…!」



波動とギフトの質量を一気に上げたヨハネの
刀の押し込みと共に黄金の旋風の中に巻かれ
サーガは背後のジョシュル修道院の門戸の壁
へと吹き飛ばされてしまう。

そして、壁を身体が打ち破り修道院の庭の中
へと転がり込んだサーガを追う様にヨハネは
翼をはためかせ飛んで行く。



「あいたたッ…流石に覚醒相手に通常状態で臨んでたのを見れば…のぼせ上がってると言われても返す言葉も無いッスわ…!」



痛む身体をさすりながら立ち上がったサーガ
が浮かべた笑みにほんの少しヨハネの表情が
崩れて行くのが解る。



「ならば何とする?」


「当然…俺も其のステージを解放するだけッスよ…!」


「本気か。サーガ少将…」


「此処に立った時点で本気だって言ってるじゃないッスか…!」



サーガの身体が檸檬色のオーラに包まれる。

そして、サーガの身体が狐をモチーフとした
姿へと変貌を遂げて行った。

雷を纏う九つの尾と狐の耳を顕現させ首回り
には瞳を閉じた狐が巻き付いた様なマフラー
が巻かれると腕や腰に勾玉を携えた飾りが
施され全身に雷が奔っている。



「迅雷覚醒…“ 雷臨舜狐エレクトロフォックス”ッッ!!」



サーガが覚醒へと至り上空を舞うヨハネの目
がより一層の鋭さを増している。



「九尾の狐…此の我と…化かし合いでもするつもりか?」


「そういう能力もあるッスけどね…俺が今やらなきゃ行けないのは…アンタを此処に留めて置く事…彼等を此処から脱出させる事ッスよ!」


「………奴等に何を吹き込まれた?」


「吹き込まれてなんかいないッス…話を聞いただけ…其の上で俺が判断したのが此の行動だったンスよ!!」



サーガの九つの尾が伸びて上空のヨハネへと
襲い掛かるとヨハネは羽を華麗に舞わせ其の
尾の攻撃の間隙を縫い滑空する。



「目を覚ませ…サーガ少将。此れ以上は庇う事は出来ぬぞ…!」


「もう決めた事なんで…其の配慮も遠慮しておくッス!」



檸檬色の雷の中を黄金の疾風が駆け抜けて
ルタイ山が鳴動し始めた。
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