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数をこなすため

感情的になるのも良い時もある

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「いや精度よ」
 1度撃った所を寸分の間違いもなく同じ軌道に別の銃で撃ち込んだ、当たり前のように出来ると思い込み当然のことのようにやってのけた、そんな事に自分で驚いてしまった。
 これもメリジューヌになってさらに魔法少女に変身したためにできた芸当なのだろうか。

 自分の腕前に驚いていると巨獣の方から悲鳴のような地響きような者が聞こえてきた、どうやらちゃんと効果があったようだ。
 一瞬視線が外れた隙に巨獣が姿を現した、腕はゆっくりと現れたのに対して本体は一瞬で出てきた。
「なんだ、結構可愛い系じゃん」
 見た目はどこかのマスコットキャラクターのようでメリジューヌの横で小さく浮いてるのがお似合いにも思える、そんな考えが過ってしまったようで追撃の手を止めてしまった。
「アレ欲しいな、鹵獲したい」
 現状では巨獣がどういった物か分からないので捕まえるのはまず難しいだろうし、さらに飼いならすのは更に困難だろう、それにこの世界であの巨獣を従える方法があったとしても規格が合うかも分からない、なので鹵獲したところでも従える事はできないだろう。

「でもなぁ……」
 どうやらメリジューヌの琴線に触れたようでこれ以上攻撃を加える気が起こらないようだ。
 魔法少女のアプリを起動して何とかならないか弄ってみるがどうも上手くいく感じはない。
「……すいません、今いいですか?」
 思わず端末で日本に連絡をしている。
(アレ……、あぁ橘君ね、今は……、かなり変わってるみたいだけど、どうしたの時間なら大丈夫ですよ?)
「あのですね、目の前にいる子なんですけども……」
(はいはい?)
「あの子をですね、どうしても欲しくなりまして、鹵獲して飼えないかなと思いまして」
(あーなるほどね、えーっとですね、ちょっとまってねぇ)
「ちなみにどれくらい待ちますか?」
(うーん、何ともかなぁ、すぐ回答がくる時もあるし1年以上待つ事もあるからね……、でも橘君が珍しくわがままを言ってくるんだから私はちょっと頑張るよ)
「お、お願いします」
 もちろんこんな会話をしている間でも巨獣から攻撃は続いている、どうやら巨獣は空を飛ぶ方法がないようで空中にいるメリジューヌには針を飛ばす以外には特に手段を持っていないようだ。

(とりあえずは返事が来るまで一旦切りますね)
「はいお願いします」
 どうやらすぐに返事は来なかったようで一度通話を切る事になった。
「こうなればいくらでも待ってやる」
 つい先ほどまで速攻で終わらせる気でいたのにこうなってしまえば劣悪な環境でも何日でも待てるような気がした。
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