上 下
141 / 425
オンラインゲームだった世界

この世界の転生者たち

しおりを挟む
 草原を真っすぐ進んでいくと大きな街にたどりついた、2つ目の街は大きな城壁に囲われており、設定では草原から来るモンスターの対策のために高い壁に囲まれている。

「あれあるかな」
 あれとはこの世界の身分証明書を持っているか服のポケットを探る、こういった世界に転生すると自分のステータスが見れる魔法が使えたりするものだが……。
「ステータス……」
 自分はこの世界に転生した訳ではないのでそういった魔法が使えないので自分の強さがイマイチわからない。

「お?!」
 ズボンの後ろポケットに銀色の金属でできた板のようなものが入っていた、覚えがないのでコレが身分証明書の代わりになると信じて向かう。


「そこのお前、身分証明書はあるか?」
「これでいいですか?」
「ぬ、ギルドの者か通ってよし」
 金属の板を少し見せただけで通行が許可された、サヨに至っては自分に同行していたというだけで金属の板を見せることなく通りぬけできた。

「緩くね?」
「敵はモンスターだけなのかも」
 そういえばゲーム開始時に表示される背景ストーリーでは迫りくるモンスターの襲来から人々を守るとかで人間同士で戦うなどの説明は無かった、端末を取り出して改めて確認してみるとやはり敵はモンスターのみだった。
「だからあんなに適当だったのか……」

 そしてこの世界に来たらいつもやっている、この世界にきた転生者を探す作業が始まる、ぱっと見では判断が付かないので時間がかかる場合がある。
「なんだよ、ゲームだっら在庫が無限だったのに……」
 今回は簡単に発見できたようだ。


「あのどうしたんですか?」
「あ、とってきた魔香草全部と回復草を交換してくれないんだ」
 このゲームの序盤の金策として魔香草を回復草に交換して依頼で回復草を渡す方法があり、恐らくその方法をこちらでも行おうとしていたのだろう、彼のカバンには溢れるほど魔香草が入っていた。
「別に私は魔香草は少しあればいいんだよ、そんなに多くはいらないね」
「確かにそれは多いような……」
 ゲームでも魔香草は使い道がすくなく序盤の金策に使用する以外では特定の職業以外では使用しない、アイテムの説明もいい匂いがする草程度の説明しかない。
「くそ、なんで何も持ってこれてないんだよ」
 転生者は地面を強く蹴ってどこかへ行ってしまった。

「君もこの世界に飛ばされたのかな?」
 振り向くとさきほどとは別の人が話かけてきた。
「そうなりますね」
「この世界じゃ金策もなにもできないからね」
「あの……」
「どうしたのかな?」
「この世界にどれくらいの人が飛ばされてきたんですか?」
「あれ、レイドボスに挑戦した人が全員とばされたハズだけどしらない?」
「自分は気が付いたらそこの草原にいまして……」
「ふむ、ここ最近、数日の話になるんだがね、どうもいきなり現れたレイドボスと戦闘になるとこの世界に飛ばされるようなんだ」
「そうなんですね」
「うむ、しかし君も気が付いていると思うけどストレージに入れていた物が全て無くなっているんだ」
「そうですね」
「だからレイドボスに挑んだ時に装備していた武具と手にもっていたアイテムだけがこの世界に持ち込めたんだ」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?

N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、 生まれる世界が間違っていたって⁇ 自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈ 嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!! そう意気込んで転生したものの、気がついたら……… 大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い! そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!! ーーーーーーーーーーーーーー ※誤字・脱字多いかもしれません💦  (教えて頂けたらめっちゃ助かります…) ※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...