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海洋の底へ

自慢の船

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「君たちが僕の船に乗ってくれるんだよね」
「……たぶんおそらく」
 若い男性の熱意に押されてしまい同意してしまった、この男性が今回協力する人であってほしい。
「よっしゃぁぁあ、夢で行っていた事は本当だったんだ!」
「で、僕らは何をすれば?」
「あ、あぁそうだったね、君たちには僕の船に乗って一緒に航海してほしいんだ」
「船?」
 このままいくともしかして海の中じゃなくて海の上での活動になるのだろうか……、彼の熱量から断るのが心苦しいのでさっさと終わらせてしまうに限る。
「あぁ、最近船がなんかの魔物に襲撃されてる事件が多発してるから誰も手伝ってくれないんだ」
「なんでそんな時に海に出るんですか?」
「そりゃあ謎の魔物の討伐の報酬はでかいし、なによりも生活のために漁にでないとな、他の奴らはまだ被害が出ていない海域に行っているようだが……、競争率が高いから今から行っても何も取れないだろうしな」
「はぁ……」
「しかし自分は1人で漁しているから行けそうになかったけどつい昨晩に助けが来るっていう夢を見て来てみれば君たちがいたんだ、コレはもう行くしかない!」
「お、おう」
「さぁ僕の船に乗りたまえ」
 男性に促されるまま港を進んでいく。

「コレが僕の船だ、30年ローンだぞ!」
「おお!」
 案内された先には大きな船が浮かんでおり、10人は余裕で搭乗できそうな大きさがある。
「デカい」
「おうよ、コレなら1週間は海に出たままでいいからな、もちろん味付けの備蓄はバッチリよ」
 男性の船に乗り込んむ、海の波はそれなりにあったハズだが船はまっすぐ水平を保っている。
「すごいだろ、この船の最大の売りなんだよよほど大荒れしてなければまったく揺れないんだぜ!」
「確かにこれはすごい……」
 試に足場を揺らしてみたが動いている感じはない。
「準備はできてるから今から行くぜ」
「マッ?」
 言い出す前に船が動き出す、こちらの都合は完全無視のようだ、武器の類はサヨは持っているし食糧も一応もっている、最悪この世界から緊急脱出もできる、冷静にいればなんとかなるだろう。

「この辺だ、到着したぞ」
 どうやら目的の海域に到着したようだ、港は既に見えなくなっており四方八方海に囲まれてドコを向いているのかすらわからない。
「そういえばお前たちは漁の経験はあるか?」
「ないけど」
「私もないよ」
「……そうか、じゃあ戦闘経験があるんだな」
「海の上は今回が初めてだな」
「そうだね」
「おうふ……、ま、まぁこの船は揺れがほぼ無いし大丈夫だろ……」
 この場にいる3人が自信がないまま、とりあえずで男性が漁の用意を始めた。
「……とりあえず魔物が来たらよろしく」
「お、おう」
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