上 下
215 / 244

それはやだな

しおりを挟む
「えーっとじゃあ陣形を発表します」

 と言っても特に考えていた訳でもなく元々決まっていたようなものだ。

「レオナ、ミルア、メルディの3人はゴーレムに搭乗して盾を持ちつつ前進、ユーフェミアとマキナはゴーレムの後方についって遠距離攻撃を担当、私は盾の前で進行する、以上」

「あら私はどこに行けばよろしいので?」

「え、ミルシアは貴族だしココで待機かな」

「それは、……お断りしますわ、私だって自分の身くらいミザリーちゃん込みで守り切れますわ」

「うーん、じゃあユーフェミアとマキナの間で遠距離攻撃する2人の護衛をお願いします」

「ふふん、わかりましたわ、しっかりと2人を守って見せますわ」

「お願いします……」

 ミザリーの得意な戦闘距離はユウキよりも前なのだが、上司であり貴族であり友達であるミルシアを守ってもらうために2人で纏まって後ろで待機してもらう、流石に貴族相手なので守ってくれるだろう、ユーフェミアは……流石に守ってくれると期待したい、あと流石にミルシアの従者は置いてきた。



 ユウキ達以外の兵士達は防御に徹してもらい、攻撃はこちらに押し付けられた。

「そういえば人員の救出はどの程度にするのさ?」

 今のユウキ達は軍人なので自国民なら守り通す義務があるのだが、今から行く所は他国でしかも国同士の条約なども大した物がない、その場合どうするかとりあえず責任者のミルシアに聞いておく。

「……考えていませんでしたわ、ひとまず安全は確保した方がいいでしょうか……、ですが安易に手は出さない方が良いでしょう、それから向こうの命よりこちらの国の命が優先です、いいですわね」

「了解です、みんなもいいね」

「わかりました」

「はーい」

 ミルシアとユウキの声は聞こえているハズだがゴーレム達からの返事はない、ただゆっくりと歩き続けている。

「大丈夫かしら?」

「……まぁフォローはするさ」

 家族のために全力を出していた彼女達なので何をしでかすか分からない、ある程度は意識して見ている必要がありそうだ。



 そうこうしているうちに国境が近づいてきた。

「各位、これは訓練ではない、実践である!」

 気合を入れて叫んでみると思いのほか遠くまで響き、後ろで防御を固めていた兵士達が元気に返事をしてくれた、予想外の所から返事が来たので驚いたが向こうにも気合が入ったのならヨシとしておこう。

 ゴーレムの方は砲身をしっかりと上げているのでやってはくれるだろう、対してユーフェミアとマキナはまだ遠足気分が抜けていない様子はある、2人は実力は確かなので余程の事がない限り大丈夫だろうが部下の獣人達よりも心配だったりする、いろんな意味で。



「これがストレス……」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...