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それはあぶないな

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「…………」

 国境を越えたが向こうの国からは何も反応はない。





「何もないな……」

 3人の故郷であると思われる街には人の気配がなく、がらんとしている。

「ココはいつもこんな物、な訳ないか……」

 住人は先日ユーフェミアがほとんど消してしまったのだろう。

「生存者は、いないかな……」

 街は所々荒らされており、戦闘があったであろう跡も複数見られる。



「うーん、いない……かな、誰かいませんかぁ!!」

 試しに大声を出してみる、これで生存者がいれば良いし魔物が来るのならそれを討伐できるのでそれでも問題ない。

「助けて……」

「ウボォォァァアア」

「両方来たか」

 さすがに両方来るのは想定していなかった。

「私が魔物を相手をするからレオナは救助、他は密集して周囲を警戒」

「了解」

 本来ならユウキが救助してゴーレムが魔物を相手をした方がいいのだが、助けを求めた人が出てきた瞬間にレオナのゴーレムがわずかに前に出たのが見えたのでおそらく知り合いなのだろう。



「お久しぶりですレオナです」

 最初は迫るゴーレムに怯えていたがレオナの声を聴いて安心したのかその場にへたり込んでしまった、レオナが慎重に救助者を抱え込む。

「ぁ……」

 しまった、救助した人を何とかする事を忘れていた、車両はもちろん置いてきたしゴーレムの中は人が1人入るスペースしかない、こうなったらそこら辺にある瓦礫を使って即席のカゴを作りレオナのゴーレムに取り付ける、その中に救助者を入れていく事にする。





 魔物自体は簡単に対処できた、これならそれなりの数が来てもユウキだけでも問題ないだろう。

 1体倒したせいなのか、街の奥から魔物達がぞろぞろと集まってきた。

「さて、絶滅タイムだ」

 向こうは特に耐性や防御が高い訳ではないので炎の魔法で一気に処理していく、こんな時はフィアの姿になって口から炎を出した方が楽で良いのだが、人の目があるのでそんな事はできない。

「ま、十分だな」

 ユーフェミアが強力な魔法を行使して倒していたので最初はある程度構えていたがそうでもなかった。





「……多くね?」

 かれこれ30分は倒し続けているのだが一向に向かってくる魔物が途切れる様子がない、外国なので安易に大技を使う事ができない。

「ゴーレム3機は敵魔物に対してエネルギーを温存しつつ砲撃」

「「「了解」」」

 さすがに数が多いのでゴーレムにも手伝ってもらう、作戦がいつまで続くか分からないのでゴーレムのエネルギーはなるべく残してもらう。

「私達は?」

「待機、というか温存で」

「りょーかーい」

 マキナ達は最後の手段として置いておく、2人とも規模が大きな魔法だったり地形に影響を与えそうな物なので出来れば戦闘はさせたくない。





「あー終わった」

 ゴーレムの援護が加わりようやく見える範囲で魔物を倒しきれた。

「これはもうほとんどの人が感染してるんじゃないかな……」

 明らかに今いる街の人口よりも多い数を倒したのでこの国はかなり深刻な事態になっている可能性がでてきた。
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